2017年03月03日更新 アメリカ大陸の黄熱の発生状況(更新6)

 2017年3月2日付で汎米保健機関(PAHO)より、アメリカ大陸での黄熱の発生状況に関する情報が更新されました。

アメリカ大陸での黄熱の発生状況

 2017年第1週から第7週までに、ブラジル、ペルー、コロンビア、ボリビアで黄熱の疑い患者と確定患者が報告されています。

 ブラジルにおける発生状況の概要は、次のように報告されています。

 ブラジルでは、2016年12月始めの流行発生以降、2017年第7週までに、黄熱患者1,368人(確定患者326人、破棄125人、疑い患者および検査中の患者916人)が報告されました。このうち、220人(確定患者109人、破棄6人、検査中105人)が死亡していました。死亡率(CFR)は、確定患者で33%、疑い患者で11%でした。
 感染の可能性が高い地域のうち、感染の疑い患者と確定患者の83%がミナス・ジェライス州(1,209人)から報告されました。次いで、エスピリト・サント州(185人)、サンパウロ州(10人)、バイーア州(9人)、トカンティンス州(2人)、ゴイアス州(1人)、リオ・グランテ・ノルテ州(1人)からでした。一方、確定診断された患者は、ミナス・ジェライス州(269人)、エスピリト・サント州(53人)、サンパウロ州(4人)の3州に分布していました。
 ミナス・ジェライス州では、この州4つの行政地域で、引き続き患者の減少傾向がみられました。それでも、この減少傾向が今後の数週間もすべての地域で続くことを見定めるために、監視体制が続けられています。
 確定患者のうち、86%(252人)は男性でした。また、81%が年齢21歳から60歳の範囲にいました。
 エスピリト・サント州では、2月2日から24日までに、新しく患者120人(確定患者および検査中の患者)が報告されました。この4週間での患者数は185人から65人になっています。ミナス・ジェライス州では、同じ期間に、新しく患者256人が報告されました。この4週間では1,029人から773人になっていました。
 今回の流行における黄熱の伝播サイクルは変化してきている可能性があります。これまでのところ、ネッタイシマカが伝播に関わっていることは報告されていません。

大都市に近い行政地区[エスピリト・サント州のSerra(セーハ)、Aracruz(アラクルス)、Vitoria(ヴィトーリア)]の黄熱疑いの患者が、現在、検査を受けています。
 確定診断された死亡者については、92人がミナス・ジェライス州で、3人がサンパウロ州で、14人がエスピリト・サント州で発生していました。疑い患者と確定患者を合わせた死亡率は、高い順に、サンパウロ州で75%、ミナス・ジェライス州で34%、エスピリト・サント州で26%でした。

 2017年2月24日までの前回の黄熱に関する疫学情報以後、人以外の霊長目において、動物での集団感染の発生が新たに76件報告されました。流行の開始以降では、合計で959件の動物での集団感染の発生が報告され、このうちの386個体で黄熱への感染が確認され、8個体で棄却されました。
 人以外の霊長目における集団感染は、連邦直轄地区と、アラゴアス州、バイーア州、ゴイアス州、エスピリト・サント州、マットグロッソ・ド・スール州、ミナス・ジェライス州、パラナ州、ペルナンブーコ州、リオグランデ・ド・ノルテ州、リオグランデ・ド・スール州、サンタ・カタリーナ州、サンパウロ州、セルジッペ州、トカンティンス州から報告されています。

 これまでのところ、ブラジル以外のアメリカ大陸の国や地域から、現在の流行に関連した黄熱患者は報告されていません。しかし、PAHO/WHOは、現在調査中の動物での流行発生は、ブラジルが国境を接している(ボリビアとパラグアイと国境を接する)マットグロッソ・ド・スール州、(アルゼンチンと国境を接する)サンタ・カタリーナ州、(ウルグアイとアルゼンチンと国境を接する)リオグランデ・ド・スール州、(アルゼンチンとパラグアイと国境を接する)パラナ州で調査が続けられており、国境を接する国々、特に共通の生態系をもっている地域に、ウイルスが拡がるリスクのあることを繰り返し述べています。

出典

PAHO. Epidemiological Update. 2 March 2017
Yellow Fever
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_view&Itemid=270&gid=38466&lang=en