2017年08月01日更新 ジカウイルス感染症の発生状況について (更新7)

 2017年7月26日付けでPAHOより発表されたジカウイルス感染症(いわゆるジカ熱)の発生状況に関する報告です。

 ジカウイルス感染症の発生状況は以下のとおりです。

発生状況の概要

 2016年第44週以降、蚊の媒介によるジカウイルス感染症で新たに確認された国や地域はありません。これまでのところ、アメリカ大陸の48の国と地域で、蚊の媒介によるジカウイルス感染症への国内感染が確認されました。一方、性交渉によるジカウイルス感染症患者が5か国から報告されました。

北アメリカ
 アメリカ合衆国フロリダ州保健局には、フロリダ州どの地域からもジカウイルスの感染伝播が確認されておらず、2017年に入って現地で感染した患者も報告されていません。また、テキサス州では、2017年になって現地での伝播による患者は報告されていません。

 一方、メキシコでは、2016年第40週以降も、引き続き、確定患者が報告されていますが、減少の傾向がみられます。2017年第27週には、メキシコ州でジカウイルスの現地内での感染伝播が確認されました。

中央アメリカ(中米)
 2017年第15週から第25週にかけて、疑い患者と確定患者の数は週平均70人ほどで、中央アメリカで報告される患者の(発生)傾向に変化はなく、例外的に、第16週から第26週にかけて、コスタリカで疑い患者と確定患者の数の増加がみられました。

カリブ海諸国
 カリブ海にある国と地域では、2017年第15週から第25週にかけて、疑い患者と確定患者の数は週平均291人ほどで、散発的に患者の報告が続いています。プエルトリコでは、この8週間、報告される患者の数は減ってきています。

南アメリカ(南米)
 南米では、2017年第1週から第14週にかけて、疑い患者と確定患者の増加がみられました。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、エクアドル、ペルーで報告された患者の数が増加したことによるものです。2017年第15週から第25週にかけて、この地域の各地からは、疑い患者と確定患者の数は週平均863人ほどが報告されました。

 アルゼンチンでは、第1週から第16週にかけて、疑い患者と確定患者の増加がみられました。この増加傾向は、Formosa(フォルモサ)、Salta(サルタ)、Chaco(チャコ)の3州で感染が集団発生していることに関係しています。このうち後者の2州で最後に確認された患者の発症日は、それぞれ2017年第20週と第16週でした。

 ボリビアでは、2017年第1週以降、疑い患者と確定患者の増加傾向がみられ、2017年第10週にピークとなりました。同じ時期に、この国ではデング熱もみられました。2017年最初の28週間に確認されたジカウイルス感染症患者は、大部分がBeni(ベニ県59%、 348人)とSanta Cruz(サンタ・クルス県28%、169人)から(の報告)でした。

 ブラジルでは、2017年第1週から第6週にかけて、報告される患者数が僅かに増加していました。その後、報告される患者数は、この国で同じ時期にみられたチクングニア熱と同様に、第22週までに減少してきました。

 エクアドルでは、2017年第5週以降、第16週をピークとして、疑い患者と確定患者に増加の傾向がありました。2017年最初の27週間に確認された患者のうち、60%(770人)はGuayas(グアヤス県)から、16%(211人)はManabí,(マナビ県)からでした。

 ペルーでは、Loreto(ロレート県)で続いている流行により、2016年第39週から2017年第3週にかけて患者数の増加がみられました。2017年第10週以降、第14週をピークとして、Cajamarca(カハマルカ県)、Ica(イカ県)、La Libertad(ラ・リベルタ県)、Lima(リマ県)、Piura(ピウラ県)、Tumbes(トゥンベス県)でも感染発生が続いていました。これらの県では、2017年にチクングニア熱やデング熱(ピウラ県)の流行も報告されました。

ジカウイルス感染症に関連する先天性症候群

 2015年10月以降、アメリカ大陸の26の国と地域で、ジカウイルス感染症と関係することの確認された先天性症候群が報告されてきました。前回の疫学情報の更新以降は、ジカウイルス感染症に関連する先天症候群患者が初めて確認された国も地域もありません。この8週間(2017年第22週から29週まで)に、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、ホンジュラス、グアドループ、グアテマラ、フランス領ギアナ、マルティニーク、メキシコ、パナマ、プエルトリコ、サン・マルタンおよびアメリカ合衆国で、ジカウイルス感染症に関連する先天性症候群の患者数が更新されました。

ギラン・バレー症候群(GBS)およびその他の神経障害

 前回の疫学情報の更新以降、エクアドルと英領バージン諸島で初めてジカウイルス感染症と関連するギラン・バレー症候群もしくはその他の神経症候群が確認されました。

出典

PAHO/WHO. Epidemiological Alerts and Updates. 27 July 2017
Zika - Epidemiological Update
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_view&Itemid=270&gid=40945&lang=en