2013年12月04日更新 スーダンで黄熱の患者が発生しました (更新2)

 黄熱は蚊によって感染します。感染しても症状が出ないこともありますが、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状が現れ、皮膚が黄色くなったり、出血しやすくなったりして、死亡することも多い病気です。黄熱の感染拡大を防止するためには、予防接種が最も重要な方法です。特別な治療法はなく、脱水や発熱の支持療法が行われます。また、輸血が必要になることもあります。

 12月3日付けで世界保健機関(WHO)から公表された情報によりますと、スーダンの連邦保健省は、西コルドファン(West Kordofan)州と南コルドファン(South Kordofan)州の12地区で黄熱の集団感染が発生したとWHOに報告しました。患者が発生したのは、西コルドファン州の4地域と南コルドファン州の8地域です。

 この集団発生では、10月3日から11月24日までの間に黄熱の疑い患者が44人発生し、このうち14人が死亡したと報告されました(致死率は31.8%です)。連邦保健省によって行われた実地調査の結果、最初に報告された黄熱の疑い患者はスーダン東部の出身で、アラビアガムの農場で働くために、10月に西コルドファン州に来た季節労働者であったことが判明しました。その後、西コルドファン州と南コルドファン州の現地住民からも黄熱の疑い患者が報告されました。連邦保健省の実地調査チームによって疑い患者から採取された血液検体の検査は、ハルツームにある連邦保健省の国立公衆衛生研究所で行われ、IgM ELISA検査で陽性でした。その後、血液検体は、WHOの黄熱の地域レファレンスセンターである、セネガルのダカールにあるパスツール研究所に送られ、IgM ELISA検査と血清中和試験(プラーク減少中和試験)で再度確認されました。実地調査チームによって行われた昆虫学的な調査では、黄熱を持続的に伝播し得るネッタイシマカも発見されました。

 WHOは、特に近隣のダルフール、南スーダンとともに、季節性労働者が仕事を終えて戻り始める場所において、サーベイランスを強化し、積極的な患者発見を行うために連邦保健省を支援しています。これまでに、これらの地域で疑い患者は報告されていません。連邦保健省は新たな患者発生を防ぐため、患者が発生した地域で、感染リスクのある集団に対して、黄熱の集団予防接種キャンペーンの実施を計画しています。WHOの国事務所は、現在、黄熱ワクチンの提供に関する国際調整グループ(YF-ICG)に対して、黄熱の集団予防接種キャンペーンへの支援を正式に要請するために連邦保健省と連携しています。

 昨年はダルフールで黄熱の集団感染が発生し、黄熱の疑い患者は849人と報告され、このうち171人が死亡しました(致死率は20%でした)。この集団感染を受けて、ダルフールの5地域で約500万人が予防接種を受けました。南コルドファン州では、2005年にも高地で生活する遊牧民で黄熱の集団感染が報告されました。この集団感染では、黄熱の疑い患者は615人と報告され、このうち183人が死亡しました(致死率は30%でした)。また、この集団感染を抑えるため、州内の約160万人を対象とした集団予防接種キャンペーンが行われました。

蚊に刺されないための対策

可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。

長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。

流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。

子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

  FORTH 感染症情報

    黄熱
    黄熱の予防接種(ワクチン)について
    黄熱ワクチン接種機関一覧

出典

WHO  GAR  Yellow fever in Sudan – update
http://www.who.int/csr/don/2012_12_03/en/index.html