2016年03月07日更新 ジカウイルス発生状況について -シント・マールテン(オランダ領)

 2016年3月4日付けで公表されたWHOの情報によりますと、2月25日にオランダの国際保健規則(IHR)国家担当者は、シント・マールテン島でジカウイルス感染者2人を確認したことをWHOに報告しました。ここは、プエルトリコの東、カリブ海地域の西部に位置するリーワード諸島のうちの一つです。

報告の詳細
 患者は、地元住民と渡航者です。それぞれ2月12日と18日に、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法検査によって確認されました。2人の患者間には繋がりはありません。患者2人は、潜伏期間の大半をシント・マールテンで過ごし、24時間未満を隣のアンギラ島に滞在していました。

 島の北部、フランスの海外領であるサン・マルタンでは、ジカウイルスの国内感染が1月に既に報告されています(1月21日公表)。これまでのところ、アンギラでの患者は報告されていません。確定することは困難であるものの、患者2人は島の南部(オランダ領)で感染したことに最も高い可能性があります。

公衆衛生における取り組み
 
シント・マールテンの保健当局は、蚊の駆除と感染予防のための対策を実施しています。

WHOによるリスク評価
 
ジカウイルスの国内感染患者の発見は、これまでに感染の発生のなかった地域(シント・マールテン)にもウイルスが地理的に広がっていることを示しています。新たな国からの国内での感染伝播の報告による全体でのリスク評価には変更ありません。有力な媒介昆虫であるネッタイシマカおよびヒトスジシマカなどのヤブカ属が生息する地域におけるジカウイルスの拡がりは、世界中のさまざまな地域にこれらの蚊が広く地理的に分布していることが重大であることを示しています。WHOは、利用可能な最新の情報に基づいて、疫学的な発生状況を監視し、リスク評価を行っていきます。

 ジカウイルスと、小頭症やその他の神経障害との間の潜在的な関連性に対する報告があるものの、現段階では、これらの事態との因果関係はまだ確立されていません。さらなる解明が進むまで、加盟各国には、特に、ジカウイルス感染伝播が既に知られている地域とその感染伝播のリスクのある地域には、小頭症とその他の神経障害に対して、基準の統一された調査活動の強化が勧められます。

WHOからのアドバイス
 
人の居住地での媒介蚊が繁殖する地の近くは、ジカウイルス感染に対して大きな危険因子となります。感染の予防と制御は、感染源の抑止(繁殖地の除去および環境改善)を通して媒介蚊の繁殖を減らすことと、媒介蚊と人との接触機会を減らすことに依存します。これらは、自然及び人工の貯水池で蚊の幼虫が生息できる場所の数を減らし、リスクのある地域で蚊の成虫個体数を減らし、防虫剤、網戸、戸や窓の遮断、長袖の衣服の着用など感染防御を行うことで、達成できます。ネッタイシマカおよびヒトスジシマカなどのヤブカ属(感染伝播において主となる媒介昆虫)は日中に活動するため、昼寝をしている人、特に幼児と子ども、病人および高齢者には、保護のために防虫処理された蚊帳、また防虫処理されておらずとも、その中で休息することが重要です。

 感染流行の発生中は、WHOによって作成された技術要綱にしたがって、飛来する蚊を殺すために殺虫剤の空中散布が実施されることがあります。技術的な記述がある場合には、比較的大きな貯水容器を処理するために(WHOの農薬評価事業計画が推奨する)適正な殺虫剤が幼虫の殺虫剤として使用されることもあります。

 危険性の高い地域を旅行する人々、特に妊娠中の女性では、防蚊対策への基本的な注意が払われるべきです。具体的には、防虫剤の使用、明るい色で長袖の上下衣服の着用、確実に蚊が部屋は入るのを防ぐための網戸の設置などがあります。

 WHOは、現在利用できる情報に基づく限り、シント・マールテンへの旅行や貿易への制限を推奨してはいません。

出典

WHO. Emergencies preparedness, response. Disease Outbreak News. 4 March 2016
Zika virus infection - Netherlands - Sint Maarten
http://www.who.int/csr/don/4-march-2016-zika-sint-maarten/en/