2012年11月15日更新 スーダンで黄熱の患者が発生しています(更新4)

黄熱は蚊によって感染します。感染しても症状が出ないこともありますが、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状が現れ、皮膚が黄色くなったり、出血しやすくなったりして、死亡することも多い病気です。黄熱は予防接種で予防することができる病気です。

11月13日付で世界保健機関(WHO)東地中海事務所(EMRO)から公表された情報によりますと、これまでに黄熱の疑い患者として358人が報告されており、このうち107人が死亡しています。患者は、ダルフールの23地域から報告されており、新たな患者は他の村でも報告されています。アウトブレイクを管理するために、ニャラ(Nyala)、カス(Kass)、ネルティティ(Nertity)、ザレンゲイ(Zalengei)、ガルシラ(Garcilla)、モルニ(Morni)、ジュネイナ(Geneina)の7地域に隔離センターが設置されました。

患者の発生している地域では、新たな患者を発見するための積極的な昆虫学的調査が実施されています。ダルフール州保健省は西ダルフール、中央ダルフールにおいて輸血用の血液バンクを強化しています。WHOとスーダン保健省は、これまでに200人以上の医師や医療従事者に対して黄熱のサーベイランス、患者管理、発生調査、感染予防と感染拡大防止のための訓練を実施しました。

スーダンへ渡航される方は、今後の流行情報に注意するとともに、以下のような対策をとることをお勧めします。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

感染症情報

出典

WHO EMROSudan intensifies emergency response against yellow fever
http://www.emro.who.int/sdn/sudan-news/yellowfever-sudan-response.html

参考

<FORTH 新着情報>
スーダンで黄熱の患者が発生しています(更新3) (2012年11月14日)
https://www.forth.go.jp/topics/2012/11141002.html