2015年12月04日更新 ジカウイルス発生状況について -パラグアイ、メキシコ、ベネズエラ

2015年12月3日付けで公表されたWHOの情報によりますと、パラグアイ、メキシコ、ベネズエラから、ジカウイルス熱患者の発生が報告されました。

パラグアイ

パラグアイの国際保健規約(IHR)国家担当者から、11月27日にPAHO/WHO(汎米保健機構)に対してジカウイルス熱の国内発生患者6人が検査で確認されたことが報告されました。患者が発生した地域はPedro Caballero(ペドロ・カバリェロ)市で、ここはこの国の北東部にあり、ブラジルと国境を接しています。

診断は、保健省の中央公衆衛生研究所にある国家リファレンス(認定)研究所で、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法によって行われました。患者は、デング熱とチクングンア熱に陰性の発熱患者の検査検体から発見されました。彼らは、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、目の奥の疼痛、吐き気などを示していました。患者の年齢幅は14~45歳で、半数は女性です。患者は、医療ネットワークの個々の医療施設で外来患者として管理されています。現在、調査が進められています。

メキシコ

メキシコの国家保健当局から、11月26日にPAHO/WHO(汎米保健機構)に対してジカウイルス熱患者3人が報告されました。このうち、2人は国内発生患者(Nuevo León[ヌエボ・レオン州]とChiapas[チアパス州]の住民)と1人は感染輸入患者(コロンビアへの旅行歴あり)です。診断は、国家リファレンス(認定)研究所で、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を使って行われました。メキシコの保健当局は予防対策と感染制御対策を実施しています。現在、調査が進められています。

ベネズエラ

ベネズエラの国際保健規約(IHR)国家担当者は、11月27日にジカウイルス熱疑いの患者7人の発生の通報を受けました。診断は、Rafael Rangel国立衛生研究所にある国家リファレンス(認定)施設で行われました。4つの検体が逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法で検査陽性となりました。患者の年齢幅は40~55歳で、全員がブラジルとの国境近くに住む女性です。ベネズエラの保健当局は予防対策と感染制御対策を実施しています。現在、調査が進められています。

WHOからのアドバイス

アメリカ大陸それぞれの地域でジカウイルスの感染の増加が考えられるときには、PAHO/WHOは、加盟国がジカウイルス感染者を発見し、確認する対応能力を確立し、維持すること、さらに潜在的な脅威に対して全ての公衆衛生レベルでその衛生サービスを準備すること、そして、この病気を媒介する蚊、特に媒介する蚊が棲息する地域で蚊を減らすこと、公衆衛生上の効率的な地域戦略を実施すること、を勧めています。

パラグアイ、メキシコ、ベネズエラなど、ジカウイルス熱が流行している地域へ渡航または滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないように対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
  • また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典