2015年06月11日更新 エボラ出血熱の発生状況 (第23週)

 2015年6月10日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、エボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。エボラ出血熱の患者数は27,273人、死亡者数は11,173人になりました。

註:情報を簡潔に伝えるために、ここでは全体の患者発生状況、医療従事者での患者発生状況に内容を絞り込んでいます。要約に書かれているように、この他にも国別の発生状況及び対応状況が報告されています。詳細については原文をご参照ください。

要約

ここ数週間、4月と5月上旬まで明らかとなっていたエボラ出血熱の患者発生数の低下と発生地域の地理的な縮小の傾向が停滞しています。6月7日までの1週間に、ギニアで16人とシエラレオネで15人の合計31人のエボラ出血熱確定患者が報告されました。患者発生数は2週続けて増加しており、シエラレオネから報告された週別の患者数はこの3月以降で最大となっています。さらに、ギニアでもシエラレオネでも、患者の報告は地理的に拡大しています。感染源の分からない患者が発生しており、全ての感染連鎖の発見と根絶に向けて、直面する課題に努力が注がれています。

ギニアでは、6月7日までの1週間に西部の5県から合計16人が報告されました。このうちの半数はシエラレオネと国境と接する南西部のフォレカリア県からの報告です。ギニアビサウとの国境近くの北西部ボケ県からも4週連続して患者が報告されました。首都コナクリからは2人が、同様に海岸線に近いドゥブレカ県で2人が、シエラレオネのボンバリと国境を接する内陸部のキンディア県からは残る3人が報告されました。コナクリとキンディアでは、これまでに40日以上患者が報告されていませんでした。

ギニアから報告された16人のうち、キンディアから報告された3人全員を含む5人の感染源が不明でした。これらの患者の感染源を追跡するために調査が続けられています。さらに、キンディアからの患者のうちの1人を含む3人は地域での死後の検査で発見されました。6月7日現在、ギニアでは8県で健康監視下に置かれている接触者が1,693人います。

シエラレオネでは、6月7日までの1週間に2地区から15人が報告されました。前週と同様に、もっとも多くの患者(7人)はポート・ロコ地区のKaffu BullomのChief(首長)支配の小さな地域で隔離されていた家から発生したと報告されました。しかし、3人の集団発生がBureh Kasseh Ma のChief(首長)支配地域からも報告されました。これらの患者はKaffu Bullomの患者と直接つながるとは考えられておらず、むしろ、隣接地区のカンビアの感染連鎖とつながると考えられています。前週、2週間ほど前に最初の患者が報告されてから、6月7日までの週にカンビアの2つのChief(首長)支配地域から患者5人が報告されました。

首都コナクリを含むシエラレオネの西部都市地区では、2014年8月以降で初めて、患者が報告されませんでした。しかし、この地区では、6月7日現在、今なお195人の接触者の監視が行われており、全国では3地区(その他の2地区はカンビアとポート・ロコ)で合計392人の健康監視が行われています。

ギニアとシエラレオネで患者が発生している地域に効果的に関わるために、接触者追跡と患者発見のチームとしての能力を強化する努力が続けられています。ギニアでは、6月7日までの週に19件の安全性を欠いた埋葬が報告されました。シエラレオネでは、数週間にわたって安全性を欠いた埋葬は報告されていないものの、カンビアでの最近の事例調査では、いくつかの地域でいまも安全性を欠いた埋葬が行われていることの証拠が明らかとなってきています。地域社会での意思疎通の改善には、報告のあるところから患者と死亡者の発生を防ぎ、発見されたところから感染連鎖を防ぐためにあらゆる懸念を理解し合い、対処することが不可欠です。

イタリアでは、5月12日に確認された患者と関わりのあった全ての接触者に対して、現在、21日の監視期間が完了しています。

ギニアでは4月6日に、シエラレオネでは5月14日に最後の医療従事者の感染が報告されました。流行の発生以来、ギニア、リベリア、シエラレオネから869名の医療従事者の感染が報告されています。このうち、507名が亡くなっています。

広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国

・ギニア、リベリア、シエラレオネでは、エボラ出血熱患者(確定患者、可能性の高い患者、疑い患者を含む)が合計27,237人、死亡者は11,158人となりました(その多くの患者の検査結果は不明ですが、この総計には可能性の高い患者および疑い患者から報告された死亡者を含みます)。6月7日までの7日間に報告された新たな確定患者数は、ギニアで16人、シエラレオネで15人でした。リベリアでは5月9日に流行の終息が宣言されました。

・確定患者と可能性の高い患者の数はおよそ男女同数となっています。患者発生数を15歳未満の小児と比較したとき、15歳から44歳までの成人では約3倍から4倍感染しやすく、45歳以上の成人では子どもよりも4倍から5倍感染しやすいようです。

・ギニア、リベリア、シエラレオネから869名の医療従事者の感染が報告されています。このうち、507名が亡くなっています。(3か国以外の国でも、19名の感染と7名の死亡が報告されています)

 表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い患者、確定患者、疑い患者の発生数および死亡者数150611_WHO_ebola_roadmap_table.jpg

註:データは各国の保健省からの公式情報に基づいています。これらの数値は再分類、再集計、検査結果の利用状況によって変わることがあります。*再分類された疑い患者と可能性の高い患者の割合が高いために報告が見送られています。**5月9日までのデータです。リベリアでの流行は、5月9日に最後の確定患者が埋葬されてから42日が経ったことから、終息が宣言されました。現在、この国は3か月間の(感染輸入への)厳重な警戒体制に入っています。

※国別の患者数、死亡者数についても報告されています。各国毎の週別患者数の動向をみることができます。詳細については原文でお確かめください。

 図2:確定患者が報告された地図上の分布図(2015年6月7日の週)

150611_ebolamap.jpg

註:ギニアのフォレスカリア県からの1人、シエラレオネのMagbemaのChief(首長)支配地域からの1人については、正確な地図上の位置が利用できていないために、表示されていません。使用される境界と表示されている名称および呼称は、いかなる国、領土、都市や地域についてもその統治状況に関して、あるいはその国境や境界の設定に関してWHOが見解を発表しているものではありません。また、地図上の点線と破線は、その国々あるいは完全な合意にいたっていない可能性があるためにおおよその境界線を表しています。

出典

WHO. Situation reports: Ebola response roadmap-Situation report. 10 June 2015.
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/174709/1/roadmapsitrep_10Jun15_eng.pdf?ua=1&ua=1