JOHAC 海外勤務健康センター 研究情報部



JOHAC(海外勤務健康管理センター)は独立行政法人労働者健康福祉機構の中で、海外勤務者の健康管理に貢献してきた組織です。 JOHACは平成22年3月に閉鎖されましたが、 FORTHでは旧JOHACホームページ情報の一部を転載しています。 JOHAC関連情報のご利用にあたっては、閉鎖以降の情報更新はなく、今後も更新される予定はないことをご了承ください。このため、情報内容が現状と異なっている可能性がございますので、ご利用にあたっては他の方法でのご確認もお願いいたします。
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感冒薬 Drugs for Flu

市販の感冒薬は、鎮痛解熱剤、鼻炎薬、気管支炎薬などをブレンドしたものです。

調査結果

地域商品名メーカー鎮痛解熱剤鼻炎薬気管支炎薬その他
日本パブロンS錠大正アセトアミノフェン 900mgマレイン酸アルビノキサミン 7.5mg、塩化リゾチーム 60mgdl-塩酸メチルエフェドリン 60mg、リン酸ジヒドロコデイン 24mg、塩酸ブロムヘキシンビスイブチアミン 24mg、リボフラビン 12mg、無水カフェイン 75mg
日本ベンザエース武田アセトアミノフェン 900mgマレイン酸クロルフェニラミン 7.5mg、セラペプダーゼ 15mgdl-塩酸メチルエフェドリン 60mg、塩酸クロペラスチン 48mg無水カフェイン 75mg
日本エスタック糖衣錠エスエスアセトアミノフェン 660mg、サリチルアミド 800mgマレイン酸クロルフェニラミン 7.5mgdl-塩酸メチルエフェドリン 30mg、リン酸ジヒドロコデイン 15mg無水カフェイン 150mg、桂皮 300mg、カンゾウ 300mg、生きょう 150mg
日本新ルルA錠三共アセトアミノフェン 900mg塩化リゾチーム 60mgdl-塩酸メチルエフェドリン 60mg、リン酸ジヒドロコデイン 24mgビ無水カフェイン 75mg
北米・中米CONTAC XSmithKlein Beechamマレイン酸クロルフェニラミン 8mg×3、塩酸フェニルプロパノールアミン 50mg×3
北米・中米CO-TYLENOLCilagアセトアミノフェン 500mg×3マレイン酸クロルフェニラミン 2mg×3塩酸プセウドエフェドリン 30mg×3、臭化水素酸デキストロメトルファン 15mg×3
北米・中米TYLENOL-COLDMcNeil Consumerアセトアミノフェン 325mg×3マレイン酸クロルフェニラミン 2mg×3塩酸プセウドエフェドリン 30mg×3、臭化水素酸デキストロメトルファン 15mg×3
北米・中米ADVILL COLD AND SINUSWhitehallイブプロフェン 200mg×3塩酸プセウドエフェドリン 30mg×3
インドSARIDONPiramal Healthcare Limitedアセトアミノフェン 250mg×3、イソプロピルアンチピリン 150mg×3無水カフェイン 50mg×3
オマーン・UAECONTAC 12SK&F塩酸フェニルプロパノールアミン 50mg×3
オマーン・UAECONTAC 650SK&F塩酸フェニルプロパノールアミン 50mg×3、塩酸ジフェンヒドラミン 5mg×3
オマーン・UAECORCIDINSchring Plouアセトアミノフェン 500mg×3塩酸フェニルプロパノールアミン 12.5mg×3、マレイン酸クロルフェニラミン 2mg×3
オマーン・UAERHINOTUSSALHeinrich Mack塩酸マレイン酸カルビノキサミン 4mg×3、塩酸フェニレフリン 2mg×3臭化水素酸デキストロメトルファン 20mg×3
インドネシアBENADRYL DMPParke-Davis塩酸ジフェンヒドラミン 15mg、塩酸フェニレフリン 5mg臭化水素酸デキストロメトルファン 7.5mg
インドネシアREFAGANBayerアセトアミノフェン 200mg×3、サリチルアミド 200mg×3
シンガポールPANADOL COLD&FLUSterlingアセトアミノフェン 500mg×3プソイドエフェドリン 30mg×3、臭化水素酸デキストロメトルファン 15mg×3
フィリピンDECOLGENUnitedアセトアミノフェン 300mg×3マレイン酸クロルフェニラミン 1mg×3、塩酸フェニルプロパノールアミン 12.5mg×3
パキスタンCOFCOLAbbottアセトアミノフェン 2,600mgマレイン酸クロルフェニラミン 8mg、フェニルプロパノールアミン 100mg臭化水素酸デキストロメトルファン 80mgリボフラビン 400mg
パキスタンDAY NURSEBeechamアセトアミノフェン 4,000mgフェニルプロパノールアミン 100mg臭化水素酸デキストロメトルファン 60mgIsopropamide 5mg
パキスタンCONTAC 650Smith Klein French塩酸ジフェンヒドラミン 10mg
マレーシアDECOLGENWestmontアセトアミノフェン 2,400mgマレイン酸クロルフェニラミン 8mg、フェニルプロパノールアミン 10mg
鎮痛解熱剤
風邪薬の主成分としてはアセトアミノフェンが一般的なようですが、その分量に注目下さい。日本の市販薬としては一日最大900mg、医師が処方する場合でも900~1,500mgです。ところが海外で市販されている風邪薬には1錠あたり500mg程度含まれています。添付所の指示通りに内服すると日本人の適量を超えると思われます。
鼻炎の治療薬
日本で医師が処方する量は、マレイン酸クロルフェニラミン1回2~6mgで1日2~4回、塩酸ジフェンヒドラミン1回30~50mgで1日2~3回、塩酸フェニルプロパノールアミン1回50mgで1日2回です。 これらの多くは、副作用の眠気をおこす成分でもあります。
気管支炎の治療薬
気管支拡張剤として塩酸メチルエフェドリン(日本の医師の処方は1回25~50mg、1日3回)、鎮咳薬としてデキストロメトルファン(日本の医師の処方は1回15~30mg、1日1~4回)を含む薬剤がいくつかあります。

総合感冒薬の利用について

原則として海外で販売されている総合感冒薬の利用はお勧めしません。

  1. 一部、有功成分が多すぎる薬が販売されている。総合感冒薬は複数の有功成分を含むため、各薬剤の用量まで把握して適量を判断することは困難である。
  2. 重病が初期には一見かぜのように思えることがある。漫然と薬剤を使用していると病状が悪化するおそれがある。また強い薬剤の影響で、病状が変化して、医師が診断を誤る可能性もある。

日本から携帯した薬を使うか、医師に相談されるようお勧めします。 現地薬を使用する以外ない状況では、鎮痛解熱剤など単剤を使用される方が安全かと思います。


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