2016年07月08日更新 ジカウイルス感染症の発生状況 (更新21)

 2016年7月7日付けでWHOより発表されたジカウイルス感染症(いわゆるジカ熱)の発生状況に関する報告です。ジカウイルス感染症の発生状況は以下のとおりです。

概要

WHOと加盟国は、ジカウイルス感染症の感染伝播の発生レベルを特徴付けてさらに詳しく知るために、流行、国内発生、さらには蚊の媒介による伝播遮断の構成要素に対する定義を確立しました。また、このことで、住民および旅行者に対する公衆衛生上の勧告を促進しやすくなりました。これらの定義を基に、蚊の媒介によるジカウイルスの感染伝播が報告される国および地域が再分類されました。
2007年以降7月6日現在、合計65の国と地域で蚊の媒介によるジカウイルスの感染伝播の証拠が報告されています(2015年以降、合計62の国と地域で蚊の媒介によるジカウイルスの感染伝播の証拠が報告されています)。蚊の媒介による感染伝播の内訳は以下のとおりです。
  ・48の国と地域で、2015年以降に初めてジカウイルスの流行発生が発生しました。
  ・国内感染の高い可能性があると分類された、又は、2016年に蚊の媒介によるジカウイルスの感
   染伝播の証拠が報告された、4か国(インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム)が加わりました。
  ・13か国では、2015年までに地域での蚊の媒介によるジカウイルスの感染の証拠が報告されてい
   ました。これらの国では、2016年には感染伝播が報告されていないか、流行は終息しています。
ギニア・ビサウが、蚊の媒介によるジカウイルスの感染が報告された最も新しい国になります。
11か国で、ジカウイルスの人から人への感染伝播が起きていた証拠が報告されました。感染経路は性交渉によるとみられています。スペインが、人から人にジカウイルスの感染が報告された最も新しい国になります。
2016年7月6日までに、ジカウイルス感染症と関係する可能性の高い、又は先天性の感染が示唆される小頭症やその他の中枢神経奇形が、13の国と地域(ブラジル、カーボヴェルデ、コロンビア、エルサルバドル、フランス領ギアナ、フランス領ポリネシア、マーシャル諸島、マルティニーク、パナマ、プエルトリコ、セルビア、スペイン、アメリカ合衆国)から報告されています。また、ジカウイルス感染症が発生しているラテン・アメリカに最近になって旅行したことのある母親から生まれた小頭症児が3か国から報告されています。
7月6日までに、アメリカ疾病対策センターは、先天性障害のあった新生児7例とジカウイルスへの感染の可能性のある検査結果をもつ先天性障害による流産5例を報告しました。
ジカウイルスの感染が発生している現状において、世界で15の国と地域 (ブラジル、コロンビア、ドミニカ共和国、エルサルバドル、フランス領ギアナ、フランス領ポリネシア、ホンジュラス、ジャマイカ)マルティニーク、スリナム、ベネズエ ラ、グアドループ、ハイチ、パナマ、プエルトリコ)で全国的にギラン・バレー症候群(GBS)の発生率の増加、および/またはGBS患者でのジカウイルス 感染の検査確認が報告されています。
これまでの調査に基づけば、ジカウイルスが小頭症やGBSの原因であるということで、学術的に意見が一致しています。
最近、ジャマイカで、ジカウイルスに陽性のギラン・バレー症候群患者1人が確認されました。
グアドループでは、神経疾患を伴う8人の患者でジカウイルスへの感染が診断されました。
ギニア・ビサウでのWHOの役割として、この国で発見されたジカウイルスの系統を遺伝子配列から知ることへの支援が行われる予定です。また、この役割では、国の対応能力を強化するために活動の優先順位を明確にすることにも焦点が当てられています。
2016年2月に、WHOによって開始された感染対策に対する世界戦略の基本骨格には調査活動、感染対策、研究が含まれています。この国際的な公衆衛生上の緊急事態に対処するためにWHOと国内外の加盟国や支援組織が共同で行っている主な活動のいくつかは、2016年5月27日に中間報告が公表されています。現在、2016年7月から2017年12月までの改訂された戦略が、6月17日に公表されました。
WHOは、ジカウイルスの発生状況の中でのさまざまな話題に関する新たな助言や情報を作成しています(http://www.who.int/csr/resources/publications/zika/en/)。企業を支援し、計画的なリスクの情報伝達、地域活動を支援するために、WHOは、最新の資料、ニュースおよび情報源を公表し、オンラインで入手できるようにしています(http://www.who.int/risk-communication/zika-virus/en/)。

リスク・アセスメント

 全体として、世界でのリスク評価に変更はありません。カーボヴェルデ共和国でのアジア系統(ウイルス)の存在の意味は、現在、検討が続けられています。ジカウイルスは媒介能力をもつ蚊が生息する地域では、地図の上で拡がりを続けています。いくつかの国やその国の一部の地域では、ジカウイルス感染症の患者が減少する傾向が報告されていますが、警戒体制を強化しておくことが必要です。利用できる証拠に基づけば、現段階で、WHOは全体として流行が弱まる傾向にあるとはみていません。

出典

WHO. Situation Report, Emergencies. 7 July 2016
Zika virus, Microcephaly and Guillain-Barré syndrome
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/246180/1/zikasitrep7Jul16-eng.pdf?ua=1