2016年02月22日更新 ラッサ熱の発生について -ベナン

 2016年2月19日付けで公表されたWHOの情報によりますと、1月25日にベナンの国際保健規則(IHR)国家担当者はラッサ熱の流行発生をWHOに通知しました。  

詳細な流行の発生状況

 流行の発生は、最初、1月21日にBorgou(ボルグー)県Tchaourou(チャウールー)の街に暮らす医療従事者の中で原因不明の発熱者が集団発生したと報告されたことから発見されました。これらの医療従事者は、1月3日に出血性の発熱に苦しむ患者の医療処置をしていました。

 1月21日と2月16日の間に、患者71人(確定患者6人、可能性の高い患者10人、疑い患者55人)が7県(Borgou県(52人)、Collines県(13人)、Ouémé県(2人)、Alibori県(1人)、Atlantique県(1人)、Kouffo(1人)、Littoral (1人))から報告されました。この間に、合計で23人の死亡が記録されました。死亡者のうちわけは、Borgou県(16人)、Collines県(4人)、Atlantique (1人)、Ouémé県(1人)、Plateau(1人)でした。死亡者2人を含む7人の患者(確定患者3人、可能性の高い患者1人、疑い患者3人)が医療従事者でした。

 現在までに、死亡者2人を含む6人の患者が、ナイジェリアのラゴスにあるラゴス大学教育病院の中央研究所ウイルス学部門で逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法検査によって検査確認されました。

公衆衛生における取り組み

 ベナンの保健省は、WHOと支援組織の支援を受けて、発生した流行の感染管理を指揮しています。感染の対策では、現地調査、調査活動の強化、患者管理、感染の予防と制御、接触者の追跡と経過観察、および地域における人的動員などが実施されています。

 WHOは、対策を支援するために、流行地に学際チームを配備しています。また、WHOアフリカ地域事務所 (WHO/AFRO) は 専門家2人を配置し、この国への財政支援を行っています。

 流行の発生以来、合計で318人の接触者が確認されており、292人が経過観察中です。

WHOのリスク評価

 ラッサ熱は、ナイジェリアや西アフリカのその他の国々における風土病です。この病気は、ほとんど毎年12月から2月までをピークにベナンのさまざまな地域で流行しています。これは、ベナンで報告された2回目のラッサ流行発生に過ぎませんが、流行は季節パターンで発生していることが知られています。入手できた情報によれば、他の場所から報告された別の感染流行も、特徴が似ています。したがって、今年もこの時期での季節性患者の再燃を考慮し、ラッサ熱が流行する西アフリカの各国には関連する調査体制の強化が促されます。

疾患の背景

 ラッサ熱は、1~4週間の潜伏期間の後に発症する急性ウイルス性出血熱で、西アフリカの風土病です。ラッサウイルスは、齧歯類(げっ歯類)の排泄物で汚染された食品や家庭用品と接触することで人に感染伝播します。この病気は、西アフリカの一部の齧歯類が生息する地域で流行しています。人から人への感染および検査室での感染も起こります。特に、適切な感染制御対策が行われていない環境の医療施設では、発生の可能性があります。病気は西アフリカの一部地域に生息する齧歯類に蔓延しています。診断と一刻も早い治療が不可欠です。ラッサ熱は、ベナン(2014年11月に初めて診断された国)、ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネ、ナイジェリアの一部地域における風土病であることが知られており、おそらくは西アフリカ諸国の各地にも同様に存在しています。全体的な致死率は1%です。ラッサ熱で入院した重症患者での致死率は15%です。早期に脱水や症状に対して支持療法を行うことができれば、生存率が改善します。

FORTH 感染症情報:ラッサ熱

 国立感染症研究所感染症情報センター:ラッサ熱

出典

WHO. Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 19 February 2016
Lassa Fever - Benin
http://www.who.int/csr/don/19-february-2016-lassa-fever-benin/en/