2017年11月22日更新 結核を終結させるための世界への新たな公約- WHO

2017年11月17日付けで、WHO事務局長や各国の閣僚や各種代表者を交えて、結核を終結させるため世界会議が開催されたことが報告されました

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今日、(各国)閣僚ら75人が、2030年までに結核(TB)を終結させることに早急に取り組むことで合意しました。この発表は、持続可能な発展を(目指す)時代における結核の終結についての第1回・世界閣僚級会議で行われました。この会議には、さまざまな領域での対策に取り組む114か国からの代表者をモスクワに集めて、行われました。ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、この会議を、国連副事務総長Amina J Mohammed氏、WHO事務局長Tedros Adhanom Ghebreyesus氏とともに、開催しました。

「現在は結核を終結させるための岐路にいます。」「この古代からの殺人者によって起こされてきた死と苦悩を終わらせるには、長きにわたり世界の公約を示す機が熟し(過ぎ)て来ています。」とTedros博士(WHO事務局長)は述べています。

結核を終結させるためのモスクワ宣言は、多岐にわたる領域での取り組みを高め、進展への道を進むとともに、責任ある説明を築いていくための公約です。また、2018年第1回国連総会ハイレベル会議でも、各国首脳からの更なる公約を求めていくことになります。

結核との戦いへの世界的な取り組みは、2000年以降、推定5300万人の生命を救い、結核による死亡率を37%低下させました。しかし、(今日)進展が多くの国で止まっており、世界的な目標は外され、結核の医療と予防の中には燻り続けるギャップが残っています。

その結果、結核は、他のどの感染症よりも多くの人々の生命を奪っています。抗菌剤への耐性には重大な問題が横たわり、(結核は)HIV感染者では筆頭格の殺人者となっています。

加えて、「大きな問題の1つは、結核との戦いに対する政治家の意思の欠如と不十分な投資にあります。」「今回の宣言は、投資の増加に繋げていかなければなりません。」ともTedros博士(WHO事務局長)は述べました。

会議には、各国の閣僚や、市民団体、国際組織、科学者、研究者などの代表者が出席しました。2日間の会議に1000人以上の参加者が出席し、活動に取り組むための会議全体での公約をもたらしました。ここには4つの標榜が掲げられています。
1.保健医療体制を強化し、確実に誰も手遅れになることがないように、人を中心に置いた結核の予防と医療支援の利用環境を向上させることで、Universal Health Coverage(すべての人およびすべての地域社会が、財政の困難に遭うことなく必要な医療保険サービスを受けられること)を実現させます。
2.医療の現場と調査・研究とのギャップを埋めるために、国内外の投資を増やし、十分かつ持続可能な資金調達を推進させます。
3.結核の診断、治療、予防のための新たな機器の研究と開発を進めていきます。
4.多岐の領域にわたる取り組みで、結核の終結の経過を追い、繰り返し検討していくための枠組みによって、責任ある説明を築いていきます。

また(各国)閣僚らは、薬剤への耐性のリスクと拡がりを最小限に抑え、結核が発生したり、そのリスクに曝されたりしている人々と地域社会との関わりを深めていくことを約束しました。

出典

WHO.News release. 17November2017
New global commitment to end tuberculosis
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2017/commitment-end-tuberculosis/en/