2018年03月16日更新 リステリア症の発生状況- 南アフリカ共和国

 アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第10週(3月3日-9日)]が公表されました。ここでは、南アフリカ共和国でのリステリア症の発生状況について取り上げます。

リステリア症の発生状況

 南アフリカ共和国では、リステリア症の発生が続いていますが、この新たな進展として、発生源が特定されました。2017年1月1日以降、2018年3月8日までに、国立感染症研究所(NICD)に報告された検査による確定診断患者は967人となりました。このうち2017年に749人、2018年に218人が報告されました。これまでに入手できている結果のデータでは、183人が死亡し、死亡率は27.4%となっています。(このうち)Gauteng (ハウテン)州で59.1%(572/967)、Western Cape(西ケープ)州で11.9%(115/967)、KwaZulu-Natal(クワズール・ナタール)州で7.0%(68/967)が報告されています。

 NICDチームから情報の聴取を受けた感染者の大多数(85.3%;93/109人)からは、食肉加工された製品、最も多いのがボローニャ・ソーセージ、次いでウィンナーやソーセージ、その他の冷製の肉類を食べたことが報告されました。
 2018年1月12日に、同じ託児所にいた5歳未満の子ども9人が、発熱性胃腸炎を示し、ヨハネスブルグにあるChris Hani Baragwanath病院に来ました。食品由来の中毒性の病気が疑われ、原因としてリステリア症が考えられました。環境保健の従事者(EHP)は、この託児所を訪れ、関連をもたない2種類のボローニャ・ソーセージ(Enterprise社と Rainbow Chicken Limited (RCL)社の製品)から試料を採取しました。(そして)病気の子ども1人の便からと、両方のボローニャ・ソーセージ試料から、リステリア菌(Listeria monocytogenes)が分離されました。NICDセンターでの腸内感染症に対する全ゲノム配列の解析と遺伝子解析により、2018年1月27日に、3つの分離株すべてで遺伝子配列ST6が確認されました。Enterprise社の工場から採取した環境試料の全ゲノム配列を解析した結果、集団感染の原因は、Limpopo(リンポポ)州PolokwaneにあるEnterprise社の食品生産施設が感染源であることが示されました。

公衆衛生上の取り組み

・政府の消費者委員会は、直ちにEnterprise社の国内外の流通ネットワークからの(製品の)回収を要請し、国家保健法の遵守を通知しました。
・保健省大臣は、2018年3月4日に、集団感染の原因を発表するための記者会見を行いました。
・(RCL社と Enterprise社の)加工工場や製造工場での輸出登録は、それぞれに一時的に中断されました。
・現在、RCL Wolwehoek社の製品工場への調査が行われています。
・一般市民には食品として販売されている全ての加工肉製品を食べないように勧告する(感染)リスクについての伝達情報が行われ、大手の食品流通からはいわゆる即席加工食品が回収されました。

発生状況への認識

 この感染の集団発生における原因の特定は、この事例の管理において重要な要素(要石)です。強力な(感染)リスクに対する情報の周知と細菌汚染の可能性のある食品に関する情報の周知が必要なだけでなく、これらの製品を食べた場合に為すべきことについての国民への情報提供も必要とされます。この病気は、現在ではよく知られています。強力な監視体制には、早くからの報告、患者の調査、そして発見が必要とされます。公衆衛生当局による食品の安全と検査体制が強化されることが必要です

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 9 March 2018
Weekly Bulletin on outbreaks and other emergencies. P.2. Week 10: 3 - 9 March 2018
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/260468/3/OEW10-39032018.pdf