2016年02月15日更新 小頭症の発生状況 -アメリカ合衆国

 2016年2月12日付けで公表されたWHOの情報によりますと、1月16日にアメリカ合衆国の国際保健規約(IHR)国家担当者はPAHO/WHO(汎米保健機構/世界保健機構)に対してハワイ州で生まれた小頭症男児について報告しました。

情報の詳細
 
この新生児の母親は、ブラジルに在住中、妊娠第2か月目にジカウイルス感染症に一致する症状を経験しました。しかし、そのときは感染症の検査を行いませんでした。

 出産後の最初の週に、新生児から脳脊髄液および血清検体が収集されました。この検体からは、米国疾病対策センター(CDC)で、IgM抗体による酵素結合免疫吸着法(ELISA)検査および確認プラーク減数中和法(PRNT)検査で血清学的に最近ジカウイルスに感染した証拠が示されました。出産直後の週に、新生児の母親から採取した血清検体からは、IgM抗体によるELISAとPRNT確認検査で血清学的に最近ジカウイルスに感染した証拠が示されました。

WHOによるリスク評価
 
この患者報告は、ジカウイルスおよび小頭症に関して増え続けている文献に加えられる情報となります。新生児における、ジカウイルスと先天的な神経障害との間の潜在的な関連性に対する証拠が積み上げられてきているけれども、因果関係を確立されるには利用可能な情報はまだ十分ではありません。このため、さらなる調査が必要です、さらに解明が進むまで、加盟各国には、特に、ジカウイルス感染伝播が既に知られている地域とその感染伝播のリスクのある地域には、小頭症とその他の神経障害に対して、基準の統一された調査活動の強化が勧められます。WHOは、利用可能な最新の情報に基づいて、疫学的な発生状況を監視し、リスク評価を行っています。

WHOからのアドバイス
 
人の居住地での媒介蚊が繁殖する地の近くは、ジカウイルス感染に対して大きな危険因子となります。感染の予防と制御は、感染源の抑止(繁殖地の除去および環境改善)を通して媒介蚊の繁殖を減らすことと、媒介蚊と人との接触機会を減らすことに依存します。これらは、自然及び人工の貯水池で蚊の幼虫が生息できる場所の数を減らし、リスクのある地域で蚊の成虫個体数を減らし、防虫剤、網戸、戸や窓の遮断、長袖の衣服の着用など感染防御を行うことで、達成できます。ネッタイシマカおよびヒトスジシマカなどのヤブカ属(感染伝播において主となる媒介昆虫)は日中に活動するため、昼寝をしている人、特に幼児と子ども、病人および高齢者には、保護のために防虫処理された蚊帳、また防虫処理されておらずとも、その中で休息することが重要です。

 感染流行の発生中は、WHOによって作成された技術要綱にしたがって、飛来する蚊を殺すために殺虫剤の空中散布が実施されることがあります。技術的な記述がある場合には、比較的大きな貯水容器を処理するために(WHOの農薬評価事業計画が推奨する)適正な殺虫剤が幼虫の殺虫剤として使用されることもあります。

 危険性の高い地域を旅行する人々、特に妊娠中の女性では、防蚊対策への基本的な注意が払われるべきです。具体的には、防虫剤の使用、明るい色で長袖の上下衣服の着用、確実に蚊が部屋は入るのを防ぐための網戸の設置などがあります。

 WHOは、現在利用できる情報に基づく限り、ジカウイルスの感染が流行する地域への旅行や貿易への制限を推奨してはいません。

出典

WHO. Emergencies preparedness, response. Disease Outbreak News. 12 February 2016
Microcephaly - United States of America
http://www.who.int/csr/don/12-february-2016-microcephaly-usa/en/