2014年01月20日更新 南太平洋におけるデング熱の流行状況について
デング熱は、蚊によってうつる感染症で、熱帯・亜熱帯地方にみられます。発熱や関節痛、発疹などがみられます。
1月16日付けで公表された世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(WPRO)の情報によりますと、南太平洋では、約20年ぶりにデングウイルス3型が発生しています。フィジー、フランス領ポリネシア、キリバスなどの多くの地域では、今後数か月間で患者数が増加すると予想されています。一方、ソロモン諸島における大規模な集団感染は徐々に収まっています。現在、患者が発生している地域の保健省は、市民に対するデング熱の予防方法の普及・啓発や、医療従事者に対するデング熱の症状を認識し対応するための技術の更新に、積極的に取り組んでいます。
デング熱を起こすデングウイルスには4種類の血清型があります。1種類の血清型に感染すると、その血清型に対する免疫は一生続きますが、他の3種類の血清型に対する免疫はありません。また、特定の血清型に感染していない小児が生まれ、感染しやすい集団となります。15年から20年もの間、南太平洋では発生していなかった血清型に感染しやすい人口の割合が一定数を超えているようで、この血清型が再度流行することは珍しいことではありません。
南太平洋へ渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないよう対策をとってください。
蚊に刺されないための対策
- 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
- 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
- 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
- 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。
心配な場合には早めの受診を
- 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
- また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
- 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。
FORTH感染症情報
出典
Dengue serotype3 re-emerges in the South Pacific
http://www.wpro.who.int/southpacific/mediacentre/releases/2014/jan-dengue/en/index.html