2015年04月27日更新 髄膜炎の発生-ニジェール

髄膜炎菌性髄膜炎は、髄膜炎菌に感染することによってかかる病気です。髄膜炎菌は髄膜炎の流行を起こす唯一の細菌で、化膿性髄膜炎を起こします。人から人へ直接感染します。髄膜炎菌性髄膜炎は、季節によって小規模な集団発生を起こし、温帯地域では、冬から春にかけて、患者数が増加します。

2015年4月24日に公表された、WHOのアフリカ地域事務所(AFRO)の情報によりますと、ニジェール保健省から2014年12月31日から2015年4月22日にかけて髄膜炎菌感染症疑いの患者1,150人が発生し、そのうち129人が死亡したとの報告がありました。疑い患者はニジェールの8州のうち7州から報告されています。Dosso(ドッソ)州とNiamey(ニアメ)州のいくつかの地域では、髄膜炎菌性髄膜炎の流行が確認されています

ドッソ州では、主にDogon-Doutchi (ドゴンドゥーチ)地区とGaya (ガヤ)地区から、これまでに25人の死亡者を含む256人の患者が報告されています。これらの地域では、警報レベルを越えています。

ニアメでは、これまでに74人の死亡者を含む608人の患者が報告されています。ニアメの5地区のうち3地区(総人口のうちの66万人を越える人口を抱えるニアメⅠ、Ⅱ、Ⅲ地区)では、警報レベルを越えています。

流行地域における検体検査では、主に髄膜炎菌C型が確認されています。加えて、いくつかの検体からは髄膜炎菌W型も確認されています。

●公衆衛生における対策
国家対策本部が流行への対策のために設置されました。MenAfrinet(疾病監視のためのデータ管理機能を提供するネットワーク)の2つの組織、アメリカ疾病対策センター及びWHOから成る国際調査チームが、この流行を調査する保健省を支援するために派遣されました。そして、彼らはこの国でのサーベイランス機能を強化しています。

WHOと支援団体は、集団予防接種キャンペーンやその他の緊急対策を実施するニジェール政府を支援しています。流行性髄膜炎コントロールのためのワクチン接種対策の国際調整団体(ICG)は、国境なき医師団とWHO及びユニセフの支援を受けた保健省の2つの団体からのワクチン請求を認めました。ACWワクチン合計217,370本と、流行への対応に備えた抗生物質18,500バイアルを出荷しました。ニジェールの保健省は、ワクチン供給の追加の必要性を伝えてきています。患者管理と地域社会における活動も継続中です。

◆感染症情報:髄膜炎菌性髄膜炎

出典

WHO/AFRO.Programmes, Disease Prevention and Control, Epidemic and Pandemic Alert and Response, Outbreak news.Meningococcal disease in Niger(24 April 2015)
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4611-meningococcal-disease-in-niger-24-april-2015.html