2017年09月11日更新 2020年までに狂犬病のない国を目指す-タイ

 2017年9月5日付けで公表されたWHOの情報によりますと、タイは「2020年までに狂犬病のない国を目指す」としており、この問題に取り組むタイ王女Chulabhorn Mahidol 教授をWHO事務局に迎えました。

記事の詳細

 WHOは、2017年8月28日に、WHO本部(ジュネーヴ)にタイ王女Chulabhorn Mahidol 教授を迎えました。王女は、タイで「2020年までに狂犬病のない国を目指す」ための取り組みの先頭に立って活動しています。それは、世界中で2030年までに狂犬病による死亡者をなくすために、より広い構想実現の途中にあります。
 狂犬病は、死に至る病気ですが、予防できる人畜共通の病気でもあります。この病気は、アフリカやアジアの貧しい遠隔の地に暮らす人々に発生します。病気は、感染した動物に咬まれたり、爪で搔かれたりすることによって伝播します。患者の約99%はイヌを原因としています。
 狂犬病による死を防ぐためには、"One health"アプローチ(動物、自然の調和など、さまざまな分野からの学際的かつ包括的に行うアプローチ)を必要とします。これには、イヌへのワクチン接種が、環境を整えやすく経済的にも実現可能であり、対策の鍵となります。そして、咬まれた人への(曝露後)予防投与も鍵となります。
 「狂犬病を撲滅するためには、(自ら)責任をもって行動する必要があることの教育を人々に行き渡らせ、知識を持たせなければなりません。」と、タイ王女Chulabhorn Mahidol 教授は述べています。彼女の王室高位委員会は、中央政府から村レベルまで、タイ全土にわたって、国民が狂犬病を防ぐことへの参加に関心をもつことを支援しています。

タイでは狂犬病患者は90%以上減りました

 タイでは、大規模な犬へのワクチン接種や救命処置による人への(曝露後)ワクチン接種の利用環境を向上させたことにより、1980年代に比べて90%以上も狂犬病患者数を減らすことができました。タイ・バンコクにあるチュラロンコン大学(Chulalongkorn University)内のWHO共同研究センター長T. Hemachudha博士は、「人の狂犬病(感染)を撲滅するという使命は2020年までに達成できる」と、この見通しについて考えています。

 この国では、費用や用量を節約できる人への皮内ワクチン投与法など、新しい狂犬病への戦略を作成し、実施しています。皮内ワクチン接種法は、有効かつ安全で、従来の筋肉内へのワクチン投与よりも60-80%価格を安くできることから、WHOは(狂犬病が)常在する他の環境下でも採用することを奨励しています。

 タイでは、(狂犬病対策が)目覚ましい進歩を遂げていますが、「最も重要な次のステップは、人への(曝露後)ワクチン接種を村落のレベルまで引き上げることです。これによって、何千人もの命を救うことができます。そして、すべての犬の70%に持続可能な方法でワクチンを接種する方法を見つけることです。」と、チュラロンコン大学H. Wilde博士は述べています。

「村落は、バンコクや各都市の(感染)対策室から遠く離れています。」「私たちには移動式の診療室が必要です。そうすれば、どこにでも移動し、できる限りの医療支援を人々に提供し、犬への(接種)サービスをできる限り適切に提供することができます。」と、タイ王女Chulabhorn Mahidol 教授は語りました。
 彼女の王室高位(委員会)の計画は、狂犬病を減らすために犬へのワクチン接種率を上げ、犬猫の匹数を管理することを目指しています。

出典

WHO. Stories from countries. 5 September 2017
Towards a rabies-free Thailand by 2020
http://www.who.int/features/2017/rabies-free-thailand/en/