2016年11月22日更新 デング熱の発生報告 -ブルキナファソ

 2016年11月18日付けで公表されたWHOの情報によりますと、2016年8月以降、デング熱とみられる患者と死亡者が、ブルキナファソの首都Ouagadougou(ワガドゥグー)から報告されています。

報告の詳細
 2016年8月5日から11月12日までに、1,266人のデング熱疑い患者が報告されています。このうち、デング熱簡易検査により感染の可能性が高いと判定された患者が合計1,061人、累積死亡者数が15人(致死率1.2%)でした。全ての患者は首都ワガドゥグーにある12地区から報告されました。また、他にも2つの地方で患者が報告されています。1つは北部Sahel(サヘル)地方(デング熱簡易検査による陽性患者12人)、もう1つは西部Hauts-Bassins(上流域)地方(デング熱簡易検査による陽性患者6人)です。

 デング熱簡易検査による陽性患者のうち、首都ワガドゥグーの273人には確かな記録が取られていました。患者より報告された主な症状は、頭痛(77%)、関節痛(51%)、胃腸症状(47%)、出血症状(6%)でした。感染した患者の70%は25歳以上で、平均が30歳でした。また、男性よりも女性が多く感染していました。検体61本が、11月9日にアルボウイルスに対するWHO共同研究施設であるダカール・パスツール研究所に送られ、確認検査が行われました。2016年11月14日に予備試験の結果が出され、29検体(47.5%)でデング陽性(qRT-PCR法検査)と判定されました。亜型は2型と確認されました。さらなる検査が行われています。現在、遺伝子解析の結果が待たれているところです。

公衆衛生における取り組み
・健康保健省(Ministry of Health:MoH)は、集約した疾病調査および対策(IDSR)の体制を確立させていますが、デング熱は疾病調査に含まれていませんでした。疾病調査の能力を高めるためにデング熱を含めることが計画されています。
・初めての調査が10月24日から28日までに保健施設6か所で実施され、さらに調査が進められています。
・国の流行感染症管理委員会、健康保健当局およびその他の関係省庁では、毎週、会議を開催することで調整の確認が行われています。
・媒介昆虫の駆除とリスクの情報伝達を含めた感染の対応計画が策定されました。
・デング熱患者の発見と患者管理のための調査手順の策定およびガイドラインの更新作業が行われており、感染対策としてその手順が個々人に配布されました。
・健康保健省は、パスツール研究所およびWHOの追加支援を得て、ウイルス性出血熱に関する全国の基準検査施設の対応能力を強化することを計画しています。
・デング熱への注意喚起、患者管理、予防対策の呼び掛けに対する情報が、それぞれ独自の地域の公用語に翻訳され、配布され、浸透が図られています。
・首都ワガドゥグーの主要病院は、重症デング熱の患者のために蚊帳を提供しています(重症デング熱についての詳細は、「デング熱(ファクト シート)」参照)。
・デング熱の重症患者に対して無料での医療支援と治療を行っています。

WHOによるリスク評価
 
デング熱は、ブルキナファソにおいて調査活動の確立度が低い状況で発生しています。多くの医療施設ではデング熱の迅速簡易検査が使えない環境にあります。患者の定義や患者管理のガイドラインは十分に浸透していません。そのため、医療関係者は、デング熱の調査活動、特に、患者の発見と報告に対し十分に訓練されていない状態です。IDSRの体制基盤はありますが、この病気への調査は十分に確立されておらず、医療関係者の間でも病気と予防への認識は欠けたままです。

 雨季は終わったものの、家庭レベルと地域レベルでは媒介する蚊の繁殖地が多く、蚊が高密度になる可能性は依然として残っています。対策利害関係者と昆虫学者の間で、媒介する蚊の駆除への地域社会での介入に関する議論が進められています。感染する蚊の制御への対策としては、最も生産性のある繁殖地(最も幼虫の密度が検出される場所の特定)を発見し、積極的に地域社会で支援しながら、蚊の駆除対策を始める必要があります。選定された場所での媒介昆虫の監視活動は、全ての感染制御対策の効果を評価するために実施の必要があります。入院中のウイルス血症患者に対する蚊帳の使用は考える必要があります。また、個人レベルでの予防措置も取られるべきです。

 さらに、医療従事者や国民一般の関心がデングよりもマラリアにあることは強調しておかなければなりません。そのため、早期の診断能力、情報伝達による地域社会での注意の向上、地域活動員の動員、地域の状況に合わせた介入、媒介する蚊の駆除などを強化し、この流行に対する臨床管理のガイダンスをよりよいものにする必要があります。

 首都ワガドゥグーは、ブルキナファソの首都であり、主要な幹線道路や近隣諸国との鉄道網、国際空港があります。また、近隣諸国との間で人口移動が頻繁に行われています。現在、近隣地域でデング熱の流行を示す証拠はみられませんが、ここまでのデング・ウイルスの流行は除外できません。このリスクを評価するために利用できる情報は不十分です。

WHOからのアドバイス
 
WHOは、疫学データでこの病気の脅威が大きいと示されている地理的環境(国内または地方)にのみ、デング熱ワクチンCYD-TDVの導入を検討すべきであると各国に勧告しています。現在、ブルキナファソにおけるデング熱の罹患率が高いという証拠は不十分であり、さらなる調査が必要です。

 蚊の生息地の除去や殺虫剤の使用(屋内噴霧や屋外散布)など媒介する蚊の駆除を通してのデング熱の予防、個体レベルでの予防対策(虫除け剤の使用、明るい色の長袖シャツとズボンの着用、蚊の侵入を防ぐための網戸を設置した部屋の確認)が勧められています。

 WHOは、現在利用できる情報に基づく限り、ブルキナファソへの旅行や貿易の制限は勧めてはいません。

出典

WHO. Emergencies preparedness, response. Disease Outbreak News. 18 November 2016
Dengue Fever - Burkina Faso
http://www.who.int/csr/don/18-november-2016-dengue-burkina-faso/en/