2016年05月12日更新 ポリオのない世界を達成するための大きな歩み

 ワクチンの歴史において世界が協調して行った最大のイベントとして、4月17日から5月1日までの間に、155の国と地域が経口ポリオワクチン(OPV)を新しく切り替えることに参加しました。西太平洋地域においては、加盟国16か国が正常に切り替えを行いました。

 WHO西太平洋地域事務局長であるシン・ヨンス博士は次のように述べました。「このような規模での(ワクチンの)切り替えが試みられたのは、今回が初めてです。我々は、西太平洋沿岸の加盟国が必要となる全ての物資を手配し、円滑かつ確実に移行できたことに満足しています」

 また、シン博士は、次のことにも言及しています。「経口ポリオワクチンは、ポリオを世界からなくすための戦いに大きな役割を果たしてきました。我々は、ポリオの罹患率を99%まで減らすことに成功しました。しかし、我々はその到達点に近づいているからこそ、もう一度、全てにおいてこの病気の根絶を確実なもととするために、新たな戦術に取り組む必要があります。」

ワクチンの切り替えの理由

 この10年以上にわたり、100億回分以上の経口ポリオワクチン(OPV)が、世界全体でおよそ30億人の子どもに投与され、1000万人以上のポリオ患者を未然に防いできました。OPVの使用は、ポリオ患者の99%まで減らし、生涯にわたり子どもが麻痺を抱えることから守るための鍵となってきました。

 (しかし)OPVは、弱毒化(弱化)ポリオウイルスです。稀ではありますが、OPVを使用したときには、不活性化ポリオワクチン(IPV)では見られていない有害事象が発生することがあります。そのために、ポリオを世界から根絶するには、野生株ポリオウイルスの感染伝播を根絶した後、最終的には、できるだけ早く定期予防接種における全てのOPVを使用停止にすることを必要とします。

野生型ポリオウイルス2型の根絶の成功

 野生株ポリオウイルスには、1型から3型までの3種類があります。2015年9月に、2型が世界から根絶されたことが発表されました。この成功の結果、OPVにおいて2型の成分は必要性がなくなりました。これは、子どもにとって、ポリオの根絶計画にとって良いニュースです。各国は、現在では、三価のOPVから1型と3型の二価のOPVに切り替えることができます。それはワクチンをより強力に、より安全にすることになります。

 将来は1型と3型の根絶に続いて、定期予防接種における全てのOPVの使用を停止し、最終的にIPVに置き換えることになります。

世界各地域でのワクチンの切り替え

 まだ、三価のOPVを使用していた西太平洋地域の16か国全てで、OPVが二価に切り替えられました。現在は、すべての国が、同じ期間中に切り替えたOPVを使用することが重要となります。

WHOの取り組み

 ポリオ根絶と最終局面での戦略計画の一環として、WHOは、支援している加盟国が、2型ポリオウイルスの感染伝播の撲滅を文書にするために、如何なる形でも2型ポリオウイルスが再出現する可能性を速やかに発見できるようにするために、すべてのポリオウイルスに対して強力な検出力をもつ監視体制を確実に取ることを促しています。

 同時に、2型のポリオのない世界に再び(2型が)侵入してくるリスクを最小限に抑え、適時・適切な封じ込めの措置が実施するために、流行への対処能力を強化する活動が行われています。

出典

WPRO/WHO. News release. 5 May 2016
The Western Pacific Region takes part in a global switch to a new polio vaccine: A key step in achieving a polio free world
http://www.wpro.who.int/mediacentre/releases/2016/20160505/en/