2015年04月21日更新 太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告 (更新3)

 2015年の第12週から第15週に公表されたWHO西太平洋地域事務局(WPRO)のサーベイランス情報をまとめて掲載いたします。

 註1:発生時期に時間差がありますので、詳細は原文でお確かめください。

 太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告システム(PSSS)では、伝染性感染症の発生を示唆する情報の報告をしています。データは、急性発熱と発疹、下痢、インフルエンザ様疾患、遷延性の発熱の4つの症状群について、太平洋地域の23か国200以上の医療施設から収集されています。PSSSは、伝染性感染症に対する極めて貴重な早期警報ツールとしての、また、太平洋諸島の地域と国々、WHO、太平洋共同体のようなその他の国際機関との間で定期的に連絡をとる機構制度としての役目を果たしています。

急性発熱と発疹:パラオ(14)、フランス領ポリネシア(15)、マーシャル諸島(15)、ナウル(15)
下痢:フランス領ポリネシア(12)、ピトケアン諸島(12)、トンガ(13,14)、ニウエ(15)
インフルエンザ様疾患:フランス領ポリネシア(12,13)、ピトケアン諸島(12)、ウォリス・フツナ(12)、トンガ(13,14,15)、アメリカ領サモア(14,15)、ナウル(15)、バヌアツ(15)
遷延性発熱:ソロモン諸島(12)、フランス領ポリネシア(13)、トンガ(13,14,15)、マーシャル諸島(15)、パラオ(15)
註2:括弧内の数字は報告された週です。

疾患別の発生状況

チクングニア熱
・チクングニア熱の流行が、クック諸島、マーシャル諸島で続いています。アメリカ領サモア、キリバスおよびサモアでの週別患者数は大きく減少してきました。フランス領ポリネシアでは流行の終息が宣言(第12週記事)されました。

・フィジーでは、フランス領ポリネシアにあるLouis Malarde研究所(ILM)によりRT-PCR法によってチクングニア熱の初めての患者が確認されました。

・マーシャル諸島では、2015年2月9日以降、4月15日現在、103人の患者報告がありました。検査検体はハワイ州の研究所に送られ、アメリカ疾病予防センターの手によって確認が行われています。

・クック諸島では、2015年4月12日までの1週間に13人のデング様疾患が報告されました。2014年11月以降、2015年3月15日までに233人の患者が報告されました。フランス領ポリネシアのILMによって確認されています。入院または死亡が報告された事例はありません。

・キリバスでは、2015年3月26日現在、13,309人の患者が報告されました。入院または死亡が報告された事例はありません。流行の警報が発せられています。

デング熱
・フィジーでは、デング熱の流行が北部衛生区域Macuata地方で発生しています。フランス領ポリネシアのILMによってデング熱2型が同定されました。患者数は減ってきています。

・フランス領ポリネシアでは2015年4月5日の週に16人の患者が報告されました。デング熱1型が同定されました。3月には8人の患者が入院しました。入院率は22.5%となっています。

・トンガでは、Labplus(Auckland, NZ)によりデング熱3型が確認されました。2015年4月12日の週に18人、5日の週に32人、3月29日の週に142人のデング様疾患患者が報告されました。

百日咳
 2014年12月以降、2015年4月3日現在、グアムで37人の患者が発生し、百日咳の流行が続いています。中央値は3歳です。患者のうち、2人は入院が必要となりました。この病気に関連する死亡者は出ていません。詳しい情報はグアムの公衆衛生・社会サービス局でまとめられています。

レストスピラ症
 フランス領ポリネシアでは、2015年4月5日の週1人、3月22日の週、3月15日の週に患者各1人ずつが報告されました。1月開始以来、42人のレストスピラ症患者が報告されています。

麻しん
・パプア・ニューギニア、バヌアツで麻疹の流行が続いています。

・WHOとUNICEFの支援によって、熱帯サイクロンPamが襲来したバヌアツでは、麻しんの予防接種キャンペーンが首都ポートビラとエファテ島地方で続けられています。4月15日現在、5歳以下の16,000人の子どもに、回虫駆除剤、ビタミンA、石けん、急性の栄養失調検査とともにワクチンが接種されました。キャンペーンはタンナ島で4月7日に始まりました。

ジカウイルス
・ソロモン諸島で流行が続いています。フランス領ポリネシアのILMで行われた検査検体のRT-PCR検査で確認されました。2015年2月以降4月6日までに、240人のジカ様疾患患者が発生しました。

・ニューカレドニア厚生省によって、2015年年初から3月20日の週までにバヌアツから6人の感染輸入患者が報告されました。これらの患者のうち3人は、3月3日、5日、6日に報告されています。翌週にも1人が報告されています。(情報源:Bulletin épidémio au 8 avril 2015 and Updated map of epidemic and emerging disease alerts in the Pacific 13 Apr 2015).

インフルエンザ
 フランス領ポリネシアでは、流行シーズンに合わせて主にインフルエンザA(H3N2)が国全体に拡がってきています。

心配な場合には早めの受診を

海外で発熱などの症状が出たら、早目に医療機関を受診してください。
また、帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関を受診してください。受診方法については検疫所や保健所でも相談することができます。
医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典

WPRO. Emerging disease surveillance and response.
Weekly Pacific syndromic surveillance report. Week 15, ending 12 April, 2015
http://www.wpro.who.int/southpacific/programmes/communicable_diseases/disease_surveillance_response/PSS-12-April-2015/en/

Weekly Pacific syndromic surveillance report. Week 14, ending 5 April, 2015
http://www.wpro.who.int/southpacific/programmes/communicable_diseases/disease_surveillance_response/PSS-5-April-2015/en/

Weekly Pacific syndromic surveillance report. Week 13, ending 29 March, 2015
http://www.wpro.who.int/southpacific/programmes/communicable_diseases/disease_surveillance_response/PSS-29-March-2015/en/

Weekly Pacific syndromic surveillance report. Week 12, ending 22 March, 2015
http://www.wpro.who.int/southpacific/programmes/communicable_diseases/disease_surveillance_response/PSS-22-March-2015/en/