2017年05月15日更新 コレラ流行の再興- イエメン

 2017年5月11日に公表されたWHO東地中海地域事務局(EMRO)からの情報によりますと、WHOと支援組織はイエメンのいくつもの地域で再興しているコレラの流行への対策に取りかかりました。

情報の詳細

 2017年4月27日以降、コレラ疑い患者2,752人が発生し、51人がいのちを落としたことから、WHOと支援組織はイエメンのいくつもの地域でコレラの流行が再興していることへの対策に取りかかりました。

 WHOは、コレラ治療キット、経口補水液や補水用点滴液、並びに下痢省治療センターでの医療用具や医療器具を、速やかに配布しました。感染の発生した地域には、新しく10か所で治療センターが設立されています。

 また、WHOは、下痢による軽度から中等度の脱水症を治療するために、保健当局が経口補水液による治療コーナーを設立することも支援しています。Sana'a地区では、10か所で経口補水液の治療コーナーを開いたことを発端に、この方法は感染が発生するすべての地域でも行われました。症状がより深刻な患者は、下痢症治療センターに紹介されます。

 「この数週間、イエメンのいくつもの地域でコレラが再興したことに大きな懸念を抱いています。感染の流行を押さえ込み、下痢症患者の急激な増加を避けるために、現在は規模を拡大しなければならないときです。」とWHOイエメン代表Nevio Zagaria博士は述べました。

 コレラは、コレラ菌(Vibrio cholera)で汚染された食物や水を摂取することで引き起こされる急性下痢症です。感染した人のほとんどは、症状がないか軽症ですが、患者が重篤になると、治療しなければ数時間で死亡することもあります。

 コレラ患者の増加は、2年間の紛争の重荷によって弱体化したイエメンの保健医療システムとの格闘が発端となっています。飲料水や衛生施設などの主要な生活基盤が崩壊したことが、下痢症を拡大させる原因となっています。気候も一因となりました。コレラを引き起こす病原体は、暖かい気候である程に拡散しやすく、最近の大雨によって回収されていなかった廃棄物が水源に入り込んできています。

 イエメンでのコレラ流行は、2016年10月6日に、イエメン保健人口省(Ministry of Public Health and Population:MoPHP)から発表されました。WHOは、コレラ感染へのリスクの高い地域には760万人が住んでいると見積もっています。

 最近の感染再興に先立って、WHOは、感染の発生した地方自治体26か所での下痢症治療センターの再開を支援し、WHOが作成した患者管理、感染予防、感染管理のための標準手順書に基づいて、患者を治療するための医療従事者の訓練を行いました。また、WHOは、潜在する患者の調査や、コレラの発生が報告されている地域の水源での塩素消毒を行うための緊急感染対策チームを訓練し、派遣することを支援しています。

 WHOは、保健当局が、診断能力の向上や疾病の調査システムの強化、感染リスクの高い地域への医薬品の提供、感染リスクの高い地域住民に向けた健康教育キャンペーンの企画、患者管理と早期発見および報告などを、国の職員に訓練する取り組みを引き続き支援しています。

 「WHOは、最近のコレラ患者の急増を抑えるために完全に非常事態の体制に入っています。」とZagaria博士は述べ、さらに「我々(WHO)は、感染流行の拡大を最優先事項に置きながら、コレラ流行への集約的かつ効果的な対策の規模を拡大するために、すべての当事者、保健医療従事者、飲料水や衛生設備の従事者とともに取り組みの調整を行っています。」と続けています。

出典

EMRO/WHO. Media centre. 11 May 2017
WHO responds to resurgent cholera in Yemen
http://www.emro.who.int/media/news/who-responds-to-resurgent-cholera-in-yemen.html