2016年11月29日更新 10の事実 -食べ物の安全

 ほとんどの人が、生きている間にどこかで食による病気を経験することでしょう。ここでは、私たちが食べている食事に、有害な細菌、寄生虫、ウイルス、毒や化学物質が混じりこんでいないことを確かめることの重要性に焦点を当てています。

 食べ物には、生産、分配、準備など、あらゆる過程で汚染される可能性があります。生産者から消費者まで生産ラインに関わる全ての人々が、口に入れる食べ物で病気が起きないことを確かめるための何らかの役割をもっています。

事実1:食べ物を通して200を超える病気が拡がっています。
 
毎年、10人に1人が汚染された食べ物で病気になり、その結果、毎年420,000人もの人々が死亡しています。5歳未満の子どもは、特にリスクが高く、毎年、食べ物が原因となる病気で125,000人もの子どもが命を亡くしています。食べ物の準備を適正に行うことで、食べ物が原因となる病気のほとんどを防ぐことができます。

事実2:食べ物が原因となる病気は長期にわたり健康を害する原因となります。
 
食べ物が原因となる病気で最もよく起こる症状は、胃の痛み、嘔吐、そして下痢です。重金属に汚染された食べ物、自然に発生する毒を含む食べ物も、癌や神経障害など、長期にわたり健康を害する原因となります。

事実3:食べ物が原因となる病気は健康な人よりも病気に罹りやすい人に大きな影響を与えます。
 
汚染された食べ物を原因とする感染症は、貧しく病気に罹りやすい人々に大きな影響を与えます。そして、簡単に病気が重症化し、死に至りやすくなります。幼児、妊婦、病人、高齢者では、食べ物が原因となる病気がしばしば重症化しやすく、死に至りやすくなります。

事実4:食べ物の汚染が起こる機会は至る処にあります。
 
今日の食べ物の供給体制は複雑で、農場での生産、動物の解体、収穫、加工、貯蔵、流通、配送など、食べ物が消費者に届くまでに、さまざまの段階を経てきます。

事実5:世界の流通は、食べ物の安全をさらに複雑かつ重要なものにしています。
 
食べ物の生産や世界規模での交易の拡大は、食べ物の流通過程をより長くし、食べ物が原因となる病気の流行、緊急時の生産物の回収を複雑なものにしています。

事実6:食べ物の安全は、多職種、多領域に及びます。
 
食べ物の安全の向上のために、多種多様な専門職が最先端の科学と技術を結集させて、取り組んでいます。公衆衛生、農業、教育、貿易など、さまざまな政府機関の部課局が、互いに協調し意思疎通を図りながら、消費者を含む文明社会と関わっています。

事実7:食べ物の汚染は経済と社会全体にも影響を及ぼします。
 
食べ物の汚染は直接の公衆衛生上の問題を超えて、遙かに遠いところまで影響を及ぼします。食べ物の汚染は、先進国、発展途上国の双方において、食べ物の輸出、旅行業、食品を取扱う産業、経済の発展の決定因子となります。

事実8:いくつもの有害な細菌が、薬剤治療に対して耐性を示しています。
 
抗生物質への耐性は世界の医療において膨らみ続ける懸念材料となっています。人への臨床上の使用を含め、農業や畜産業における抗生物質の過剰使用や誤使用は、抗生物質への耐性の出現や拡大を起こす要因のひとつとなっています。動物における薬剤耐性の細菌は食べ物を通して人にも伝播します。

事実9:すべての人に、食べ物の安全を維持する役割があります。
 
食べ物の安全は政府機関、企業、生産者、学術関係者、消費者が責任を分かち合うべきものです。すべての人に役割があります。食べ物の安全を達成するには、毒性学、細菌学、寄生虫学、栄養学、医療経済学、医学や獣医学など、幅広い領域におけるさまざまな分野の専門家による取り組みを必要とします。地域社会における女性グループや学校教育にも重要な役割があります。

事実10:消費者には食べ物の安全の維持を実践する上で十分な情報が知らされるべきです。
 
人々には、情報を得て、賢く食べ物を選択し、(安全に対し)十分な行動を取ることが必要とされます。人々は、食べ物に表示された情報を基に、日頃から危険のある食べ物を理解し、食べ物の安全な取り扱いを学んでおくことが必要です。

出典

WHO. Fact files, Media centre. 31 October 2016
10 facts about food safety
http://www.who.int/features/factfiles/food_safety/en/