2016年03月31日更新 西アフリカのエボラ流行に関するIHR緊急委員会の第9回会合における声明

 2016年3月29日にWHOから以下の声明が発信されました。
註:本文はあくまで参考情報です。詳細な内容については原文をお確かめください。

 西アフリカのエボラ出血熱の感染流行に関する第9回緊急委員会会議が、国際保健規則(IHR:2005)に則りWHO事務局長によって招集され、2016年3月29日(火曜日)12:30から15:15までテレビ会議を使って行われました。

 委員会には事務局長に以下の議題について助言することが求められました。

(1) 現在の状況が国際的な懸念に対する公衆衛生上の緊急事態を制定し続けるべきものか
(2) もしそうであるならば、現在の一時勧告は延長または改定が行われるべきか、さらに追加の一時勧告が検討されるべきか

 ギニア、リベリア及びシエラレオネの代表者からは、それぞれの国における現在の疫学上の状況、(エボラの)再出現を防ぐための活動の進行状況、如何なる患者の集団発生をも迅速に発見し対処する許容力について説明が行われました。

 委員会は、前回の会議以降、エボラウイルスの感染源からの連鎖が遮断されたことを確認する基準が3か国全てで満たされたことを議題に取り上げました。具体的には、ここまで3か国全てで42日間の健康監視期間を完了し、最後の患者が2度に亘って陰性の結果を得て発端となる感染源からの連鎖の遮断から90日間の調査活動の強化体制期間も終えました。ギニアは、2016年3月27日にこの節目に到達しました。

 委員会は、頻度は減ってきているものの、病気の回復者からの明らかなウイルスの再流入で新たなエボラ患者の集団発生が発生し続けていることを、予想されたこととして、観ました。これまでに、12の集団発生が確認されました。最新のものはギニアで2016年3月17日に報告され、現在も続いています。委員会は、これまで迅速な対応によって、これら全ての集団発生が発見され、現在は感染が止まっている11の集団発生において2次感染までに感染伝播を阻止できていたことを印象深く取り上げました。

 委員会は、西アフリカでのエボラの感染伝播はもはや異常な事態にはなく、国際的に拡大するリスクは低く、そして各国が新たなウイルスによる緊急事態に対しても迅速に対処できる能力を所有しているという見解を示しました。したがって、西アフリカにおけるエボラの発生状況に対する委員会の見解は、国際的な懸念に対する公衆衛生上の緊急事態にはなく、対策として採択されている一時勧告の内容は終了されるべきとなりました。委員会は、ギニア、リベリアおよびシエラレオネに対する渡航と貿易の制限があってはならず、そのような措置は直ちに撤廃されるべきことを強調しました。

 委員会は、エボラウイルスが生態環境下に存在しているサハラ以南のアフリカのその他の地域でも同様に、今後、数か月間に新たに集団発生が再出現する可能性があるということを認識しており、集団発生の継続も新たな集団発生に対しても、これらの国が対処能力を維持し、(再出現の)防止、発見、さらにはその対処のための備えが必要であることを追加しました。国内および国際的な取り組みとして、男性の病気回復者には、彼らの精液にウイルスが持続保持されていることの検査を行い、その健康状態が把握されていることが確実に強化されなければなりません。持続的にウイルスが排出される病気回復者と親密で濃厚に接する接触者には、エボラワクチンの接種を継続していく活動が必要です。特に、地域住民が迅速かつ十分に将来への対策に関与すること、患者が速やかに隔離され治療を受けられること、感染が発生した地域では住民の移動が管理されること、接触者のリストが適切に国境管理当局どうしで情報共有されること、これらを確実に実行することが重要です。

 委員会は、さらに、西アフリカにおける如何なる新たなエボラの流行も、予防し、発見し、迅速に対応するためには、国際支援と技術支援を継続することが極めて重要となることを強調しました。国際的な支援には、特に必要なところに、診断検査施設や調査活動能力を拡大し、流行発生の対策としてワクチンの接種能力を維持し、関連する研究と医薬品開発の活動を継続すること(例えば、持続的なウイルス排出を除去するための治療選択肢)が必要とされています。委員会は、この特殊な健康危機状態にある全ての病気回復者が十分かつ適切な医療支援、検査対応能力および医療支援サービスを確実に利用できることの必要性に、特に注意を置きました。

 事務局長は、この委員会の助言と発生状況に対する彼女自身の評価情報に基づいて、国際保健規則に則り、西アフリカのエボラ出血熱の感染流行に関する国際的な懸念に対する公衆衛生上の緊急事態を終結させました。事務局長は、上述されたとおり委員会よって提出された公衆衛生上の助言を支持し、この事態に関連して発行された一時勧告を終結させるとともに、加盟国にこれらの国との渡航と貿易に関する如何なる制限も直ちに撤廃することが重要であることを加えました。事務局長は、自分の役割を果たし専門家としての助言を与えてくれた緊急委員会のメンバーとアドバイザーに謝意を示し、再び会議が開かれる必要が生じたときには応じるよう要請しました。

出典

WHO. WHO statement, Media Centre. 29 March 2016
Statement on the 9th meeting of the IHR Emergency Committee regarding the Ebola outbreak in West Africa, WHO Statement.
http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2016/end-of-ebola-pheic/en/