2018年02月20日更新 ヨーロッパで麻しん患者が昨年比400%に増加

 WHOヨーロッパ地域事務局から2018年2月19日に公表された記事によりますと、ヨーロッパでは2016年に比べて2017年の麻しんの発生件数が400%に増加しています。麻しんは感染力が強いため、旅行中の感染への注意が必要です。

2017年の麻しん患者が前年比で400%に増加

 麻しんがWHOヨーロッパ事務局が管轄する地域で再び増加しています。2017年に麻しんを発症した患者は21,315人、死亡者は35人でした。一方、2016年の患者は5,273人で低い記録でした。WHOヨーロッパ事務局は、2月20日にモンテネグロで開かれる予防接種についての保健省閣僚級会議に先立ち、2017年の新しいデータを公表しました。

 「ヨーロッパで、新たに麻しんに感染したすべての人が、どこに住んでいても、予防接種を受けていなければ子どもも大人も、この病気に罹るリスクがあり、麻しんワクチンを接種することができなかった他の人にこの病気を拡げるリスクがあるということを私たちの心に留めさせています。2017年だけで、20,000人を超える麻しん患者が発生し、35人がいのちを落としました。これは、私たちにとって受け入れがたい悲劇です。」と、WHOヨーロッパ事務局長Zsuzsanna Jakab博士は語っています。

 「麻しんと風しんの排除は、ヨーロッパのすべての国々が確りと取り組むべき優先課題であり、健康問題に関連して持続可能な開発目標を達成させるための土台となっています」「この短期間での後退は、私たちの子どもたちを最終的に麻しんと風しんから解放した世代とすることへの社会的責任を妨げるものではありません。」ともJakab博士は続けています。

ヨーロッパの4つに1つの国で大規模な麻しんの流行が発生しています

 2017年の麻しん患者の急増には、この地域53か国のうち15か国で大規模に(患者100人以上)に流行したことがありました。感染者が最も多く報告されたのは、ルーマニア(5,562人)、イタリア(5,006人)、ウクライナ(4,767人)でした。これらの国々では、全体的な定期予防接種の接種率の低下、接種を重要視しない一部の集団での恒常的な接種率の低さ、ワクチン供給の中断、十分に機能していない疾病調査システムなど、近年、さまざまな課題がありました。

 ギリシャ(967人)、ドイツ(927人)、セルビア(702人)、タジキスタン(649人)、フランス(520人)、ロシア(408人)、ベルギー(369人)、英国(282人)、ブルガリア(167人)、スペイン(152人)、チェコ(146人)、スイス(105人)でも、大規模な流行がありました。しかし、それらの多くは2017年末までに治まってきました。

 現在の流行を阻止し、新たな患者発生を予防する取り組みは、いろいろな方面で行われています。ここには、公衆衛生への意識向上、医療従事者やその他にも特にリスクのある大人への予防接種、利用環境における課題への取り組み、計画的な(ワクチンの)供給と物流(環境)の改善などがあります。

患者が増えていても進展は続いています

 2012年に導入された各国での麻しんおよび風しんの排除プロセスの検証は、この地域で麻しんおよび風しんを排除する目標に近づけました。毎年、独立した地域検証委員会(RVC)が、各国のデータと予防接種活動を見直し、各国が直面する特異的な課題を解決するための活動を押し勧めています。2016年末までに、この地域の53か国のうち42か国では麻しんの国内での常在を遮断してきました。しかし、感染しやすい子どもも大人も保護されるまでは、感染の発生は起こり続けます。

 2018年2月20日には、11か国の保健省大臣が集まり、麻しんおよび風しんの排除など、欧州ワクチン行動計画(EVAP)で定めた2020年までの目標を達成するために協議することになっています。2018年9月には、地域全体のEVAP進捗状況の中間報告書が、WHOヨーロッパ地域委員会第68回会議で発表される予定です。

外務省・海外安全情報:海外における麻しん(はしか)・風しんに関する注意喚起

 麻しんと風しんへの注意の呼びかけが、外務省からも出されています。
・アジア・アフリカ・ヨーロッパ諸国などでは、麻しん・風しんの感染例が多く報告されています。
・海外では麻しん・風しんに感染するリスクがあることを認識し、麻しん・風しんの予防接種を2回受けていない方は、受けることを検討してください。
・国内では、輸入例を発端とした集団感染も発生しています。

http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2018C028.html

出典

EURO/WHO. Press release, Media centre. 19 February 2018
Europe observes a 400% increase in measles cases in 2017 compared to previous year
http://www.euro.who.int/en/media-centre/sections/press-releases/2018/europe-observes-a-400-increase-in-measles-cases-in-2017-compared-to-previous-year