2017年09月27日更新 コレラの発生状況- ナイジェリア(更新)

 アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第38週(9月16日-22日)]が公表されました。ここでは、ナイジェリアでのコレラの発生状況について取り上げます。この流行は、WHOアフリカ地域事務局(AFRO)からは、危険度が最高位のGrade 3と位置づけられています。

コレラの発生状況

 ナイジェリアではコレラの流行が続いており、ナイジェリア北東部Borno(ボルノ)州では、発生状況の不安定さが増しています。第37週(2017年9月17日まで)には、5州(Borno、Kano、Kebbi、Oyo、Zamfaraの各州)から、新たにコレラ疑い患者651人が報告されました。2017年5月1週目に流行が始まって以降9月18日までに、死亡者149人(致死率2.1%)を含めて、患者7,052人が、8州(Borno、Kaduna、Kano、Kebbi、kwara、Lagos、Oyo、Zamfaraの各州)から報告されました。原因菌として、Zamfara州とLagos州で分離された細菌の血清型から、コレラ菌O1小川型(Vibrio cholerae O1 Ogawa)が確認されました。

 ボルノ州では、8月20日に、Jere地域行政地区(LGA)のMuna corrido国内避難民キャンプで、コレラの流行が始まりました。9月22日までに、死亡者53人(致死率1.5%)を含め、患者3,498人が5つの地域行政地区(LGA)から報告されました。報告のあったのは、Dikwa、Jere、Konduga、Maidiguri、Mongunoの地域行政地区(LGA)からです。Jere地域行政地区(LGA)が最悪の状況で、患者の発生が1,759人に上り、次いでMonguno で1,099人、Dikwa で640人となっています。検体が採取された131人の糞便のうち、82%(107人)がコレラ菌に対する迅速検査に陽性、74%(97人)が細菌培養に陽性でした。

公衆衛生上の取り組み

・この流行への対策に取り組むために、公衆衛生・緊急支援センター(PHEOC)が立ち上げられました。
・感染の発生した地域では、勢力的に調査活動が行われ、感染発生の激しい地域や感染リスクのある地域での患者の捜索が行われています。緊急事態の報告のために、中央との直接連絡回線が緊急支援センターに設置されました。
・感染の発生した州では、患者の管理が感染を確認した治療/隔離の施設で行われています。ボルノ州では、コレラ治療センター(CTC)5か所と経口補水液の提供所(ORP)12か所が置かれ、(これらは)十分に機能しています。
・飲み水と上下水道の衛生管理(WASH)部門は、特にボルノ州でのWASH活動として、衛生環境向上への情報提供、衛生キットの配布、その他にも飲み水や衛生環境の整備など、5,504を超える世帯への直接指導の強化を図っています。合計1,136か所(Munaで636か所、Mongunoで411か所、Dikwaで89か所)のトイレが消毒され清掃されました。
・2017年9月18日に、ボルノ州5行政地区で、5日間、915,005人を対象とした経口コレラ・ワクチン(OCV)キャンペーンが開始されました。5日目(2017年9月22日)までに、行政上の接種率96%にあたる住民844,305人がワクチン接種を受けました。接種率の低い地域では、掃討活動が行われています。
・感染の発生している州では、リスクの情報伝達が強化されています。コレラ予防への呼びかけが、地元のラジオ局から地元の言語で放送されています。衛生普及への活動が、ラジオ、地域活動グループ、ポスターなどを通じ、(避難民)キャンプや学校で行われています。
・感染の発生している州では、健康教育と地域での注意を喚起する取り組みが行われています。

発生状況への認識

 ナイジェリアでのコレラ流行が、特にボルノ州で懸念されています。ボルノ州では、現在、550万人以上の国内避難民(IDP)と受け入れ地域住民が暮らしており、社会サービスが制限される過密状態となっています。(ここでは)飲み水の供給、適切な衛生環境の整備、安全衛生習慣の実践が不十分になっています。また、近年の洪水は、感染の発生地域への交通の便を妨げており、(感染の制御が)不安定になっています。(また)このところの雨期は、コレラを含め、飲み水や衛生環境に関係する病気へのリスクを高めました。現状の食糧の(供給)不安定と栄養失調は、栄養の不足する人々に対する劣悪な環境からの影響を悪化させています。衛生環境の改善指導者、ポスター、ラジオ放送、また掲示板などを通じて、さまざまな支援組織による感染リスクへの情報を伝える取り組みが続けられていますが、地域社会における行動変容は(流行を止めることに)必要なレベルにはなく、野外への排便習慣が広く続けられています。経口コレラ・ワクチンの接種キャンペーンの接種率を高め、直接指導が続けられれば、ボルノ州での流行はすぐに終息させられると予想されています。

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 22 September 2017
Weekly Bulletin on outbreaks and other emergencies. P.3. Week 38: 16 - 22 September 2017
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/258984/1/OWE38-162292017.pdf