2016年10月25日更新 黄熱の発生状況(更新25)

2016年10月21日付けで、WHOより黄熱の発生状況が公表されています。詳細は原文でお確かめください。

更新の要点

  • アンゴラの10月13日現在の疫学情報です。
    • 最後に確定された患者が発症したのは6月23日でした。
    • 感染の可能性が高い患者45人が、この4週間に報告されました。
    • ワクチン接種キャンペーンの第2弾が続けられています。対象となる住民は、10州200万人超と
      なります。
  • コンゴ民主共和国における10月19日現在の疫学情報です。
    • 森林型黄熱以外で最後に確定診断された患者の発症日は7月12日でした。
    • 感染の可能性が高い患者16人が、現在も調査中です(キンシャサで4人、Kwango(クワンゴ)州で
      8人、Bas Uele、Kwilu、Lualaba、Sud Ubangiの各州で1人ずつ)。
    • 流行対策としてのワクチン接種キャンペーン対応策が、Kwango(クワンゴ)州Feshiの衛生行政地
      域で行われ、住民152,492人にワクチンが接種されました。Kasai(カサイ)州Mushengeの衛生行
      政地域での流行対策としてのワクチン接種キャンペーン対応策も、10月20日に始まりました。

分析

  • 感染の可能性の高い患者(アンゴラでの感染の可能性の高い患者45人を含む)の発見や調査が続いていることは、調査活動が活発に行われていることを示しています。それでも、発見の遅れを生じかねない調査活動や検査確認の処理能力の中にくすぶる問題点に注意を向けることは重要です。調査活動への強力かつ継続的な取り組みが必要となります。
  • アンゴラにおける感染の可能の高い患者の(蚊との)接触状況および黄熱ワクチンの接種状況に対する調査が一旦終了したため、彼らの発生状況は保健省の最終分類委員会で再検討される予定です。

疫学的な発生状況

アンゴラ

  • 感染の可能性が高い患者45人が、この4週間に報告されました。
  • 2015年12月5日から2016年10月13日までの発生状況は、以下のようになっています。
  • 疑い患者は4,306人で、このうち376人が死亡しています(致死率:8.8%)。
  • 検査確定患者は884人で、このうち121人が死亡しています(致死率:13.7%)。
  • 流行の開始以来、疑い患者は18州全てから報告されています。確定患者は16州80地域から報告されました。地域内での感染伝播は12州45地域から報告されました。

コンゴ民主共和国(DRC)

  • 2016年1月1日から10月19日までの状況は、以下のようになっています。
  • 26州全ての州から2,970人の疑い患者が出ています。
  • 検査が行われた疑い患者2,800人において77人が確定診断されました。このうち16人が死亡して
    います(致死率:21%)。
  • この確定患者77人は、57人がアンゴラでの感染、13人が国内での感染、7人が(流行とは関係の
    ない)森林型黄熱への感染でした。
  • 感染の可能性が高い患者16人が、現在も調査中です。(キンシャサで4人、Kwango(クワンゴ)州で8人、Bas Uele、Kwilu、Lualaba、Sud Ubangiの各州で1人ずつです)。

感染への対策

  • 現在の黄熱の流行に関する情報がWHOのウェブサイトで引き続き更新されています(http://www.who.int/features/qa/yellow-fever/en/)。
  • アンゴラでは、ワクチン接種キャンペーンの第2弾が始まりました。対象となる住民は、10州12地区に住む200万人超となります。
  • コンゴ民主共和国では、流行対策としてのワクチン接種キャンペーン対応策がKwango(クワンゴ)州Feshiの衛生行政地域で行われ、接種対象住民146,449人に対し、延152,492人(接種率104.1%)にワクチンが接種されました。Kasai(カサイ)州Mushengeの衛生行政地域での流行対策としてのワクチン接種キャンペーン対応策は、10月20日に始まりました。8月に、流行に先立ってワクチン接種キャンペーンが行われた62の衛生行政地域では、監視体制が続けられています。WHOは、ICG(黄熱ワクチン供給国際調整グループ)が保管する世界中の在庫ワクチンにブラジルのBio-Manguinhos施設からのワクチンを加えて、3,000万回分を超えるワクチンをアンゴラ、コンゴ民主共和国、ウガンダに搬出しました。
  • 2016年10月20 日までに、アンゴラでは2,000万回分のワクチンが、DRCでは940万回分のワクチンが接種されました。
  • 現在、ICGを通じて緊急に対応できるワクチンの数は640万本となっています。既に流行への対策に割り当てられたワクチンの本数は含まれていません。

出典

WHO. Situation Report, Emergencies. 21 October 2016
Situation Report; Yellow fever
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/250593/1/yellowfeversitrep21Oct16-eng.pdf?ua=1[PDF形式:745KB]