2017年06月09日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新17)

 2017年6月8日にWHOから公表された情報によりますと、5月19日に、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)から、新たに鳥インフルエンザA(H7N9)患者17人が検査で確認されたことがWHOに報告されました。また、5月26日にも、新たに患者9人報告されました。

報告の詳細

5月19日の報告:鳥インフルエンザA(H7N9)患者17人
 発症日は、4月29日から5月13日まで(の患者)です。これらの患者17人のうち、6人が女性でした。患者の年齢幅は30歳から84歳で、中央値は56歳でした。患者は、安徽省(1人)、北京(1人)、重慶(1人)、河北省(6人)、湖南省(1人)、江蘇省(1人)、陝西省(1人)、山西省(1人)、山東省(2人)、四川省(1人)、浙江省(1人)から報告されました。今回、山西省から、初めて患者が報告されました。報告された時点での容態の情報では、死亡者が2人、患者が15人(肺炎6人と重症肺炎9人)でした。患者16人には家禽や生きた家禽を扱う市場との接触機会のあったことが報告されました。患者1人の家禽との接触機会は不明でした。集団感染は報告されませんでした。

5月26日の報告:鳥インフルエンザA(H7N9)患者9人
 発症日は、5月7日から24日まで(の患者)です。9人全員が、男性でした。患者の年齢幅は36歳から74歳で、中央値は63歳でした。患者は、北京(1人)、河北省(1人)、江蘇省(1人)、山西省(1人)、山東省(1人)、四川省(3人)、浙江省(1人)から報告されました。報告された時点での容態の情報では、死亡者はなく、患者が9人(肺炎2人と重症肺炎7人)でした。患者8人には家禽や生きた家禽を扱う市場との接触機会のあったことが報告されました。患者1人の家禽との接触機会は不明でした。集団感染は報告されませんでした。

公衆衛生上の取り組み

 中国政府は、国と各地方のレベルで、次のような追加対策を実施しています。
・各省が(リスク)評価と感染予防および感染制御を強化するために、引き続き指示を行っています。
・生きた家禽市場および地域間の輸送への衛生管理に重点をおいた感染制御への対策強化が続けられています。
・効果的に感染予防と感染制御への対策の周知を図るために、感染源に関する詳しい調査が行われています。
・死亡率を低下させるために、鳥インフルエンザA(H7N9)感染者の早期に発見・治療が続けられています。
・自らを感染から守るための指針を国民に向けて示すために、リスクに対する情報の伝達と問題点となる情報への注意喚起の徹底を、引き続き、実施しています。
・感染の予防と管理のためのさらに(詳しい)ガイダンスを提供するために、ウイルス学の視点から、感染地域でのウイルス流行のレベルや突然変異への理解を深めるための調査活動が強化されています。

WHOのリスク評価

 2016年10月1日以降に発生した5回目の流行の波での鳥インフルエンザA(H7N9)の患者数と地域分布は、これまでの流行の波よりも大きくなっています。これは、ウイルスが広がっていることを示しており、人と動物、両方の健康領域でより強化した調査活動と感染制御対策が重要であることを強調しています。

 ほとんどの患者は、感染した家禽との接触または生きた家禽を扱う市場などのウイルスに汚染された環境との接触を通して、鳥インフルエンザA(H7N9)に感染しています。このウイルスが動物や環境中で検出され続けていることから、さらに患者が発生することが予想されます。これまでにも同じ部屋にいた患者が関係した事例など、小さな集団で鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの感染が発生したことは報告されてきましたが、現在の疫学的・ウイルス学的な根拠からは、このウイルスが人と人との間で感染伝播を維持し続ける能力は獲得していないことが示唆されています。そのため、地域レベルで感染が拡がる可能性は低いと考えられます。

 直近のウイルスの疫学的な発生状況や新たな特徴について詳細に分析することは、リスクを評価し、リスク危機の対策の調整を図り、速やかに対処していく上で不可欠となります。

WHOからのアドバイス

 WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、可能な限り養鶏場への立ち入り、生きた家禽類を扱う市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物品との接触を避けることを勧めています。渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣の維持に努めるべきです。

 WHOは、この事象に関連して、特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易の制限を行うことを推奨してはいません。これまでと同様に、鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航中又は帰国した直後に、渡航者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザウイルスへの感染を鑑別診断として考えておくべきです。

 WHOは各国に対して、重症急性呼吸器感染症(SARI)およびインフルエンザ様疾患(ILI)のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続し、通常と異なる傾向がないか慎重に調査し、人での症例が生じた際には国際保健規則(2005)に基づき必ずWHOに報告し、引き続き各国国民の健康維持に備えることを要請しています。

 中国に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。入国の際に、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がある場合には検疫所に相談してください。

出典

WHO. Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 8 June 2017
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus - China
http://www.who.int/csr/don/08-june-2017-ah7n9-china/en/