2017年10月17日更新 子どもたちの健康と発育を願う蠕虫駆除ガイドライン-WHO

 世界保健機関(WHO)は子どもたちの健康と栄養状態を向上させるために大規模な蠕虫の駆除を進め、新たにガイドラインを発行しました。

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 1錠の錠剤で治療する定期的な蠕虫駆除プログラムですが、これは、腸内に蠕虫が寄生した人々の苦痛を大幅に軽減し、現在も感染リスクに曝されている約15億人を保護することができます。

 (土壌伝播蠕虫感染症としても知られる)腸の蠕虫には主に4種類があり、そのほとんどが世界の最貧国やほとんど存在が軽視された環境に暮らす世界(人口)の1/4の人々で発生しています。蠕虫は人々の栄養を吸収する能力を破壊し、数百万もの子どもの成長と身体の発達を妨げることから、これらの感染は公衆衛生上の大きな問題にもなっています。

 WHOは、腸の蠕虫に対して大規模な治療を勧めてきました。そして、この度、初めて、WHOのガイドライン審査委員会によって承認されたガイドラインが出されました。(このガイドラインは)重い感染のある子どもたちに健康と栄養の吸収の向上をもたらすものと確信させます。

 「現在、腸の蠕虫がもたらす病苦を減らす最善の方法が、大規模かつ定期的に蠕虫を駆除することであることには、世界的な科学的根拠に基づくコンセンサス(同意形成)があります。」

 「この新しいガイドラインは、腸の蠕虫が常在する各国が、感染した人と感染のリスクのある人の治療の両方に、支援組織の助けを借りながら、(これらを)感染制御するプログラムを加速させるために発行されました。」と、WHO顧みられない熱帯病対策の担当部長Dirk Engels博士は述べています。

 製薬会社から寄付された医薬品を使用して、WHOは大規模な蠕虫駆除プログラムを進めています。 WHOは、各国が求めるこれらの医薬品の出荷調整を行っています。その後は、大規模な治療キャンペーンの中で、その国の病気に対する感染制御プログラムにしたがって、各国により(薬が)自由に配布されます。

 WHO保健・栄養学の担当部長Francesco Branca博士は、次のように述べています。「リスクに曝されている人々に医薬品を支給することで、腸管への蠕虫の感染の強さを抑えることができます。」

 しかしながら、蠕虫の駆除だけで解決はできません。

 「基本的な衛生環境の整備や健康教育の改善、安全な飲み水の利用環境の整備が、腸の蠕虫がもたらす健康と栄養の問題を解決するための鍵でもあります」とも、WHO保健・栄養学の担当部長Francesco Branca博士は述べています。

 2015年では、安全な衛生環境を利用できるのは世界人口のわずか39%、安全な水を利用できるのは71%に過ぎません。

 学童期の子どもたちに腸の蠕虫を治療するには、「蠕虫駆除の日」を学校で設けます。教師がこの計画の監督をすることで、医療従事者を(学校からは)解放して他の求めに集中できるようにしてあげます。

 多くの国では、蠕虫の駆除が、就学前の子どもたちへのワクチン接種や、児童の健康(診断)、ビタミン補給の日など、他の(目的の)健康キャンペーンと一緒に組み合わされています。

 「WHOは、罹患率の高い地域に暮らす約8億7,300万人とされる子どものうち、少なくとも75%に定期的に治療することで、2020年までに子たちから蠕虫の感染による害を撲滅することを目指しています。2016年には、WHO加盟国は治療が必要とされる子どもたちの63%への治療を行いました。いまでは、世界では、リスクとともに暮らす人々に蠕虫を駆除するための基本的な合意が形成されています。そのため、私たちは、目標を達成するためにかなり良い位置にいます。」と、世界規模での蠕虫駆除プログラムを担当するWHO責任者Antonio Montresor博士は述べています。

WHOガイドライン:リスクのある人々を土壌感染蠕虫感染症から予防するための予防的化学療法 
WHO Guideline: Preventive chemotherapy to control soil-transmitted helminth infections in at-risk population groups

出典

WHO. News release, Media centre. 29 September 2017
WHO recommends large-scale deworming to improve children's health and nutrition
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2017/large-scale-deworming/en/