2015年12月17日更新 エボラ出血熱の発生状況 (第50週)

 2015年12月16日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、エボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。今週は、新たな確定患者の報告はありません。疑い患者が3人追加されたためエボラ出血熱の総患者数は28,640人ですが、死亡者数は11,315人のままです。

註:情報を簡潔に伝えるために、ここでは全体の患者発生状況に内容を絞り込んでいます。要約に書かれているように、この他にも国別の発生状況及び対応状況が報告されています。詳細については原文をご参照ください。

要約

12月13日の週に、エボラ出血熱の確定患者の報告はありません。リベリアから11月22日の週に報告されたエボラ出血熱の確定患者3人の集団感染における接触者は、全員が21日の観察期間を終えました。集団感染における最初の報告患者は15歳の少年で、11月23日に亡くなりました。続く2人の患者は少年の父親と弟で、2人ともに12月3日には連続する2回のエボラ出血熱検査で陰性となり退院しました。12月11日時点で、集団感染に関連して適応となった210人には、リベリア政府と米国国立衛生研究所によって実施されているリベリア・エボラワクチン研究に関する共同調査(PREVAIL研究)の一環としてrVSV-ZEBOVエボラワクチンが接種されました。

リベリアでの最近の集団感染における人から人への伝播は、このまま新たな患者が報告されなければ、直近の患者2人が連続する2度の検査で陰性の結果を得て42日が経つ2016年1月14日に終息します。ギニアでの最初の感染流行における人から人への伝播は、直近の患者が連続する2度の検査で陰性の結果を得た10月29日から42日が経つ2015年12月28日に終息します。シエラレオネでは、最初の感染流行における人から人への伝播は11月7日に終息が宣言されました。この国は、2016年2月5日に終結するスケジュールで、90日間の高度警戒下で行われる調査体制に入っています。

リベリアでの最近の患者の集団感染は、現在では、以前に感染のあった元患者が保持していたエボラウイルスが再出現したために起きたと理解されています。このような再出現が起こる可能性は低いけれども、再出現に続いてさらなる感染伝播が起こるリスクの存在は、エボラウイルスのRNAが存在することに適した体液を含め総合的に生存者に対するサービスを組んで実施することの重要性を強調しています。リベリアおよびシエラレオネの政府は、WHOや米国疾病対策センター(CDC)などの支援組織とともに、感染の影響を受けた者がリスクを理解し、濃厚接触者を保護するために必要な予防措置をとるように、男性生存者に対して自発的に精液を検査しカウンセリングを受けるための活動を実施しています。生存者のための診療サービス・ネットワークが、リベリアとシエラレオネに展開されています。これは、エボラ出血熱生存者の健康管理を行うための総合的な国家政策の計画として行われており、2016年1月に完了する予定です。

残存するエボラ出血熱が起こし得る混乱を効率的に管理し対処していくために、ギニア、リベリア、シエラレオネでは、エボラ出血熱との関連が疑われるすべての患者や死亡者が担当する部局に報告されるように調査活動体制が敷かれています。ギニアでは、12月13日の週に34県すべてから1,014件の地域(病院外)での死亡が通報されました。この期間に、34県のうち12県から合計で593検体が、稼働する8つの検査室で新たに、又繰り返し検査されました。リベリアでは、15郡すべてから1,027件の通報を受けました。国内で稼働する検査室5か所では、この期間にエボラ検査に対して1,277検体が検査されました。シエラレオネでは、11月29日の週(利用可能な最新の週)に14すべての地域から1,446件の通報を受けました。12月13日の週には、稼働する検査室8か所で1,151検体が検査されました。

ギニア、リベリア、シエラレオネでは、新たな確定患者の発見に続く迅速対応チームの展開が国家対応戦略の基本として続けられています。各国は、国と地方の迅速対応への処理能力と、12月から1月まで続く事例発生と対策を想定した計画を強化するとともに、少なくとも1チームは迅速対応できるナショナルチームを持っています。

表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い患者、確定患者、疑い患者の発生数および死亡者数

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註:データは各国の保健省からの公式情報に基づいています。これらの数値は再分類、再集計、検査結果の利用状況によって変わることがあります。*再分類された疑い患者と可能性の高い患者の割合が高いために報告が見送られています。**2015年5月9日以前に報告された患者は青色の陰で示されています。継続されている調査および患者と死亡者の遡及的な確定調査によって、これらの数字は改訂されることがあります。シエラレオネでは、人でのエボラウイルス流行の終息が2015年11月7日に宣言され、現在、高度警戒の調査体制に入っています。

第3期の感染対策の骨格

・エボラ出血熱の大流行の発生以来、ギニア、リベリア、シエラレオネから死亡者11,300人を含む患者28,604人(確定患者、可能性の高い患者、疑い患者を含む)が報告されてきました。これらの患者や死亡者の大部分は2014年8月から12月までに報告されました。その後3か国では、治療、隔離および安全な埋葬への対応能力に対して早急に規模を拡大し、その結果、患者発生数が減少傾向に転じました。この迅速な規模の拡大活動は、感染対策の第1期として知られ、調査活動、接触者の追跡、および地域社会の参加した介入活動への継続的な改善に基づいて、2015年前半早期までに確立されました。第2期と呼ばれる期間では、7月末までに患者発生数を週5人以下にすることに成功しました。この患者発生数の顕著な減少は、流行における第3期への明確な移行の合図となりました。この第3期は、ウイルスを持続的に保有する動物からのエボラ出血熱の再出現という可能性は低いものの重要性の高い事態を踏まえながら、感染伝播が地理的に小さな地域に絞り込まれることで特徴づけられます。残存する感染連鎖の経路を効果的に断ち切り、ウイルスを継続して保有する動物からのリスクを管理するために、WHOは、エボラ感染対策の政府官庁間の協力体制と国内および国際的な加盟国との連携をとる先導的な役割として、第3期のエボラ感染対策の骨格を立てました。第3期のエボラ感染対策の骨格は、第1期と第2期の基礎の上に、エボラの感染制御の中で、ワクチンおよび迅速な感染対応チームから生存者のためのカウンセリングや福祉サービスに至るまでの新たな展開を組み込むことに立脚します。

 第3期のエボラ感染対策の骨格には、これまでに構築されてきた細かな対策の進行状況の下に、以下の2つの目標の達成に向けられています。

・目標1:残存するエボラ出血熱の感染伝播の経路の連鎖を速やかに断ち切ること
・目標2:社会的に重要な残存するエボラ出血熱のリスクを管理し対策を立てること

出典

WHO. Situation reports: Ebola response roadmap-Situation report. 16 December 2015
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/202501/1/ebolasitrep_16Dec2015_eng.pdf?ua=1