2016年02月26日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新2)

 2016年2月25日付けで公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、香港特別行政区(SAR)健康局(DH)は、2016年2月23日に新たに鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス患者1人が確定診断されたことをWHOに報告しました。

報告の詳細
 
患者は、香港在住の60歳男性で、以前の健康状態は正常でした。彼は、2月8日に発症し、2月11日に個人の診療所を受診しました。2月12日に採取された咽頭拭い液の最初の検査では、インフルエンザAウイルスに対して陰性でした。2月15日に、彼は退院しました。(しかし、)2月23日に、2月12日に採取された検体をインフルエンザA (H7N9)に対して再検査したところ陽性と判明しました。彼は、再入院となり隔離されました。現在は、安定した状態です。

 予備的な疫学調査で、患者は中国江蘇省蘇州で働いていたことが明らかになりました。2月5日に、彼は香港に戻りました。蘇州に滞在中、患者は生鮮市場を訪れましたが、潜伏期間中に家禽と如何なる直接の接触があったことも否定されました。健康局は、彼の感染源を調査するために、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)と連絡を取り合っています。

 入手できた情報によれば、この患者は江蘇省で感染した可能性があります。健康局は、患者との濃厚接触者を追跡しています。これらの接触者には、タミフルの予防内服が処方されます。2月22日には、患者の息子が発熱はないものの咽頭痛を発現し、2月23日に経過観察のために入院となりました。患者の妻は無症状です。調査は続けられています。

WHOのリスク評価
 
WHOは、最新の情報に基づいて疫学的な発生状況を評価しながら、さらなるリスク評価に努めています。これまでに得られた情報に基づく限り、全体として、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの公衆衛生上のリスクに変わりはありません。

 人における感染者のパターンが前年に見られる傾向を辿った場合、今後数ヶ月にわたって患者数が増える可能性があります。また、鳥インフルエンザA(H7N9)感染者は、今後も周辺地域で散発的に発生することが予想されます。もし、流行地域から国境を越えて旅行する者がいれば、旅行中又はその到着後に他の国で感染者が発見されるかもしれません。このような事例が発生しても、このウイルスは、簡単に人から人への直接感染を起こす能力はなく、地域レベルで感染が拡がるとは考えられていません。

WHOからのアドバイス
 
WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、養鶏場への立ち入り、生きた家禽類をさばく市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物品との接触を避けることを勧めています。渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣の維持に努めるべきです。

 WHOは、この事象に関連して、特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易の制限を行うことを推奨してはいません。鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航中又は帰国した直後に、渡航者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザウイルスへの感染を鑑別診断として考えておくべきです。

 WHOは、国際保健規則(2005)に基づき、重症急性呼吸器感染症(SARI)のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続し、慎重に通常と異なる傾向がみられた症例については検討を重ねることを各国に促しています。さらに、国民の健康に備える活動を続けていくことを求めています。

 中国に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。入国の際に、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がある場合には検疫所に相談してください。

出典

WHO. Disease outbreak news. 25 February 2016
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus - China.
http://www.who.int/csr/don/25-february-2016-avian-influenza-china/en/