2017年06月20日更新 ヨーロッパにおける麻しんの流行 (更新4)

 麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染によって、人から人にうつります。その感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで(空気)感染することがあります。また、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすこともあります。

 欧州のいくつもの国で麻しんの流行が発生しており、2017年6月9日付けで欧州疾病対策センター(ECDC)は注意を呼びかけています。ルーマニアでは、昨年2月以降、大規模な麻しんの流行が続いており、昨年1月から今年6月9日までに、死亡者30人を含む麻しん患者6,743人が報告されました。また、欧州の他の国々でも、2017年に入り、患者数の増加が続いています。

*原文では、この他に、ブルガリア(130人)、チェコ共和国(126人)、ドイツ(698人)、イタリア(2,988人)からの情報が更新されています。また、2017年に、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ハンガリー、アイスランド、ポルトガル、スロバキア、スペイン、スウェーデン、イギリスでも、麻しんの発生が報告されています。詳しくは、原文でお確かめください。

 感受性の高い集団がある地域では、感染が広がり、伝染する危険性があります。欧州の多くの国では、2回のMMRワクチン接種を完了した者の割合は95%未満で、感染に罹りやすく、感染が拡大する可能性があります。WHO欧州地域の加盟国では、麻しんの撲滅に向けて着実に取り組みが進められていて、2016年10月に開かれた第5回麻疹および風疹会議(RVC)では、欧州地域53か国のうち24か国(うちEU / EEA地域では15か国)で、麻しん撲滅の目標を達成したと宣言されましたが、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、ルーマニアの6か国では、依然として、麻しんが常在していると判断されています。

 麻しんは予防接種で予防することができる病気ですが、予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。海外の麻しんの流行がみられる地域へ渡航する前には、母子健康手帳などで、予防接種歴を確認してください。麻しんに罹かったことがない方で、麻しんの予防接種を受けたことがない方や1回しか接種していない方、または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、渡航する前に、早めに医師に相談してください。

感染症別情報:麻しん

出典

ECDC. News. 16 June 2017
Epidemiological update: Measles - monitoring European outbreak
http://ecdc.europa.eu/en/press/news/_layouts/forms/News_DispForm.aspx?ID=1634&List=8db7286c-fe2d-476c-9133-18ff4cb1b568&Source=http%3A%2F%2Fecdc%2Eeuropa%2Eeu%2Fen%2FPages%2Fhome%2Easpx

参考

FORTH最新ニュース
麻しんについて(ファクトシート)(2017年4月)
http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2017/04071107.html

厚生労働省
麻しん(はしか)に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/hashika/index.html

国立感染症研究所 
感染症情報 麻疹
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html