2016年10月06日更新 狂犬病の10の事実

 9月28日は、世界狂犬病デーでした。これに合わせて、WHOは狂犬病に関する要点を10項目にまとめ、9月27日に公表しました。

 毎年、100か国以上で数千の人々が狂犬病で死亡しており、そのほとんどは医療と獣医の制度への利用環境が限られ、質・量ともに十分でない地域で発生しています。狂犬病の感染管理計画が成功するための柱は、3本(地域活動への参加、住民の教育および注意力の向上と犬への集団ワクチン接種の利用環境、咬まれた後の治療への環境)で構成されています。

 各国は、狂犬病を歴史本の中だけのものとするために、対策の規模を拡大させ、2030年までに死亡者をゼロにする目標を立てて、取り組んでいます。

事実1:狂犬病は症状が現れてしまうと、ほとんどが死に至ります。
 
飼っている動物も野生動物も、人に狂犬病を感染させることができます。感染伝播は狂犬病ウイルスに感染した動物、通常は犬に咬まれることで、起こります。潜伏期間はさまざまですが、通常は2-3か月です。症状が現れるまでに、ウイルスは中枢神経系全体に拡がり、感染者は必ず死に至ります。

事実2:狂犬病は、南極を除く全ての国に存在します。
 
毎年、推定で59,000もの人々が狂犬病で生命を失っています。死亡者の99%がアフリカとアジアで発生し、80%が僻地で医療施設が乏しい地域に住む人々です。その結果、狂犬病は報告数が実際よりも少なくなっています。

事実3:犬、狂犬病を伝播できるコウモリなどの動物から距離をおいてください。
 
狂犬病で死亡する患者の95%までが主に犬から感染しています。特に、アジアとアフリカでは犬が感染源です。アメリカ大陸では、コウモリが主な感染源となっています。キツネ、アライグマ、ジャッカル、マングース、その他の肉食系の宿主となる動物に咬まれて、人が死亡することは極めて稀です。

事実4:狂犬病死亡する10人のうち4人は15歳未満の子どもです。
 
全ての年齢層に感染の危険がありますが、子どもは遊びへの興味から、犬を怖がらず、狂犬病に注意することもなく近づくため、最も感染しやすい存在です。研究では、子どもは叱られることを恐れて、咬まれて傷ついていることを隠す傾向があり、最初の処置や適切な医療が受けられていない可能性があることが示されています。

事実5:狂犬病に罹った動物に咬まれることを防ぐ鍵は、教育と注意力の向上です。
 
どのように動物に咬まれることを避けるかを子どもに教えることは、狂犬病の予防と感染管理における重要な要素です。WHOは、狂犬病への注意力を向上させ、責任ある犬の飼い主を支援するために、さまざまな支援組織とともに地域での教育に取り組んでいます。

事実6:さまざまな分野が協調して活動することが、狂犬病対策には重要です。
 
WHOは、戦略的に支援組織と共同で、人間と動物における将来の展望により、狂犬病に取り組む各国の計画や地域ネットワークを支援しています。これには、人にも犬にも、安価かつ安全で有効性のあるワクチンを容易に接種できる環境を作ることも含まれています。

事実7:犬に咬まれたら、傷口を水で洗い、素早く対処することが、助かるには重要です。
 
咬まれた傷口は、15分以内に、直ちに、そして徹底して、石鹸と水で洗わなければなりません。咬まれた人は、一番近い医療施設を教えてもらう必要があります。毎年、1,500万人以上が、犬に咬まれた後に、狂犬病のワクチンを接種しています。

事実8:人が罹る狂犬病は100%ワクチンで予防できます。
 
感染者の死亡はワクチンを接種することで避けることができますが、ワクチン接種への介入だけでは狂犬病を撲滅することはできません。また、かかる費用も時間とともに増えるだけです。狂犬病の動物に咬まれた多くの人にとって、咬まれた後の治療には、毎回、一日の平均収入に当たる破滅的な金額が財布から出ていくことになります。

事実9:犬の集団ワクチン接種は、感染経路を遮断します。
 
野良犬を含め、少なくとも70%の犬にワクチンが接種されれば、人への狂犬病の感染を防ぐことができ、感染経路を遮断することができます。犬の集団ワクチン接種が、バングラデシュ、南アフリカ(KwaZule-Natal州)、フィリピン、タンザニアで実施され、狂犬病の感染対策には犬の集団ワクチン接種が適していることが、示されています。

事実10:より信頼できるデータが狂犬病の予防計画を向上させます。
 
狂犬病を含め、疾病の予防と管理に対し効果の高い計画で実施するためには、信頼できるデータが必要です。WHOと支援団体は各国政府が検査体制を向上させ、人と贓物の疾病調査を強化させることを支援するために技術的なガイドラインを作成しています。

出典

WHO. Fact files, Media centre. 27 September 2016
10 facts on rabies
http://www.who.int/features/factfiles/rabies/en/