感冒薬 Drugs for Flu
市販の感冒薬は、鎮痛解熱剤、鼻炎薬、気管支炎薬などをブレンドしたものです。
調査結果
地域 | 商品名 | メーカー | 鎮痛解熱剤 | 鼻炎薬 | 気管支炎薬 | その他 |
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日本 | パブロンS錠 | 大正 | アセトアミノフェン 900mg | マレイン酸アルビノキサミン 7.5mg、塩化リゾチーム 60mg | dl-塩酸メチルエフェドリン 60mg、リン酸ジヒドロコデイン 24mg、塩酸ブロムヘキシン | ビスイブチアミン 24mg、リボフラビン 12mg、無水カフェイン 75mg |
日本 | ベンザエース | 武田 | アセトアミノフェン 900mg | マレイン酸クロルフェニラミン 7.5mg、セラペプダーゼ 15mg | dl-塩酸メチルエフェドリン 60mg、塩酸クロペラスチン 48mg | 無水カフェイン 75mg |
日本 | エスタック糖衣錠 | エスエス | アセトアミノフェン 660mg、サリチルアミド 800mg | マレイン酸クロルフェニラミン 7.5mg | dl-塩酸メチルエフェドリン 30mg、リン酸ジヒドロコデイン 15mg | 無水カフェイン 150mg、桂皮 300mg、カンゾウ 300mg、生きょう 150mg |
日本 | 新ルルA錠 | 三共 | アセトアミノフェン 900mg | 塩化リゾチーム 60mg | dl-塩酸メチルエフェドリン 60mg、リン酸ジヒドロコデイン 24mg | ビ無水カフェイン 75mg |
北米・中米 | CONTAC X | SmithKlein Beecham | マレイン酸クロルフェニラミン 8mg×3、塩酸フェニルプロパノールアミン 50mg×3 | |||
北米・中米 | CO-TYLENOL | Cilag | アセトアミノフェン 500mg×3 | マレイン酸クロルフェニラミン 2mg×3 | 塩酸プセウドエフェドリン 30mg×3、臭化水素酸デキストロメトルファン 15mg×3 | |
北米・中米 | TYLENOL-COLD | McNeil Consumer | アセトアミノフェン 325mg×3 | マレイン酸クロルフェニラミン 2mg×3 | 塩酸プセウドエフェドリン 30mg×3、臭化水素酸デキストロメトルファン 15mg×3 | |
北米・中米 | ADVILL COLD AND SINUS | Whitehall | イブプロフェン 200mg×3 | 塩酸プセウドエフェドリン 30mg×3 | ||
インド | SARIDON | Piramal Healthcare Limited | アセトアミノフェン 250mg×3、イソプロピルアンチピリン 150mg×3 | 無水カフェイン 50mg×3 | ||
オマーン・UAE | CONTAC 12 | SK&F | 塩酸フェニルプロパノールアミン 50mg×3 | |||
オマーン・UAE | CONTAC 650 | SK&F | 塩酸フェニルプロパノールアミン 50mg×3、塩酸ジフェンヒドラミン 5mg×3 | |||
オマーン・UAE | CORCIDIN | Schring Plou | アセトアミノフェン 500mg×3 | 塩酸フェニルプロパノールアミン 12.5mg×3、マレイン酸クロルフェニラミン 2mg×3 | ||
オマーン・UAE | RHINOTUSSAL | Heinrich Mack | 塩酸マレイン酸カルビノキサミン 4mg×3、塩酸フェニレフリン 2mg×3 | 臭化水素酸デキストロメトルファン 20mg×3 | ||
インドネシア | BENADRYL DMP | Parke-Davis | 塩酸ジフェンヒドラミン 15mg、塩酸フェニレフリン 5mg | 臭化水素酸デキストロメトルファン 7.5mg | ||
インドネシア | REFAGAN | Bayer | アセトアミノフェン 200mg×3、サリチルアミド 200mg×3 | |||
シンガポール | PANADOL COLD&FLU | Sterling | アセトアミノフェン 500mg×3 | プソイドエフェドリン 30mg×3、臭化水素酸デキストロメトルファン 15mg×3 | ||
フィリピン | DECOLGEN | United | アセトアミノフェン 300mg×3 | マレイン酸クロルフェニラミン 1mg×3、塩酸フェニルプロパノールアミン 12.5mg×3 | ||
パキスタン | COFCOL | Abbott | アセトアミノフェン 2,600mg | マレイン酸クロルフェニラミン 8mg、フェニルプロパノールアミン 100mg | 臭化水素酸デキストロメトルファン 80mg | リボフラビン 400mg |
パキスタン | DAY NURSE | Beecham | アセトアミノフェン 4,000mg | フェニルプロパノールアミン 100mg | 臭化水素酸デキストロメトルファン 60mg | Isopropamide 5mg |
パキスタン | CONTAC 650 | Smith Klein French | 塩酸ジフェンヒドラミン 10mg | |||
マレーシア | DECOLGEN | Westmont | アセトアミノフェン 2,400mg | マレイン酸クロルフェニラミン 8mg、フェニルプロパノールアミン 10mg |
- 鎮痛解熱剤
- 風邪薬の主成分としてはアセトアミノフェンが一般的なようですが、その分量に注目下さい。日本の市販薬としては一日最大900mg、医師が処方する場合でも900~1,500mgです。ところが海外で市販されている風邪薬には1錠あたり500mg程度含まれています。添付所の指示通りに内服すると日本人の適量を超えると思われます。
- 鼻炎の治療薬
- 日本で医師が処方する量は、マレイン酸クロルフェニラミン1回2~6mgで1日2~4回、塩酸ジフェンヒドラミン1回30~50mgで1日2~3回、塩酸フェニルプロパノールアミン1回50mgで1日2回です。 これらの多くは、副作用の眠気をおこす成分でもあります。
- 気管支炎の治療薬
- 気管支拡張剤として塩酸メチルエフェドリン(日本の医師の処方は1回25~50mg、1日3回)、鎮咳薬としてデキストロメトルファン(日本の医師の処方は1回15~30mg、1日1~4回)を含む薬剤がいくつかあります。
総合感冒薬の利用について
原則として海外で販売されている総合感冒薬の利用はお勧めしません。
- 一部、有功成分が多すぎる薬が販売されている。総合感冒薬は複数の有功成分を含むため、各薬剤の用量まで把握して適量を判断することは困難である。
- 重病が初期には一見かぜのように思えることがある。漫然と薬剤を使用していると病状が悪化するおそれがある。また強い薬剤の影響で、病状が変化して、医師が診断を誤る可能性もある。
日本から携帯した薬を使うか、医師に相談されるようお勧めします。 現地薬を使用する以外ない状況では、鎮痛解熱剤など単剤を使用される方が安全かと思います。
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