2014年のワールドカップは、2014年6月12日から7月13日にかけて、ブラジルで開催される予定です。渡航中に病気にかかったり、けがをしたりすることなく、観戦の思い出が良いものとなるように、注意していただきたいことをご案内します。
● 渡航前に・・・
ブラジルに渡航する場合、渡航地域によっては、熱帯アフリカと中南米地域の風土病「黄熱」の予防接種をお勧めしています。
渡航が決まったら早めに予防接種を受けましょう。
※黄熱の予防接種証明書は、接種10日後から10年間有効です。
詳しくは、最寄りの接種機関へお問い合わせください。
■ 黄熱の予防接種は予約制です。早めの予約を!
希望者が多い場合は、希望日に接種できないことがあります。特に渡航のピーク時期は予約できないことがあります。早めの予約をお勧めします。
※黄熱ワクチンは他の予防接種に比べて年間接種者数が少ないことや国際的な証明書を交
付する観点から、全国25か所の接種機関(平成25年12月現在)のみで実施していますので、
ご注意ください。
「黄熱」って、こんな病気 |
○ 「黄熱」とは、熱帯アフリカと中南米地域の風土病で、蚊を媒介して感染する感染症です。発症すると、発熱、寒気、頭痛、吐き気などの症状を伴い、場合によっては死に至ることもあります。 ○ 世界保健機関(WHO)は、流行地域に行く場合には、あらかじめ予防接種を受けてから渡航することを推奨しています。 ※ブラジルでは、入国する際に予防接種国際証明書(イエローカード)は求められませんが、流行地域に渡航する場合は、接種をお勧めします。一部の国では、ブラジルからの入国者に対し、イエローカードが求められる場合があります。 ○ 黄熱のワクチンは、全国25か所の接種機関で接種できます(料金は1万円程度)。病気療養中や妊娠中などは、接種できない場合もありますので、詳しくは最寄りの接種機関にお問い合わせください。 |
◆ 黄熱について
※ワールドカップ開催都市以外へ渡航される場合の、ブラジル各都市の黄熱予防接種推奨状況について、詳しくはこちら
■ 余裕を持ったスケジュールでの接種を!
複数のワクチンを接種する場合※には、数か月かかる場合があります。
ブラジルでは、日本国内には常在しない疾患や、国内では発生が稀な疾患が発生しています。渡
航する地域や渡航先での活動内容によっては、黄熱以外にも、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬
病等の予防接種をお勧めしています。詳しくはこちら
※黄熱ワクチンをはじめ生ワクチンを接種した場合は、接種後1月は他のワクチンを接種できませ
ん。余裕を持って、計画的に接種するようにしてください。
■ 海外旅行保険を検討しましょう
一般に、海外の医療費は高額です。万が一、予期できないトラブルに巻き込まれたり、病気にか
かったりした時のことを考えて、海外旅行保険の限度額やサービス、条件などの補償内容を十分
に検討し、保険の加入を考慮してください。
● 渡航中に・・・
■ 虫やネズミ、動物に注意しましょう
蚊やサンショウバエなどに刺されると、感染症にかかることがあります。長袖のシャツ、ズボンの
着用や虫よけ剤の使用など、蚊に刺されないように対策を取りましょう。狂犬病の患者が毎年報
告されています。野犬や野良猫、コウモリなど、動物に手を出したり、近寄ったりしないようにしま
しょう。地方の人家の土壁や日干し煉瓦、草葺き屋根などに生息するサシガメに刺されると、中
南米特有のシャーガス病に感染することがあるので、注意しましょう。
■ 気候に注意しましょう
ワールドカップが開催される6月は、ブラジルでは冬に当たりますが、北部のベレンやマナウス
の熱帯地域は、年間の気温が25~35℃と高く、1年中蒸し暑いです。サンパウロから南は温帯
に近 い亜熱帯地域で、冬は霜が降りることもあります。ブラジリアやパンタナールのある中部
の内陸部 は6月から乾期に入り、気温も湿度も低くなります。こまめな水分補給を行いましょ
う。湖沼や河川には、皮膚から入る寄生虫(住血吸虫症など)がいますので、暑くても入らない
ようにしましょう。
■ 飲み物・食べ物に注意しましょう
水道水は、地方ではもちろんのこと、都市部でも、必ずしも安全でありませんので、飲用には沸
騰させた水かミネラルウォーターを使用して下さい。
消化器系の感染症やウイルス性肝炎などは一年を通して発生しています。また、加熱不十分な
魚介類を摂取することで、寄生虫に感染することがあります。生ものを食べることは避け、十分加
熱されたものを冷めないうちに食べるようにしましょう。
■ 感染予防のための手洗いと咳エチケット
石けんを使って手をよく洗いましょう。石けんがない場合には、アルコール製剤を使いましょう。
咳やくしゃみなどの症状がある時は、マスクをしましょう。とっさに出そうな時は、顔をそらして、
ティッシュなどで口と鼻をおおいましょう。
■ 日焼けをしないようにしましょう
SPF15以上の日焼け止め、帽子、ベール、紫外線カット機能がついたサングラスなどを使いま
しょう。
■ 健康的な生活習慣を守りましょう
お酒を飲む場合には、適正量を守りましょう。飲酒運転はしないでください。
コンドームを使用するなど、性交渉による感染症に注意してください。
からだに傷をつける入れ墨やピアシングなどをする場合、感染症にかかる危険があります。使
われる器具が清潔なものであることを確認してください。
■ 特に、混雑した場所では、油断しないようにしましょう
一緒に行動するグループから離れる時は、待ち合わせ場所を決めてください。ひとりで行動する
よりも、なるべく、友人やグループと一緒に行動するようにしましょう。
■ ワールドカップの大会保安規則、地域の法律や税関手続きに従ってください。
■ パスポートのコピーは、常に携帯してください。
■ 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
▼外務省 渡航関連情報 世界の医療事情
● 帰国したら・・・
帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。
2013年12月10日掲載 2014年1月29日更新