2014年04月09日更新 西アフリカでエボラ出血熱が発生しています (更新3)

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

4月7日付けで世界保健機関(WHO)から公表された情報によると、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

●ギニア
4月7日の時点において、臨床的にエボラウイルス疾患(EVD)患者であるとされた患者の累計数は、正式に確認された死亡者95人を含め、151人であることがギニア保健省より発表されました。535人の接触者に対し医学的経過観察を行っています。最後の報告以降、ヘルスケアワーカーの新たな症例は発生しておらず、新たな発生地域の報告はありません。

●リベリア
4月7日の時点において、リベリア保健社会福祉省は累計で、5人の確定患者及び16人の疑い患者が発生したと報告しました。そのうち死亡者10人が死亡しました。検査機関で確定診断された5人の患者は全員死亡しました。最近の死亡患者はモンセラード(Montserrado)で発生したEVDの可能性のある患者です。死亡者のうちヘルスケアワーカーが3人含まれていました。最近確定診断されたEVD患者は4月6日に発症しており、現在6人の患者が入院しています。現在28人の接触者は、医学的健康監視下にあります。

●シエラレオネ
シエラレオネでは状況に変化はありません。シエラレオネ保健衛生省によると、エボラ出血熱が疑われていた2人の患者は、シエラレオネで地域流行しているラッサ熱であることが確認されました。

●マリ
4月7日の時点において、マリ保健省によると累計6人のウイルス性出血熱に罹患した疑いのある患者が発生したとの報告がありました。そのうち2人はアトランタの米国疾病予防管理センター(CDC)によって検査したところ、エボラウイルス陰性で他のウイルス性出血熱の検査が実施されています。残り4人の検体は、CDCおよびダカールにあるパスツール研究所にそれぞれ送付されました。

●ガーナ
ガーナ保健省によると、急性熱性疾患で死亡しエボラウイルス感染の疑いがあるのではとメディアで報道されたクマシ(Kumasi)市の12歳の女児について、EVDから除外しています。この女児の臨床検体の検査は、アクラ市ガーナ大学にある野口記念医学研究所で実施されました。

状況は急激に変化しているので、発生患者数、死亡者数、医学的監視下にある接触者数や検査結果数などは、症例の整理、接触者や検査結果、サーベイライスと接触者の追跡調査の強化や継続中の検査により日々変化します。

WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネへ渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

◆感染症情報:エボラ出血熱

出典

WHOGlobal Alert and Response
Ebola virus disease, West Africa– update
http://www.who.int/csr/don/2014_04_07_ebola/en/

Ebola virus disease, West Africa-update2014-04-07
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4087-ebola-virus-disease-west-africa-7-april-2014.html