2017年06月23日更新 コレラ流行の発生- タンザニア(更新)

 アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第24週(6月10日-16日)]が公表されました。ここでは、今週、情報が更新されたタンザニアでのコレラ流行について取り上げます。

コレラの発生状況
 タンザニアでは、2015年8月に最初の患者が発見されて以来、コレラの発生が続いており、最終的に全国25州のうち23州にまで広がっています。第23週(2017年6月11日迄)には、ダルエスサラーム州(11人)およびザンジバル州Unguja(ウングジャ)島(49人)で新たに60人の疑い患者が報告されました。本土では、ここ数週間で(患者数の)緩やかな減少を見せていますが、今週、ウングジャ島の3地区(西地区、市街地区、北A地区)で患者の大量発生が報告されているザンジバル諸島では、感染の流行が続いているようです。
 2017年6月11日の時点で、死亡者464人(致死率1.6%)を含む累積で29,831人の疑い患者が報告されています。患者と死亡者の大半(85%)は、タンザニア本土(患者25,305人、死亡者395人)から報告されています。2017年5月までに採取された検体148本のうち35本が、コレラ菌に陽性でした(サブタイプは検査中)。

公衆衛生上の取り組み
•保健省と国家コレラ対策会議が、引き続き、対策への取り組みの調整を図っています。WHO、ユニセフ、CDCなどの支援を得て、公衆衛生・緊急運営センター(PHEOC)が設立されました。第2副大統領の執務室の主導の下、保健省、教育省、地方行政府、地方自治体、非政府組織(NGO)など、関係する複数の領域で構成された対策委員会が立ち上げられました。
•緊急対策チームが、ザンジバル州ウングジャ島に派遣されました。
•感染の発生している地区で、疾病の調査活動や検査による調査活動を強化し、新たな感染の原因を探るために、引き続き、支援活動が行われています。ザンジバル州の3人調査官は、報告される毎日の発生状況の分析とデータ管理に重点を置いています。
•感染の発生している地域の飲料水、下水道、衛生環境(Water, Sanitation and Hygiene;WASH)を向上させるための取り組みが続けられています。ダルエスサラームとザンジバル州で感染の発生した家庭には、自宅で水を(衛生的に)取り扱うための塩素処理錠剤が配布されています。ザンジバル州の水道局は、地元自治体での水道水の処理を強化し、衛生習慣と安全な食習慣への公衆衛生上の規制強化をステップ・アップさせました。
•地元のラジオ、国営テレビ局、民間放送局を通して、地域集会やMadrassas(イスラム教が主催する教育集会)で、健康への推進活動が行われています。
•十分な医薬品物資を確保し、治療センターへの支援が行われています。下痢症用に揃えられた(医療)器材(IDDK)がザンジバル州に支給されました。

発生状況への認識
 タンザニアは、過去40年間にわたり、大規模なコレラの流行を経験しています。今回、(発生が)続いている大流行は、1997年に40,226人が感染し、2,268人が死亡した1997年の流行に続く、タンザニア史上2番目の規模を記録しています。2017年のコレラ(患者)発生数は、2015年と2016年に比べて、大幅に減少しました。これは、コレラの予防対策および管理対策における意識向上によるものと考えられます。
 しかし、雨期が始まり、清潔な飲料水の利用環境が制限され、感染が発生したほとんどの地区ではトイレの普及率が低いため、患者の急増への脅威が高まっています。保健省、WHO、支援組織は、(現状と理想との)解離を埋めるために、協力しながら活動を続けることが必要です。地域社会の足許から飲料水、下水道、衛生環境(Water, Sanitation and Hygiene;WASH)への活動を向上させ、多領域にわたる(感染対策への)手段への取り組みを継続し、地域社会に関わりを維持して行かなければなりません。

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 16 June 2017
Weekly Bulletin on outbreaks and other emergencies. P.8. Week 24: 10 - 16 June 2017.
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/255720/1/OEW24-101662017.pdf?ua=1