2016年04月27日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新5)

 2016年4月26日付けで公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、香港特別行政区(SAR)健康局(DH)は、2016年4月19日に新たに鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス患者1人が輸入感染され、確定診断されたことをWHOに報告しました。

報告の詳細
 
患者は、80歳男性で、4月1日から5日にかけて広東省Dongguan(東莞)を訪れている間に体調を崩しました。彼は、4月6日に、持続的な咳嗽、頭痛、および痛風発作を発現しました。また、4月14日には発熱し、4月17日には見当識障害を起こしました。彼は、その日に病院を受診し、その後、肺炎治療のために入院しました。

 4月19日には、引き続き、健康保護センター(CHP)の公衆衛生研究室で検査が行われ、彼は鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに陽性であることが判明しました。現在、患者は状態が安定し、近々、さらなる治療のために別の病院に移されます。

 CHPによる初回調査では、患者は、中国本土に滞在していたときに、近くの生鮮市場で生きた鶏を購入していたことが公表されました。彼は、4月3日に鶏を解体処理していました。

公衆衛生上の取り組み
 
香港特別行政区(SAR)健康局(DH)は調査を続けており、患者との濃厚接触者の追跡と健康監視を行っています。

WHOのリスク評価
 ほとんどの患者は、感染した家禽または生きた家禽の市場を含むウイルスに汚染された環境を通して鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスと接触しています。動物及び環境内では、ウイルスは検出され続けているため、さらなる患者(の発見)が予想されます。鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる小規模な患者の集団発生は、医療従事者に関連したものを含めて、以前にも報告されていますが、現在の疫学的およびウイルス学的根拠からは、このウイルスが人と人との間で継続して感染伝播する能力は獲得してはいないと考えられています。したがって、さらに地域社会レベルの広がることはないと考えられます。

 鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの人への感染は稀ですが、深刻な公衆衛生上の影響を与える可能性があるものとして、ウイルスおよび/または人への感染伝播への挙動の変化を発見するために、厳密に監視しておく必要があります。WHOは、最新の情報に基づいて、疫学上の発生状況を評価し、引き続き、さらなるリスク評価を行っていきます。

WHOからのアドバイス
 
WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、養鶏場への立ち入り、生きた家禽類をさばく市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物品との接触を避けることを勧めています。渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣の維持に努めるべきです。

 WHOは、この事象に関連して、特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易の制限を行うことを推奨してはいません。鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航中又は帰国した直後に、渡航者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザウイルスへの感染を鑑別診断として考えておくべきです。

 WHOは、国際保健規則(2005)に基づき、重症急性呼吸器感染症(SARI)のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続し、慎重に通常と異なる傾向がみられた症例については検討を重ねることを各国に促しています。さらに、国民の健康に備える活動を続けていくことを求めています。

 中国および香港に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。入国の際に、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がある場合には検疫所に相談してください。

出典

WHO. Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 26 April 2016
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus - China.
http://www.who.int/csr/don/26-april-2016-avian-ah7n9-china/en/