2017年08月14日更新 コレラの発生状況- ケニア(更新2)

 アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第31週(7月29日-8月4日)]が公表されました。ここでは、ケニアでのコレラの発生状況について取り上げます。

コレラの発生状況

 ケニアでは、この数週間、高まるコレラの感染伝播が報告され続けています。第30週(2017年7月30日までの週)には、8つのカウンティから、新たに疑い患者108人が報告されました。新たな患者の大半(76%)はナイロビ(59人)とKisumu(キスム)カウンティ(23人)からでした。2017年1月以降、死亡者25人(致死率)を含めて、合計で患者1,551人が報告されました。このうち、457人では診断が確定されました。患者の38%(593/1,551人)は、ナイロビ・カウンティから報告されました。ここでは、2つの感染源があり、11のサブ・カウンティ(Kamukunji、Langata、Dagoretti North、Embakasi East、Embakasi West、Starehe、Ruaraka、Kasarani、Makadara、Kibra、Westlands)での感染発生の引き金となりました。また、報告された患者の34%(532/1551人)はDadaab難民キャンプ(Hagadera、Dagahaley、IFO2)から報告されました。Fafiサブ・カウンティでは、先週、発生状況が大きく改善され、報告された患者は3人だけでした。キスム・カウンティでは、Kodiaga GK刑務所で、この2週間(7月19日-30日)に、患者48人が報告されました。

 コレラの流行中に、ケニアにある47カウンティのうち18カウンティで感染が発生しました。しかし、現在、感染伝播の危険が大きいのは8カウンティ(Garissa、Nairobi、Kajiado、Nakuru、Kisumu、Machakos、Siaya、Homabay)です。

公衆衛生上の取り組み

・多岐にわたるコレラ緊急対策会議が、毎日、流行への対策の調整を行っています。この会議には、保健省、ナイロビ・カウンティ行政組織、灌漑計画省、ナイロビ上下水道公社、観光省、に加えて、WHO、UNICEF、ケニア赤十字協会(KRCS)、米疾病対策予防センター(CDC)、Amref Health Africa(AMREF)、国境なき医師団(MSF)などの支援組織も加わっています。
・対応策と(今後の)国のコレラ対策計画の作成の事案を主導する管理主体、公衆衛生緊急運営センターが立ち上げられ、協力体制が強化されました。
・WHOは、(アフリカの角と呼ばれる地域でのエルニーニョ後の危機への対策のために)ナイロビに配置されていたスタッフと専門家を、この流行への感染制御を早急に支援できるように、再編成しています。
・WHOの支援を得て、感染が発生し、最悪の状況にある5つのカウンティでは、急性の水様性下痢症患者とその患者に関連する接触者の追跡への精力的な調査活動に対する強化が続けられています。
・内閣官房と保健省からのその他の関係当局は、Mukuru Kwa Reuben(感染発生地の1つ)の地域住民に対策に取り組みを始めました。WHO、UNICEF、ケニア赤十字協会、その他、支援組織が、この取り組みを支援しています。
・先週、すべての飲食店での検査、食品取り扱い業者への検査に対し、感染の発生した地域で(取り扱い)基準に達しない業者は閉鎖することの通知が発行されました。このような取り組みが、引き続き、カウンティおよび国の行政府によって実施され、監視活動が行われています。
・ナイロビでは、コレラ治療センター(CTC)が、Huruma Lions、Mukuru kwa Reuben(Reuben Centre)、Riruta Health Centre、Mama Lucy Kibaki病院、Mbagathi病院とMukuru Health Centre(Mukuru kwa Njenga)の6か所に開設されました。
・AMREF、UNICEF、WHOは、感染の発生した住民が速やかに治療センターで医療措置を得て、新たな感染症の発生を予防する衛生管理や水の取り扱い習慣の実践を促すことを目的として、保健省が感染リスクに対する情報の普及と社会活動への取り組みを強化することを支援しています。
・ナイロビ上下水道公社は、感染の発生している地域への給水を増やすとともに、水の処理薬品(塩素錠剤)を配布しています。

発生状況への認識

 2014年12月以降、ケニアでは連続的にコレラの大規模な流行を経験しており、累計で患者18,567人が報告されています(2015年に10,568人、2016年に6,448人、2017年に1,551人)。現在の流行では、患者が、ナイロビ市(人口の60%が本来は居住地でない地域に住んでいる)、キスム・カウンティの刑務所、Dadaab難民キャンプなど、人口が密集している地域で発生しています。

 このことは、ここでの環境が、根底には水道と衛生に対して粗末な環境基盤しかなく、家屋内でも過密な環境で生活しているために、コレラの感染が急速に拡大するに好都合であることに関係している。政府および支援組織は、この流行のさらなる拡大を適切に管理し、感染の発生した人々での病気の重症化や死亡を防ぐために、感染対策への取り組みを強化していく必要があります。重要なとりくみのいくつかには、手洗いと衛生環境の整備(WASH)への活動強化、対象者を定めた経口コレラワクチンの使用、感染が発生したすべての地域で速やかに治療環境の整備を促進し、機能的で積極的な監視体制を採ることなどがあります。

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 4 August 2017
Weekly Bulletin on outbreaks and other emergencies. P.5. Week 31: 29 July - 04 August 2017
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/258688/1/OEW31-2970482017.pdf