2017年05月24日更新 アフリカにおける感染症の発生状況

2017年第20週(5月13日-19日)における感染症の発生状況の週報が公表されています。

ここでは、その概要を紹介いたします。それぞれの事態の詳細については、原文でお確かめください。

感染症の発生状況の概要

  • この週報は、WHOアフリカ事務局の地域で発生した公衆衛生上の緊急事態うち、(重要として)選定された事態に焦点を当てています。WHOアフリカ地域事務所内では、現在、グレード3*の3件、グレード2の6件、グレード1の1件、グレードの未分類の38件の事態に対する監視を行っています。
  • 今回の週報では、現在、この地域で事態が進行している、エチオピア、ナイジェリア、南スーダン、各国での人道危機(グレード3)、ナイジェリアでの髄膜炎の流行発生、コンゴ民主共和国でのエボラ出血熱の発生、リベリアでの髄膜炎の発生(それぞれグレード2)に焦点が当てられています。
  • それぞれに、これらの事態について、実施されている公衆衛生上の対策の概要と発生状況への解釈の情報がまとめられています。
  • 報告の最後には、現在、この地域で監視を続けているすべての公衆衛生上の事態に関する情報が、表で示されています。
  • 対策が取られた主な課題は、次のとおりでした。
    • コンゴ民主共和国でのエボラ出血熱の感染発生、特に、Likatiにおいて現地での対策活動を向上させることに重点を置き、感染への対策の規模を拡大することが必要とされること。
    • この地域で発生が続いている複数の公衆衛生上の緊急事態を支えるため、さまざまな分野の関わりと物的・人的資源が導入されるべきこと。

*グレードの定義

  • グレードの未分類:事態の発生がWHOによって評価され、情報が追跡され、監視が続けられているものの、その時点ではWHOによる対策は必要ないとした事態。
  • グレード1:最低限のWCO(WHO Country Office:国レベル事務所)の対策または最小限のWHOの国際的な対策を必要とする公衆衛生上の事態が単一または複数の国で発生している状況。国レベル事務所によって求められる組織的および/または外部からの支援は最小限である。国レベル事務所に対する支援の供給は、地域事務所内の各国の担当者によって調整される。
  • グレード2:中規模の国レベル事務所の対策または中規模のWHOの国際的な対策を必要とする公衆衛生上の事態が単一または複数の国で発生している状況。国レベル事務所によって求められる組織的および/または外部からの支援は中規模である。緊急支援チームは、地域事務所によって対応(複数の地域で事態が発生している場合には、緊急支援チームは本部で対応)され、国レベル事務所に対する支援の供給が調整される。
  • グレード3:かなりの国レベル事務所の対策またはかなりのWHOの国際的な対策を必要とする公衆衛生上の事態が単一または複数の国で発生している状況。国レベル事務所によって求められる組織的および/または外部からの支援は相当規模となる。緊急支援チームは、地域事務所を超えて編成され、国レベル事務所に対する支援の供給が調整される。

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 19 May, 2017
Outbreaks and other emergencies updates, Week 20: 13 - 19 May 2017.
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/255545/1/OEW20-131952017.pdf?ua=1[PDF形式:4,197KB]