2017年04月21日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新12)

 2017年4月20日にWHOから公表された情報によりますと、4月14日に、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)から、新たに鳥インフルエンザA(H7N9)患者15人が検査で確認されたことがWHOに報告されました。

報告の詳細
 発症日は、3月27日から4月11日まで(の患者)です。これらの患者15人のうち、女性は3人でした。患者の年齢幅は39歳から81歳で、中央値は58歳でした。患者は、安徽省(1人)、北京(1人)、甘粛省(1人)、河南省(2人)、湖南省(1人)、江蘇省(2人)、山東省(2人)、四川省(3人)、天津(1人)、チベット自治区(2人)、浙江省(1人)から報告されました。

 甘粛省から鳥インフルエンザA(H7N9)患者が報告されたのは、初めてのことでした。また、この5回目の流行の中では、天津市から鳥インフルエンザA(H7N9)患者が報告されたのは、初めてのことでした。前回は2016年6月に患者2人がWHOに報告されました。

 報告された時点での患者11人の状態と情報では、死亡者が2人、患者が8人(肺炎1人と重症肺炎7人)と軽症が1人でした。患者12人には家禽や生きた家禽を扱う市場との接触機会がありました。患者1人には、道端での生きた家禽の小売人、もしくは鳥インフルエンザA(H7N9)に汚染されていた可能性のある道端の小売人近くの環境との接触機会がありました。報告された時点で、患者2人には家禽との接触機会に関する情報はありませんでした。

 集団感染が報告されました。
・39歳 男性で、ラサ(チベット自治区)に住んでいました。彼は2017年3月28日に発症し、4月1日に入院しました。彼は重症の肺炎で、4月18日まで入院していました。彼は、市場で生きた家禽を扱う仕事をしており、家禽を解体処理し、生きたまま家禽を売る仕事もしていました。
・41歳 男性で、ラサ(チベット自治区)に住んでいました。4月8日にWHOに報告されました。彼は、3月27日に発症し、4月1日に入院しました。報告された時点では、重症肺炎と診断され、4月18日まで入院していました。彼も、市場で生きた家禽を扱う仕事をしており、家禽を解体処理し、生きたまま家禽を売る仕事もしていました。

 2013年初頭からこれまでに、IHRを通して、鳥インフルエンザA(H7N9)の確定診断患者1,393人が報告されています。

公衆衛生上の取り組み
 2016年12月以降の鳥インフルエンザA(H7N9)患者の増加を踏まえて、中国政府は、国と各地方のレベルで、次のような追加対策を実施しています。

・生きた家禽の衛生管理や地域間の輸送に重点をおいた感染制御への対策強化を続けています。
・警戒体制を取り、感染管理と予防対策を完全実施することを全省に徹底させています。
・感染の発生した地域には、感染管理と予防対策を強化するためにガイダンスによる指導を行っています。
・国民に向けて、自らを感染から守る指導を行うために、リスク情報の疎通性を図り、情報の周知を強く押し進めています。
・感染の予防と管理のためのさらに(詳しい)ガイダンスを提供するために、ウイルスに汚染された範囲や突然変異を定義するために追跡調査と病原体の調査を強化しています。

WHOのリスク評価
 2016年10月1日以降に発生した5回目の流行の波での鳥インフルエンザA(H7N9)の患者数は、これまでの流行の波の中での患者数よりも多くなっています。

 鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる感染は、通常の状態ではありません。疫学的な発生状況や人に感染した直近のウイルスのさらなる特性を密に観察することが、関係するリスクを評価し、迅速に行動する中でリスク管理の対策を調整するためには、重要となります。

 ほとんどの患者は、感染した家禽との接触または生きた家禽を扱う市場などのウイルスに汚染された環境との接触を通して、鳥インフルエンザA(H7N9)に感染しています。このウイルスが動物や環境中で検出され続けていることから、さらに患者が発生することが予想されます。医療従事者が関係する感染も含めて、これまでにも同じ空間にいた患者の関与など、人への感染の小さな集団発生は報告されてきましたが、現在の疫学的・ウイルス学的な根拠からは、このウイルスが人と人との間で感染伝播を維持し続ける能力は獲得していないことが示唆されています。そのため、地域レベルで感染が拡がる可能性は低いと考えられます。

WHOからのアドバイス
 WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、可能な限り養鶏場への立ち入り、生きた家禽類を扱う市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物品との接触を避けることを勧めています。渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣の維持に努めるべきです。

 WHOは、この事象に関連して、特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易の制限を行うことを推奨してはいません。これまでと同様に、鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航中又は帰国した直後に、渡航者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザウイルスへの感染を鑑別診断として考えておくべきです。

 WHOは各国に対して、重症急性呼吸器感染症(SARI)およびインフルエンザ様疾患(ILI)のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続し、通常と異なる傾向がないか慎重に調査し、人での症例が生じた際には国際保健規則(2005)に基づき必ずWHOに報告し、引き続き各国国民の健康維持に備えることを求めています。

 中国に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。入国の際に、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がある場合には検疫所に相談してください。

出典

WHO. Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 20 April 2017
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus - China
http://www.who.int/csr/don/20-april-2017-ah7n9-china/en/