2016年06月10日更新 ジカウイルス感染症の発生状況 (更新17)

 2016年6月9日付けでWHOより発表されたジカウイルス感染症(いわゆるジカ熱)の発生状況に関する報告です。ジカウイルス感染症の発生状況は以下のとおりです。

概要

6月8日現在、蚊の媒介によってジカウイルスの感染伝播が、合計60の国と地域で報告されています。蚊の媒介による感染伝播の内訳は以下のとおりです。
  ・46か国で、2015年以降に初めてジカウイルスの流行発生が発生しました。これらの国では、これ
   以前に流行が発生した証拠はなく、現在も蚊による感染伝播が続いています。
  ・14か国では、2007年から2014年までにジカウイルスの感染伝播が報告されました。これらの国
   では、現在も感染伝播が続いています。
4つの国と地域では、2007年から2014年までに流行の発生が報告されましたが、現在は終息しています。これらの国と地域は、クック諸島、フランス領ポリネシア、チリのイースター島、ミクロネシア連邦のヤップ島です。
10か国(アルゼンチン、カナダ、チリ、フランス、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、ペルー、ポルトガル、アメリカ合衆国)でジカウイルスの人から人への感染伝播が起きていた証拠が報告されています。感染経路は性交渉によるとみられています。
6月8日の週には、蚊から人への感染伝播も、人から人への感染伝播も、新たに報告された国はありません。
2016年6月8日までに、ジカウイルス感染症と関係する可能性の高い、又は先天性の感染が示唆される小頭症やその他の中枢神経奇形が、11の国と地域(ブラジル、カーボヴェルデ、コロンビア、フランス領ポリネシア、マーシャル諸島、マルティニーク、パナマ、プエルトリコ、セルビア、スペイン、アメリカ合衆国)から報告されています。これらの最近に報告された小頭症3人は、ブラジル(セルビア、アメリカ合衆国)およびコロンビア(スペイン)への渡航歴のある母親から生まれました。さらに、ラテンアメリカの何処の国で感染したかが正確に判別できない新たな事例が1例あります。
小頭症およびその他の神経学的異常に関する2例がベネズエラとコスタリカで報告され、現在、調査されています。
ジカウイルスの感染が発生している状況において、13の国と地域で全国的にギラン・バレー症候群(GBS)の発生率の増加、および/またはGBS患者でのジカウイルス感染の検査確認が報告されています。
6月8日現在、カーボヴェルデ共和国でジカウイルス感染症の既往が血清学的に確認された小頭症およびその他の神経学的異常が合計で6例報告されました。
これまでの調査に基づけば、ジカウイルスが小頭症やギラン・バレー症候群の原因であるということで、学術的に意見が一致してきています。
2016年2月に、世界における感染の予防と制御の戦略が、WHOによって対策戦略の基本骨格に基づき開始されました。この国際的な公衆衛生上の緊急事態に対処するためにWHOと国内外の加盟国や支援組織が共同で行っている主な活動のいくつかは、中間報告が公表されています。現在、2016年7月から2017年12月までの戦略の改訂作業が、支援組織と共同で作成されており、6月中旬には公開される予定です。
WHOは、ジカウイルスの発生状況の中でのさまざまな話題に関する新たな助言や情報を作成しています(http://www.who.int/csr/resources/publications/zika/en/)。企業や計画的なリスクの情報伝達、地域活動を支援するために、WHOは最新の資料、ニュースおよび情報源を公表し、オンラインで入手できるようにしています(http://www.who.int/risk-communication/zika-virus/en/)。

リスク・アセスメント

 カーボヴェルデ共和国でのアジア系統(ウイルス)の存在意義は未だ不明ですが、全体として、世界でのリスク評価に変更はありません。ジカウイルスは媒介能力をもつ蚊が生息する地域で、地図の上で拡がりを続けています。いくつかの国やその国の一部の地域では、ジカウイルス感染症の患者が減少する傾向が報告されていますが、警戒体制を強化しておくことが必要です。利用できる証拠に基づいて、現段階で、WHOは全体として流行が弱まる傾向にあるとはみていません。

出典

WHO. Situation Report, Emergencies. 9 June 2016
Zika virus, Microcephaly and Guillain-Barré syndrome
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/208877/1/zikasitrep_9Jun2016_eng.pdf?ua=1