2017年07月03日更新 エボラ出血熱の終息宣言- コンゴ民主共和国

 2017年7月2日にWHOアフリカ事務局(AFRO)からで発表された情報によりますと、WHOは、この日、コンゴ民主共和国のエボラ出血熱の発生が終息したことを宣言しました。

エボラ出血熱の終息宣言

 本日、Bas Uele(バ・ズエレ州)で発生したエボラ出血熱の患者が2回目の検査で陰性と確認された日(ウイルスの潜伏期間21日間の2倍)から、42日目を迎えたことが発表されました。この国の監視体制の強化は継続されるとともに、エボラ出血熱の感染発生への備えは着実に強化されていきます。

 「この感染発生の終息に伴い、速やかに(感染対策への)協力を図り、効率的な方法で対策を行えば、極めて致死性の高いエボラウイルスを制御できることを、コンゴ民主共和国は、再び世界に証明しました」と、(新)WHO事務局長Dr. Tedros Adhanom Ghebreyesusは述べました。

 この感染の発生では、4人が死亡し、4人がこの病気から回復しました。これらの患者のうち5人が検査で確認されました。合計583人の接触者が登録され、慎重に健康監視が行われていましたが、エボラ出血熱の徴候や症状が確認された接触者はいませんでした。

 2017年5月11日に、Likati保健行政地区で出血熱症状をともなう診断不明の患者と死亡者が集団発生したことがWHOに報告されました。Likatiは遠隔の地にあり、そこに行き着くことに困難を要する地域で、中央アフリカ共和国および他のコンゴ民主共和国の2つの他州と境界を接しています。この病気の患者は、4つの保健行政地区から報告されました。これは、1976年にコンゴ民主共和国でウイルスが発見されて以降、この国で8回目のエボラ出血熱の発生になります。

 アフリカにおける今回のエボラ出血熱への効果的な対策では、疑い患者が発生した地方行政府による素早い警報の発表、国立研究所での(検査)処理能力の強化に伴う血液検体の迅速検査、政府による感染発生の素早い発表、国際的な支援組織による強固な支援の下で国と地方の保健担当当局が取り組む速やかな感染対策、柔軟な資金調達への迅速な利用環境の整備などが実施されました。WHO Health Emergencies Program(健康保健の緊急計画)に基づく活動調整への支援は極めて重要で、(今回)感染が発生してから24時間以内に発生事例への管理体制が構築されました。WHOは、政府や支援組織と緊密に協力し合いながら、50人以上の専門家を配置しました。

 WHOアフリカ地域事務局長Matshidiso Moeti博士は、5月に発生した感染を管理する進め方について話し合うためにコンゴ民主共和国を訪れた際に、この国は感染対策を主導し、現地の対応能力の強化を図るべく模範的に責任を果たしていると述べました。「私たちは、支援組織と協力して、医療保健体制を強化し、すべてのレベルで医療の提供と(感染発生への)備えを向上させるべく取り組んでいるコンゴ民主共和国政府を、これからも支援していくことに全力を尽します。」とも、彼女は述べました。

 コンゴ民主共和国政府と協力しながらの取り組みでは、この病気から回復した者への医療支援、潜伏するウイルスの検査、並びに、彼ら(回復者)の家族や地域社会での生活への復帰、偏見の軽減、エボラ出血熱のリスクの最小化などの社会心理的な支援、医療相談、教育などが、着実に続けられています。

 この国の保健省大臣Oly Ilunga Kalenga博士は、コンゴ民主共和国でのエボラ出血熱の発生が終息したことを発表するとともに、「私たちは、今、バ・ズエレ州の保健医療体制を強化することへの取り組みに重点を置くことを進めています。保健医療体制の強化なしには、効果的な監視体制は望めません。」と述べています。

 WHOは、GOARN (世界規模での感染症に対する警戒と対応ネットワーク)および危険な新興感染症の病原体を検査するためのネットワーク(Emerging and Dangerous Pathogens Laboratory Network)といった支援組織とともに、感染の発生に対する国際的な技術支援の協力を行ってきました。他にも、コンゴ民主共和国政府を支援する重要な支援組織には、アフリカ疾病対策センター、ALIMA(患者管理や地域社会での教育を補助している現地活動の非政府機関)、欧州連合(EU)、中国政府、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、国際移住機関(IOM)、日本国際協力機構(JICA)、国境なき医師団(MSF)、コンゴ民主共和国の赤十字社、ユニセフ、米国国際開発庁(USAID)、米国疾病管理予防センター(CDC)、英国国際開発省(DFID)、カナダ・ケベック大学、世界食糧計画(WFP)などがあります。

 WFP(世界食糧計画)/大量物資輸送部門とユニセフはButaとLikatiの倉庫の貯蔵能力を支援し、国連人道航空サービス(UNHAS)はButaからの航空業務の拠点を設けており、一方で、国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)は感染対策チームの輸送や感染の発生した地域への速やかな必要物資の供給を支援してきました。

出典

WHO. Press release, Media centre. 2 July 2017
WHO declares an end to the Ebola outbreak in the Democratic Republic of the Congo
http://www.afro.who.int/en/media-centre/pressreleases/item/9744-who-declares-an-end-to-the-ebola-outbreak-in-the-democratic-republic-of-the-congo.html