2015年10月29日更新 エボラ出血熱の発生状況 (第43週)

 2015年10月28日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、エボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。これまでのエボラ出血熱の総患者数は28,575人、死亡者数は11,313人になりました。

註:情報を簡潔に伝えるために、ここでは全体の患者発生状況、医療従事者での患者発生状況に内容を絞り込んでいます。要約に書かれているように、この他にも国別の発生状況及び対応状況が報告されています。詳細については原文をご参照ください。

要約

10月25日までの1週間に、新たなエボラ出血熱の確定患者3人が報告されました。患者全員がギニアから報告されています。この国では先週も3人の患者が報告されています。患者3人は全員がフォレカリア県下のKaliah(カリア)の同一家族内からです。先週、同じ地域内での患者とつながりのあるハイリスクの接触者として登録されていました。現在、ギニアでは364人の接触者が観察下にあります。先週の246人から増えました。このうちの141人はハイリスクの接触者です。加えて、42日の観察期間に連絡が取れない接触者が233人います。そのため、接触の登録者と連絡のとれない接触者の両方に、近い将来にもさらなる患者が発生するリスクが残されています。シエラレオネでは6週間続けて確定患者数がゼロと報告されています。さらなる患者報告がなければ、11月7日にエボラ出血熱の感染流行の終結が宣言される予定です。

患者発生数は13週連続して5人以下となっています。この間に、ウイルスの感染伝播は地理的にギニア西部とシエラレオネの僅かな狭い地域に絞られてきました。現況は確実に第3期に移行しています。第3期の対策ではエボラ出血熱に対する政府官庁間の協力体制の調整が図られ、現行の対策に加えられることで、患者発生数をゼロへと向わせ、エボラ出血熱流行の収束を維持することが確かなものにされます。(活動性のある感染伝播をもつ地域やウイルスを保有した動物宿主からの)ウイルスの再侵入や生存者からのウイルス再出現を早期に発見することに対しさらに強化された対応能力、生存者の快適な生活を守る包括パッケージの一部としての検査やカウンセリングの対応能力が、第3期の対策における枠組みの中心となります。

10月25日までの1週間に報告された3人の患者は、全員がフォレカリア県下のカリアのKondeyah村に住む同一家族内からです。妊娠7か月の25歳女性、10歳の息子と4歳の娘です。現在、全員が治療を受けています。彼らはRatoma(ラトマ)の感染連鎖から繋がるフォレカリアの感染経路で7、8、9番目の患者となります。この感染経路は10歳の少女から始まりました。少女は病気の発症後にいくつもの伝統治療師のところへ治療を求めてラトマからフォレカリアへと移動してきた接触者登録のない患者でした。10月25日現在、ギニアでは364人の接触者が観察下にあります。43人がコナクリに、残る321人がフォレカリアに居ます。Kondeyah では、3人の患者から55人のハイリスク接触者が発生しました。

シエラレオネのボンバリとカンビアでは、この地域で活動性のある最近の2つの感染経路に関連する接触者全員が21日の観察期間を終えました。また、治療を受けた最後の患者が9月25日に2回目の連続検査でも陰性の結果を得て、回復が確認されました。さらなる患者が報告されなければ、この国では11月7日にエボラ出血熱の感染流行の終結が宣言される予定です。

現状では、感染の影響を受けていない地域におけるエボラ出血熱の再侵入や再出現を早期に確実に発見するために、厳重な調査活動への取り組みが重要です。ギニアでは、10月25日の週に合計644検体が9つの稼働する検査室で新たに又繰り返し検査されました。リベリアでは、同じ期間に新たな検体1,038本が集められ、国内で稼働する4つの検査室で検査されました。シエラレオネでは、1,389検体が集められ、稼働する検査室9か所で検査されました。検体数は4週連続して減ってきています。

広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国

・流行の勃発以降、10月25日までに、ギニア、リベリア、シエラレオネではエボラ出血熱患者(確定患者、可能性の高い患者、疑い患者を含む)が合計28,539人、うち死亡者が11,298人となりました(多くの患者の帰転は不明ですが、この総計には可能性の高い患者および疑い患者から報告された死亡者が含まれます)。10月25日までの1週間に、新たに患者3人が報告されました。全患者がギニアからです。

・確定患者の合計は男女で近いものとなっています。患者発生数を15歳未満の小児と比較したとき、15歳から44歳までの成人ではギニアとリベリアで約4倍、シエラレオネでは約3倍感染しやすい傾向があります。45歳以上の成人ではギニアで約5倍、リベリアとシエラレオネで約4倍となっています。

・10月25日までの1週間に、新たな医療従事者の感染は報告されていません。ギニア、リベリア、シエラレオネから881名の医療従事者の感染が報告されています。このうち、513名が亡くなっています。(3か国以外の国でも、19名の感染と7名の死亡が報告されています)

表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い患者、確定患者、疑い患者の発生数および死亡者数

151029_WHO_ebola_roadmap_table.jpg

註:データは各国の保健省からの公式情報に基づいています。これらの数値は再分類、再集計、検査結果の利用状況によって変わることがあります。*再分類された疑い患者と可能性の高い患者の割合が高いために報告が見送られています。**2015年5月9日以前に報告された患者は青色の陰で示されています。継続されている調査および患者と死亡者の遡及的な確定調査によって、これらの数字は改訂されることがあります。リベリアでは、人でのエボラウイルス流行の終息が2015年9月3日に宣言され、現在、高度警戒の調査体制に入っています。

図2:確定患者が報告された地図上の分布図(2015年10月25日)151029_ebolamap.jpg

註:この地図の中で使用される境界と表示されている名称および呼称は、いかなる国、領土、都市や地域についてもその統治状況に関して、あるいはその国境や境界の設定に関してWHOが見解を発表しているものではありません。また、地図上の点線と破線は、その地域間で完全な合意にいたっていない可能性があるためにおおよその境界線を表しています。

出典

WHO. Situation reports: Ebola response roadmap-Situation report. 28 October 2015
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-28-october-2015