2016年02月10日更新 ジカウイルス発生状況について -モルディブ

 2016年2月8日付けで公表されたWHOの情報によりますと、2016年1月7日(原文記載どおり)にモルディブの国際保健規約(IHR)国家担当者は、2015年6月に発症し、フィンランドに帰国した患者がジカウイルス感染症であったことをWHOに報告しました。

患者の詳細
 
患者は、37歳のフィンランド人男性で、モルディブで数ヶ月を過ごした後、2015年6月16日にフィンランドへ帰国しました。患者は、6月18日に症状(軽度の発熱、顔面および体幹の発疹、目痛、関節痛)を発症しました。しかし、これらは数日で治まりました。

 患者は、労働保健診療所を受診しました。6月24日に、デング熱が疑われたことから、血清検体が患者から採取されました。これらはデング熱IgGおよびIgM抗体に陽性でしたが、デング熱NS1抗原には陰性でした。6月25日には尿検体が採取され、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法検査でフラビウイルスのRNAを検出するために送付されました。血清と尿の検体から抽出されたRNA配列は、分離されたジカウイルスが以前にアジアで流行(2014年:イースター島、2013年:フランス領ポリネシアとタイ)したジカウイルスの遺伝子配列に一致したことが示されました。

 フィンランドの行政当局は、この患者について12月29日にモルディブの関係者に通報しました。

公衆衛生上の取り組み
 
モルディブの保健当局は、次のような取り組みを行っています。
 ・調査活動の強化。
 ・媒介昆虫の制御対策の強化
 ・ジカウイルスに関連するリスクについての国民への周知
 ・ジカウイルスの感染伝播が依然として国内で続いているかどうかの、WHOとの合同調査

WHOからのアドバイス
 
人の居住地での媒介蚊が繁殖する地の近くは、ジカウイルス感染に対して大きな危険因子となります。感染の予防と制御は、感染源の削減(繁殖地の除去および環境改善)を通して媒介蚊の繁殖を減らすことと、媒介蚊と人との接触機会を減らすことに依存します。これらは、自然及び人工の貯水池で蚊の幼虫が生息できる場所の数を減らし、リスクのある地域で蚊の成虫個体数を減らし、防虫剤、網戸、戸や窓の遮断、長袖の衣服の着用など感染防御を行うことで、達成できます。ネッタイシマカやヒトスジシマカなどのヤブカ属(感染伝播において主となる媒介昆虫)は日中に活動するため、昼寝をしている人、特に幼児、病人および高齢者に対する保護のために殺虫剤で処理された蚊帳を使用すべきことが勧められています。蚊取り線香やその他の噴霧式殺虫剤も蚊に刺される可能性を減らすことができます。

 感染流行の発生中は、WHOによって作成された技術要綱にしたがって、飛来する蚊を殺すために殺虫剤の空中散布が実施されることがあります。技術的な記述がある場合には、比較的大きな貯水容器を処理するために(WHOの農薬評価事業計画が推奨する)適正な殺虫剤が幼虫の殺虫剤として使用されることもあります。

 危険性の高い地域を旅行する人々、特に妊娠中の女性では、防蚊対策への基本的な注意が払われるべきです。具体的には、明るい色で長袖の上下衣服の着用、防虫剤の使用、確実に蚊が部屋は入るのを防ぐための網戸の設置などがあります。

 WHOは、現在利用できる情報に基づく限り、モルディブへの旅行や貿易への制限は推奨していません。

出典

WHO. Emergencies preparedness, response. Disease Outbreak News. 29 January 2016
Zika virus infection - Maldives
http://www.who.int/csr/don/8-february-2016-zika-maldives/en/