2018年02月16日更新 結核の一掃への取り組み-パプアニューギニア

 結核は、日本でも多くみられる感染症です。また、最近は、従来の抗結核薬が効かない多剤耐性結核の割合が増えており、世界中で公衆衛生上の懸念が増してきています。そんな中で、結核の発生率が世界で10番目に高いパプアニューギニアで結核の一掃への取り組みが始められました。

記事の概要

 パプアニューギニア西部州Daru(ダル)島で、10歳以上のすべての人を対象に致死的な病気である結核を確認するために、制度としてのスクリーニング検査を開始しました。

 パプアニューギニア(PNG)は、結核の発生率が世界で10番目に高く、西太平洋地域で最も高くなっています。(また)多剤耐性結核(MDR-TB)の割合が急速に上昇しています。2016年現在、新規のMDR-TB患者が2,000人います。保健当局は、MDR-TBへの対策が講じられなければ、10年の間でPNGが主要な細菌株となると予測し、懸念しています。世界的に、MDR-TB患者の治療成功率は50%未満であり、治療費は一般の結核患者の治療費の100倍以上になります。

 ダルの街は、パプアニューギニアでも結核(発生率)とMDR-TBの脅威が最も高い地域の1つです。この島は、2014年にMDR-TBの「ホットスポット(感染の盛んな地域)」と宣言されました。この地域では、患者10人のうち1人は多剤に耐性です。ダルの街では、結核患者が、毎年、約500人確認されています。これは(この島の)住民17,000人のうちの3%に相当します。現在、保健当局は、この地域で、極度に薬剤に耐性のある結核(XDR-TB:超多剤耐性結核)の患者が診断されていることを懸念しています。

 制度として住民をスクリーニング検査することにより、保健医療の担当者は、結核の標準治療の有効性を脅かす薬剤耐性細菌株を含む、あらゆるタイプの結核をスクリーニング検査します。

 この国の保健局は、2015年に設立された緊急対策チームを率いて、関係者の取り組みを主導しています。WHOは、結核のスクリーニング検査への先駆的な取り組みに対し、チームの取り組みを共同議長および事務局を置いて支えています。

 スクリーニング検査サービスをより自宅の近くで行うために、先週、保健局はデジタルX線とコンピュータ支援の診断技術を備えた新しい結核ワゴン車を出発させました。結核ワゴン車の側には、ラグビー・スターAse Boas氏が「PNGから結核を蹴りだそう!」と、スローガンに向かってボールを蹴る姿が描かれています。

 この出発の式典には、WHO、世界銀行、オーストラリア外務省および貿易省など、数多くの開発支援者が参加しました。

出典

WPRO. Papua New Guinea, Media Centre. 13 February, 2018
Let's Kick TB out of PNG:Systematic screening for tuberculosis launches in Papua New Guinea
http://www.wpro.who.int/papuanewguinea/mediacentre/releases/20180213-kick-tb-out-png/en/