2017年02月24日更新 アメリカ大陸の黄熱の発生状況(更新5)

 2017年2月23日付で汎米保健機関(PAHO)より、アメリカ大陸での黄熱の発生状況に関する情報が更新されました。

アメリカ大陸での黄熱の発生状況

 2017年第1週から第6週までに、ブラジル、ペルー、コロンビア、ボリビアで黄熱の疑い患者と確定患者が報告されています。

 ブラジルでの発生状況の概要は、次のように報告されています。

 ブラジルでは、2016年12月始めから2017年第6週までに、黄熱患者1,336人(確定患者292人、破棄124人、疑い患者および調査中の患者920人)が報告されました。このうち、215人(確定患者101人、破棄5人、調査中109人)が死亡していました。死亡率(CFR)は、確定患者で35%、疑い患者で12%でした。

 疑い患者と確定患者が感染した可能性の高い地域は6州となっています。バイーア州(9人)、エスピリト・サント州(177人)、ミナス・ジェライス州(1,008人)、リオ・グランテ・ノルテ州(1人)、サンパウロ州(10人)、トカンティンス州(2人)からでした。一方、確定診断された患者は、エスピリト・サント州(42人)、ミナス・ジェライス州(246人)、サンパウロ州(4人)の3州に分布していました。

 ミナス・ジェライス州では、疑い患者と確定患者を合わせて84%が報告されました。しかし、この州の4つの行政地域では2017年第3週にピークを迎えた後、患者の発生は減少の傾向です。第3週には、これら全地域を合わせて、この週だけで約360人の患者が報告されていました。そのため、この減少傾向が今後の数週間もすべての地域で続くことを見定めるために、監視体制が続けられます。

 確定患者のうち、86%(252人)は男性でした。また、81%が年齢21歳から60歳の範囲にいました。

 確定死亡者については、84人がミナス・ジェライス州で、3人がサンパウロ州で、14人がエスピリト・サント州で発生していました。疑い患者と確定患者を合わせた死亡率は、高い順に、サンパウロ州で75%、ミナス・ジェライス州で34%、エスピリト・サント州で33%でした。

 2017年2月22日までの黄熱に関する最新の疫学情報によれば、人以外の霊長目において、動物での集団感染の発生が新たに236件報告されました。

 流行の開始以降では、合計で883件の動物での集団感染の発生が報告されました。このうちの377個体で黄熱への感染が確認され、8個体で棄却されました。

 人以外の霊長目における集団感染は、連邦直轄地区と、アラゴアス州、バイーア州、ゴイアス州、エスピリト・サント州、マットグロッソ・ド・スール州、ミナス・ジェライス州、パラナ州、ペルナンブーコ州、リオグランデ・ド・ノルテ州、リオグランデ・ド・スール州、サンタ・カタリーナ州、サンパウロ州、セルジッペ州、トカンティンス州から報告されています。

 これまでには、ブラジル以外のアメリカ大陸の国や地域から、現在の流行の発生に関連した黄熱患者は報告されていません。しかし、PAHO/WHOは、現在調査中の動物での流行発生は、ブラジルが国境を接している(ボリビアとパラグアイと国境を接する)マットグロッソ・ド・スール州、(アルゼンチンと国境を接する)サンタ・カタリーナ州、(ウルグアイとアルゼンチンと国境を接する)リオグランデ・ド・スール州、(アルゼンチンとパラグアイと国境を接する)パラナ州で調査が続けられており、国境を接する国々、特に共通の生態系をもっている地域に、ウイルスが拡がるリスクのあることを繰り返し述べています。

 現在の黄熱の発生における感染伝播のサイクルが変化する可能性は残されていますが、現段階で、集団感染の発生における伝播にネッタイシマカが関与している証拠はありません。

出典

PAHO. Epidemiological Update. 23 February 2017
Yellow Fever
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_view&Itemid=270&gid=38226&lang=en