2017年07月11日更新 コレラの発生状況- アンゴラ

 アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第26週(6月24日-30日)]が公表されました。ここでは、コンゴ民主共和国やソマリアに引き続き、アンゴラでのコレラの発生状況について取り上げます。

コレラの発生状況

 アンゴラでは、2016年12月初旬から、北東部Cabinda(カビンダ)州とZaire(ザイーレ)州でコレラが流行しています。2017年の始めからは、コレラ流行が着実に減る傾向でしたが、この数週間は、疑い患者の数が急増しています。カビンダ州では、新たな患者11人が第25週(2017年6月25日までの週)に、患者15人が第24週(2017年6月18日までの週)に報告されました。一方、ザイール州Soyo地区では、5週間患者ゼロの報告が続いていましたが、この2週間に新たなコレラ患者4人が報告されました。患者4人のうち3人は、迅速診断テストでコレラ陽性でした。Luanda(ルアンダ)州では、ザイール州Soyo地区から感染輸入された小規模な集団感染がありましたが、その後、新たな患者は報告されていません。

 2016年12月に感染が発生して以来、2017年6月28日までに、死亡者24人(致死率5.3%)を含めて、患者455人が報告されました。ここには、カビンダ州での 患者225人、Soyo 地区での患者225人、ルアンダ州での患者5人が含まれています。患者の発生は25〜49歳の成人年齢層に偏っており、患者の38%を占めています。カビンダ州で感染した患者は、コンゴ民主共和国からの移民で、コレラ治療施設への利用環境が整備されておらず、社会サービスが限られた地域に住んでいました。

公衆衛生上の取り組み

・保健省は、コンゴ民主共和国と国境を接する地区、特に、現在もコレラが流行していると報告される地区での調査活動を強化しました。迅速診断用の検査機器が、Soyo地区からNoqui地区(コンゴ民主共和国のMatadiに隣接)、Dundo地区(ルンダ・ノルテ州)からUige地区にかけて再度分配され、疑い患者の早期発見への(探知)能力と、ルアンダ州での確定診断のための検体搬送の強化が行われました。
・WHOと支援組織は、Soyo地区とカビンダ州での流行対策の調整、物資と資金の提供により、アンゴラ保健省の支援を続けています。
・ユニセフと国際赤十字は、感染の発生した地域で、公共ネットワークに対する水質管理への技術援助の提供、適正な消毒と安全な貯水を支援するための貯水容器の配給、家庭内での予防に取り組むための情報、教育、伝達(IEC)への活動の継続などを行う地域援助の活動員を支え続けています。しかし、支援組織の人的・物的資源は、ルンダ・ノルテ州で難民の危機を人道支援対策を支える方向に延びていっています。
・それぞれの地域社会では、医療施設ベースでの調査活動と積極的な患者の探索が、カビンダ州に重点を置いて続けられています。迅速診断機器の導入により、コンゴ民主共和国から流入した患者の早期発見(の能力)が向上しました。国境なき医師団(MSF)は、ルアンダ・ノルテ州でのコレラのスクリーニング検査のための物資を支えています。
・現在、治療センターには、患者を診断し治療するために十分な必要物品があります。しかし、患者が増える可能性があるため、物品の予備量は厳密に管理しておかなければなりません。

発生状況への認識

 アンゴラでは、発生状況が感染制御下にあることが早くに示されていましたが、現在、カビンダ州とザイール州で活発なコレラの流行が発生しています。この感染の発生は、コンゴ民主共和国でのコレラ流行の長期化と周辺国への人口移動の不安定化を背景に発生しています。最も感染の発生している地域の住民は、限られた安全な飲料水の供給と上下水道などの衛生設備が不十分な環境で暮らしているコンゴ民主共和国からの移民です。

 しかし、ひとつの大きな懸念は、アンゴラとコンゴ民主共和国の両国が共有している、コンゴ川下流域に沿ってコレラの感染伝播への脅威が続いていることです。この地域で持続する感染へのリスクは、この国の他の地域にコレラのリスクを拡大させる可能性を増加させています。

 アンゴラとコンゴ民主共和国、両国でのコレラ流行を制御するためには、この国の政府、WHO、支援組織による高いレベルでの調整による協力が必要です。両国の国家担当当局は、国境を越えた調査活動、情報の共有、バランスの取れた介入の実施に対して、既存の体制を活性化させる必要があります。

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 30 June 2017
Weekly Bulletin on outbreaks and other emergencies. P.5. Week 26: 24 - 30 June 2017
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/255797/1/OEW26-243062017.pdf?ua=1