2015年04月14日更新 西アフリカのエボラ流行に関するIHR緊急委員会の第5回会合における声明

 2015年4月10日にWHOから以下の声明が発信されました。
 註:本文はあくまで参考情報です。詳細な内容については原文をお確かめください。

 西アフリカのエボラ流行に関する第5回緊急委員会会議が、国際保健規則(IHR:2005)に則りWHO事務局長によって招集され、2015年4月9日(火曜日)に緊急委員会委員およびアドバイザーが集まり開催されました。

 IHR2005の規定に基づき、委員会が事務局長にアドバイスするための主な議題は以下のとおりです。(1) 現在の状況が国際的な懸念に対する公衆衛生上の緊急事態を制定し続けるべきものか、(2) もしそうであるならば、現在の一時勧告は延長または改定、そして/あるいは新たな一時勧告を発行すべきか。

 委員会は、現在の疫学的な状況を含む2015年1月20日の前回会議以降の展開を検討しました。委員会は、接触者追跡地域を含めて西アフリカでのエボラ出血熱に対する予防と感染制御への行動のさらなる改善の結果として、リベリア、シエラレオネ、ギニアでの患者発生数の減少や地域分布の縮小にともない、国際的な拡散に対する全体としてのリスクはさらに低くなってきたと見られると述べました。これらの IHR加盟3か国は、疫学的視点での状況と出国検査や接触者追跡の状況およびその実施状況に関してエボラ出血熱の流行に対する更新情報と評価資料を提出しました。

 委員会は、流行3か国によって達成された進展を認めた上で、まだ出来るだけ早く感染伝播を絶つという第一目標は残っており、自己満足できる状況にはないと強く述べました。また、委員会は「患者ゼロの達成」に対する地域社会の関わりの重要性についても述べました。委員会は、最近も医療従事者の感染が継続していることに懸念を表し、適切な感染予防と管理の対策の実行への厳格な適用を確実なものにすることの重要性をもう一度断言しました。

 委員会は、エボラ出血熱が性的接触による感染伝播の可能性についての問題、特に、最近、エボラ生存者が回復して数か月を経てから性的接触に続いて感染させた可能性のある症例の問題についても議論しました。委員会は、この領域での調査計画が進行していることを歓迎し、優先順位の高いものとして加速させることを促しました。

 委員会は、発行された一時勧告の中で現在までに限度を超えた不適切な公衆衛生対策があることの問題をも議論しました。委員会は、帰国者の隔離、入国拒否、搭乗便の取り消しや国境の封鎖といった追加の防疫措置が海外渡航や貿易に重大な損害を与え、対策や復興への努力にマイナスの衝撃を与えることに強い懸念を表明しました。最近一部の国では、これらの追加の防疫措置を解除し、いくつかの地域の航空会社が流行国へのフライトを再開しましたが、まだ約40か国が追加措置を実施しており、たくさんの航空会社がこれらの国への飛行を再開しておりません。

 委員会は、国際的な懸念に対する公衆衛生上の緊急事態を制定し続けるべきであると結論づけ、これまでの全ての一時勧告は延長されるべきであることを提言しました。委員会は、事務局長がエボラ流行に対して検討を必要とする事項として、IHRに則り以下の追加アドバイスを提出しました。

最も深刻な影響を受けた国への提言(ギニア、リベリア、シエラレオネ)

 委員会は、流行3か国に対して引き続き出国検査の必要性を強調しました。このような出国検査は、エボラ出血熱に対する2回の陰性検査結果を得てから少なくとも42日間は維持し続けなければなりません。各国は人から人への感染伝播が小さな地域まで全てにおいてなくなるまで出国検査を続けることが奨励されます。委員会は、再度、国際空港で検査を受けた人数や出国検査の結果を定期的にWHOに報告することを流行国に求めました。

ギニア、リベリア、シエラレオネとの国境が隣接する国々への提言

 委員会は、これらの国々は、積極的な調査の強化を継続すること、特に、国境地域で強化すること、国境を越えた協力体制、情報および設備を互いに共有することの保証、新たな患者発生への警戒を継続すること、既知の接触者追跡を行うこと、これらの必要性について再度強調しました。委員会は、このような活動を計画し、実行するために考慮しなければならない国境を越えた強い社会的、文化的な連携を際だたせました。

すべての国への提言

 委員会は、不適切な施策を監視するWHOの継続的な活動を歓迎し、国際保健規則(IHR:2005)委員会の第2条で述べられているとおり、また、現在の緊急勧告において表明されているとおり、海外渡航と貿易に対する不要な介入を避けること、そして、現在の公衆衛生上のリスクに見合った対策だけを実施することの必要性をもう一度断言しました。委員会は、WHOが不適切な措置に対する監視を継続することを支持し、加盟国に速やかにそのような措置を撤回し、2015年5月エボラ危機に関する世界保健機構総会の検討議論までにその行動をWHOに知らせることを促しました。

 このアドバイスや委員会によって検討された情報に基づいて、事務局長はギニア、リベリア、シエラレオネでは国際的な懸念に対する公衆衛生上の緊急事態を制定し続けることを宣言しました。事務局長は、委員会のアドバイスを支持し、IHR(2005)に基づいて、これまでの一時勧告を継続し、新しい一時勧告として追加のアドバイスを交付しました。事務局長は、委員会委員およびアドバイザーからのアドバイスに対し謝意を述べ、3か月もしくはそれよりも早く、彼らに現況の再評価を行うことを要請しました。

出典

WHO. Statement on the 5th meeting of the IHR Emergency Committee regarding the Ebola outbreak in West Africa, WHO Statement. 10 April 2015.
http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2015/ihr-ec-ebola/en/