2011年12月28日更新 中南米で狂犬病が発生しています。

狂犬病は、発病するとほぼ100%死亡する危険な病気です。大抵は、動物に咬まれることによりうつりますが、動物の唾液が目、鼻、口や傷ついた皮膚から入ることによってうつることもあります。犬や猫からうつることが多いのですが、サル、キツネ、アライグマ、マングースやコウモリなどの野生動物からもうつります。
世界中の各地域へ向かう旅行者は、狂犬病の発生について注意しておく必要があります。

2011年にコウモリから感染したヒト狂犬病の症例が、エクアドルとペルーで発生しています。犬からヒトへ感染した狂犬病の症例はボリビア、ブラジル、グアテマラ、ハイチ、ペルーで報告されています。また、狂犬病ウイルスに感染したコウモリがアルゼンチン、ブラジル、チリ、キューバ、コスタリカ、ホンジュラスで報告されています。汎米保健機構/世界保健機構(PAHO/ WHO)は、改めて注意喚起を発出しています。

動物に咬まれないために・・・

  • 狂犬病のある地域へ行く方は、ペットを含むあらゆる野生動物や家畜を触らないようにしてください
  • 滞在地で次のような場合は狂犬病の危険性が高くなります。サイクリングや走ること、獣医、長期滞在など。
  • 子どもは、動物に触ろうとすることが多く、ちょっとかじられたり、引っかかれたり、なめられたりしてもそれを親に知らせない(言わない)ため、狂犬病になるリスクが高くなりますので、特別な注意を払ってください。
  • ペットを連れて海外渡航する場合には、ペットを厳重に管理してください。現地の動物と決して遊ばせないようにしてください。特に、野良の動物との接触にはご注意ください。
  • 国内に持ち帰ることを目的に外国で動物の保護等を行わないでください。その犬や猫が狂犬病にかかっていたとしても、実際に症状を現すのは数日~数週間後になることがあります。
  • 咬まれた後の治療ができないと予想される遠隔地に旅行する成人や子どもは、暴露前狂犬病予防接種を受けておくことをお勧めします。

動物に咬まれたりひっかかれたら・・・

  • 流水と石鹸で傷をよく洗いましょう。
  • 症状がなくても、また、大きな傷でなくても、すぐに医療機関を受診してください。狂犬病になることを予防するためにただちにワクチン接種が必要な場合があります。その場合には複数回のワクチン接種が必要です。(症状が現れてからでは遅すぎます。)
  • 咬まれた国によっては適切な治療を受けられない場合があります。その場合にはワクチン接種を受けるために帰国するか、医療水準の高い他の国に向かう準備を行ってください。
  • 帰国後、旅行中に動物に咬まれたもしくは引っかかれたことを医師に告げてください。

旅行前に、自分が加入した海外旅行損害保険の補償対象に海外で受ける治療と、治療を受けるための緊急輸送費用が含まれているか確認してください。もし、含まれていない場合、これらの特約補償の含まれた保険への加入を検討してください。

詳しくはこちらをご覧ください。

・感染症情報:狂犬病

出典

PAHO:22December2011Human rabies transmitted by wildlife
http://new.paho.org/hq/index.php?option=com_content&task=view&id=6284&Itemid=2291

参考