2015年06月04日更新 エボラ出血熱の発生状況 (第22週)

 2015年6月3日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、エボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。エボラ出血熱の患者数は27,181人、死亡者数は11,162人になりました。

註:情報を簡潔に伝えるために、ここでは全体の患者発生状況、医療従事者での患者発生状況に内容を絞り込んでいます。要約に書かれているように、この他にも国別の発生状況及び対応状況が報告されています。詳細については原文をご参照ください。

要約

5月10日までの週に、10か月の中でギニアの2県およびシエラレオネの1地区から9人という少ないエボラ出血熱確定患者が報告された後、エボラ出血熱の感染は両国ともに強まりと地理的拡がりをみせています。5月31日までの1週間には、ギニアの4県とシエラレオネの3地区から合計25人の患者が報告されました。ギニアとシエラレオネ両国の患者の何人かは、この数週間に確定患者が報告されておらず感染源が不明の地域から発生しており、現在も感染連鎖を把握しきれていないことが示唆されています。全ての感染連鎖を把握し断ち切るために、厳格な接触者追跡、積極的な患者発見、そして感染の予防と制御といった対策が、現在の強化レベルで維持されなければなりません。しかし、雨季の始まりが、これからの現地活動を困難なものにします。

ギニアでは、5月31日までの1週間に西部4県から合計13人が報告されました。多くの患者(7人)は、シエラレオネと国境を接するフォレカリア県から報告されています。全ての患者において、これまでに登録されている患者との接触者もしくは特定の患者と疫学上の繋がりを確立できたものの、複数の感染連鎖がフォレカリア県下に10あるうちの4区域から患者が発生していました。残りの患者は、ギニアビサウと国境を接する北西部のBoke(ボケ)県(1人)、首都コナクリと境界を接する西部海岸のDubreka(ドゥブレカ)県(4人)とFria(フリア)県(1人)から報告されました。

地域社会での取り組みには、ギニアで患者が発生する4県全てから、この数週間に現地スタッフに向けた直接の暴力事件が報告されており、まだ課題が残っていることが示されました。さらに、全国で報告された患者13人のうち4人は地域での死亡した者への死後検査だけでの発見でした。これらの地域で死亡した4人のうち2人は、接触者と連絡が取れる状態であったものの、彼らに症状が現れたら彼らが直ぐに検査や治療を受けることを確認するために定期的にモニタリングすることに対して課題があることを示唆しました。

シエラレオネでは、5月31日までの1週間に3地区から12人が報告されました。多くの患者(8人)は、首都フリータウンの北部に位置するポート・ロコの人口密集地区であるKaffu BullomのChief(首長)支配地域から報告されました。1人を除いて全ての患者が、これまでの患者との接触が登録され、Chief(首長)により隔離された家にいました。もう1人の患者は同じ周辺住民ではありましたが、接触者リストにはなく、発症したときには隔離されていない自宅で暮らしていました。ガンビア地区からは5月31日までの2週間以上の中で初めての患者が報告されました。この患者は地域での死亡者への死後検査で発見されました。これまでの患者との接触は分かっていません。残る患者3人は首都フリータウンから報告されました。今回、調査は早い段階であったものの、これら3人の患者はこれまでの患者との繋がりは見いだせませんでした。

ギニアでは、5月31日の時点で、報告された確定患者と関連する1880人の接触者がギニアの6県(ボケ、コナクリ、ドゥブレカ、フォレカリア、フリア、キンディア)で観察下にあります。シエラレオネでは3地区(カンビア、ポート・ロコ、首都フリータウンを含む地域である西部都市地区)で461人が観察下にあります。

ギニアビサウからの2つの対策チームが数ある入国の地点を評価し、地域住民に注意喚起を促すために、ギニアとの国境に派遣されています。

ギニアでは4月6日に、シエラレオネでは5月14日に最後の医療従事者の感染が報告されました。流行の発生以来、ギニア、リベリア、シエラレオネから869名の医療従事者の感染が報告されています。このうち、507名が亡くなっています。

広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国

・ギニア、リベリア、シエラレオネでは、エボラ出血熱患者(確定患者、可能性の高い患者、疑い患者を含む)が合計27,145人、死亡者は11,147人となりました(多くの患者の結果は不明ですが、この総計には可能性の高い患者および疑い患者から報告された死亡者を含みます)。5月31日までの7日間に報告された新たな確定患者数は、ギニアで13人、シエラレオネで12人でした。リベリアでは5月9日に流行の終息が宣言されました。

・確定患者と可能性の高い患者の数はおよそ男女同数となっています。患者発生数を15歳未満の小児と比較したとき、15歳から44歳までの成人では約3倍から4倍感染しやすく、45歳以上の成人では子どもよりも4倍から5倍感染しやすいようです。

・ギニア、リベリア、シエラレオネから869名の医療従事者の感染が報告されています。このうち、507名が亡くなっています。(3か国以外の国でも、19名の感染と7名の死亡が報告されています)

 表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い患者、確定患者、疑い患者の発生数および死亡者数150604_WHO_ebola_roadmap_table.jpg

註:データは各国の保健省からの公式情報に基づいています。これらの数値は再分類、再集計、検査結果の利用状況によって変わることがあります。*再分類された疑い患者と可能性の高い患者の割合が高いために報告が見送られています。**5月9日までのデータです。リベリアでの流行は、5月9日に最後の確定患者が埋葬されてから42日が経ったことから、終息が宣言されました。現在、この国は3か月間の(感染輸入への)厳重な警戒体制に入っています。

※国別の患者数、死亡者数についても報告されています。各国毎の週別患者数の動向をみることができます。詳細については原文でお確かめください。

 図2:確定患者が報告された地図上の分布図(2015年5月24日の週)150604_ebolamap.jpg

註:地図上で使用される境界と表示されている名称および呼称は、いかなる国、領土、都市や地域についてもその統治状況に関して、あるいはその国境や境界の境界設定に関してWHOが見解を発表しているものではありません。また、地図上の点線と破線は、その国々あるいは完全な合意にいたっていない可能性があるためにおおよその境界線を表しています。

出典

WHO. Situation reports: Ebola response roadmap-Situation report. 3 June 2015.
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/174011/1/roadmapsitrep_3June15_eng.pdf?ua=1&ua=1