海外勤務健康管理センター
大衆薬と処方薬
Japan Overseas Health Adiministration Center
ブラジルの薬を例にとって、処方薬と大衆薬の違いを解説します。
処方薬
処方薬とは、「医師の発行した処方箋がないと購入できない薬剤」です。 下の薬剤はブラジルで購入した鼻炎薬です。 中央に赤い帯があり、ここに要処方箋(VENDA SOB PRESCRICAO MEDICA)と記載されています。 処方薬の場合、こういった外観が義務づけられています。

以下の写真はブラジルの市中薬局です。 薬局には薬剤師がいて、薬を購入したい場合、相談にのってくれます。

右手のショーウィンドウの中や店員の後ろに処方薬がたくさん並んでいます。 左手の棚(写真には写っていません)には大衆薬が置かれています。
大衆薬
大衆薬とは、「処方箋なしで購入できる薬剤」です。
下の薬剤は同じ薬局で購入した風邪薬ですが、こちらは大衆薬です。 大衆薬のパッケージには制限が設けられておらず、さまざまな外観のものがあります。 この薬の添付書には「1錠に5mgの塩酸ジフェンヒドラミン、10mgのクエン酸ナトリウム、50mgの塩酸アンモニウムを含む。1時間に2錠を越えないように使用すること」とありました。

大衆薬は、スーパーマーケット等でも販売されています。 下記の写真に示すスーパーマーケットで販売されていた鎮痛解熱剤の用量を調べてみました。
薬剤 | ブラジルの大衆薬 | 日本の大衆薬 | 日本の医師の処方量 |
---|---|---|---|
Aspirin | 500mg錠、1日8錠まで | 330mg錠、1日4錠まで | 1回500~1,500mg、1日3回 |
Acetaminophen | 750mg錠、1日3~4回 | 300mg錠、1日3回 | 1回300~500mg、1日3回 |

大衆薬は、スーパーマーケットの他、文房具店、露天などさまざまな場所で売られています。 建前上「大衆薬は処方薬より安全なはず」ですが、それは薬局で薬剤師に相談して購入する場合に限ります。 「十分な監視の行き届かない大衆薬は相当危険なものかもしれない」という認識が必要です。
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