2017年04月05日更新 新しいマラリア撲滅へのガイドライン

 WHOより、3月24日付けで、新しいマラリア撲滅へのガイドラインが発表されました。

ガイドラインの紹介

 10年ぶりに、WHOより、マラリアの撲滅に関する新しい政策ガイドラインが発表されました。マラリアが広く感染伝播する地域のどこに位置するかにかかわらず、撲滅を達成し、維持するための一括した方法と戦略が各国に示されています。

 WHOの分析にしたがい、マラリア撲滅のための枠組み2017年版には、2020年までにマラリア原虫を保有する患者をゼロにできる(E2020)潜在力のある国々から派遣された(撲滅)計画の責任者が集う世界フォーラムで正式に発表されました。

The new WHO guidance: A framework for malaria elimination (マラリア撲滅に向けた枠組み)

 3月16日のフォーラムで、世界マラリア(撲滅)計画の総責任者Dr Pedro Alonso氏は、過去10年間のマラリアの情勢に見られた劇的な変化に合わせて、新たなガイダンスが必要であることを議題に上げました。

 Alonso博士は、「広域に役目を果たした軸となるマラリアの対策手段の普及は、この病気からの脅威の大幅な軽減につながりました。」「以前には使うことのできなかったような新しい政策ガイドラインや対策手段、並びに、新しい戦略が(ここに)あります。(これまでにも益して)多くの国がマラリアを撲滅し、その目標に向かって着実に歩みを進めています。(このため)これらの進展のすべては、撲滅に関するこれまでのガイダンスの大幅な改訂を求めることとなりました。」と述べています。

主な更新点

 撲滅に向けた2007年のWHOガイドラインでは、感染伝播が低および中の程度にある環境の国だけに焦点を当てていました。新しいガイダンスでは、マラリアの伝播が(地域に)連続性があることを認識し、マラリアが常在するすべての国を支援するように計画されています。計画の中の活動は、伝播の程度が高い環境から極めて低い環境まで、幅広く焦点を当てています。

 この新しい枠組みには、マラリアの撲滅をWHOが認定するためのプロセスが分かりやすく説明されており、伝播の再興を判断する基準値が明確に示されています。新しいガイダンスでは、国境付近の地域でマラリアが終息したことを検証するための目標と体制の設定に関しても示されています。これは、今後の国の認定における重要な基盤となるはずです。

 撲滅の達成およびこれを維持するために重要となる条件の概要を含めて、他にも多く内容が更新されています。主な変更点の完全なリストは、枠組みの9〜10ページでみることができます。

幅広い検討のプロセス

 この新しいガイダンスは、WHO事務局とアフリカのマラリア制御と撲滅に対する協定(MACEPA)の総括責任者Dr Rick Steketee氏が主導する科学的根拠を独立して再検討するグループ(通称、PATH)によって、18か月の歳月を掛けて作成されてきました。それは、各国の(撲滅)計画責任者との幅広い協議のプロセスを経て、2016年9月にマラリア政策諮問委​​員会(MPAC)により最終的な検討が行われました。

 3月22-24日に開催された先日のMPAC会議で、Alonso博士は、出席者に対し「ガイダンスは『ひとつのサイズで、すべてに上手く適合させられる』方法のものではありません。それぞれの国で、地域の実情に合わせて活動が調整されるべきものです。」と確りと述べました。また、マラリア撲滅のための枠組み2017年版は「深く石に刻み込まれた」(ような堅い)ものではなく、新しい方法や戦略が使えるときには(柔軟に)更新されるべきものであるとも述べました。

 このガイダンスは、マラリアの感染制御と撲滅に取り組むすべての国に向けた15年の枠組みです、マラリアに対するWHOの方法戦略に基づいており、完全に整合性がとれたものになっています。少なくとも10か国でのマラリアを撲滅することが、2020年に向けた戦略の短期目標の1つとなっています。

出典

WHO. Malaria, Programmes. 24 March 2017
WHO releases new guidance on eliminations
http://www.who.int/malaria/news/2017/new-guidance-on-elimination/en/